ボクシングの元ヘビー級3団体統一王者であるマイク・タイソンと、元4階級制覇王者のロイ・ジョーンズ・ジュニアによるエキシビションマッチが28日(日本時間29日)、ロサンゼルスのステイプルズ・センターで行われ、両者は8ラウンドをフルに戦いドローとなった。
この試合は、1ラウンド2分の8ラウンド制で12オンスのグローブを使用という、特別ルールでの実施となった。約15年ぶりのリング復帰となったタイソンに注目が集まったが、随所で往年のパワー溢れるファイトを披露し、試合後は満足げな表情も垣間見えた。
本国アメリカの現地メディアでも、概ねこの試合は前向きに受け止められている。
ESPNはタイソンの打撃を評価
スポーツ専門メディア「ESPN」は、「両者ともに往年の輝きを披露したが、最終的にはタイソンが重い打撃でジョーンズを圧倒する展開となった」とレポート。試合を優勢に進めたタイソンを評価するレビューを掲載している。
また、記事では試合後のコメントを紹介しており、タイソンが今後も同様のエキシビションマッチの実施に前向きな姿勢であることを紹介している。
タイソン「もっとできたはずだ。次回のエキシビションではもっと良くなっているはず。(チャリティ目的のエキシビションは)チャンピオンシップを争って戦うよりも、素晴らしいことだ。人道的な視点から世界のためにできることがある。またやるよ」
ジョーンズもタイソンの重い打撃に賛辞
一方「ヤフー・スポーツ」では、「(マッチは)両者がスポーツ界の巨塔として名を馳せた全盛期のころのようではなかった」としながらも、試合内容には一定の評価をしている。
「往年のパフォーマンス通りとはいかなかったが、恥ずかしいものではなかった。アンディ・フォスター(カリフォルニア州アスレチック・コミッションの責任者)が語っていたように、激しく、ただし殺し合いではない戦いが繰り広げられた」
同記事では、ジョーンズが試合後に語った「(タイソンが放った)ボディへの打撃は間違いなく効いた。自分は6パックだけど、12パックが必要だったよ」とのコメントを掲載しており、タイソンの衰えぬパワーにはジョーンズも賛辞を贈っている。
54歳とは思えぬ仕上がりで熱戦を繰り広げられたタイソンだが、今後も同様のエキシビションマッチが開催される可能性は極めて高いだろう。次戦ではさらなる好試合やKOシーンにも期待をしていきたい。
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試合後に健闘を称え合うジョーンズ(左)とタイソン (C)Getty Images
文・SPREAD編集部