ウオッカ、ブエナビスタ、アパパネ、ラッキーライラック。歴代優勝馬に歴史的名牝が連なる阪神ジュベナイルF。今年は白毛馬・ソダシというアイドルホースに注目が集まり、しかもソダシと同じシラユキヒメの牝系出身のメイケイエールも参戦する。
白毛のソダシに対し、メイケイエールは鹿毛に出たが、両馬ここまで3戦3勝で、重賞2勝と共通点は多く、今年の2歳女王決定戦はシラユキヒメの牝系対決でもある。
しかし、「混戦」と言われているのが、今年の阪神ジュベナイルF。理由は、ソダシの血統背景が元来はダート血統である点。メイケイエールが芝1400mまでの経験しかない点にあるのだろう。
では実際、ソダシとメイケイエールをどう評価するか。予想の組み立ては、ここから入りたい。
■ソダシの重賞2連勝の中身を分析する
まずソダシの札幌2歳S→アルテミスSの重賞2連勝について分析する。札幌2歳Sの勝ち時計1分48秒2は2歳レコード。好位からマクって4角で先頭に立ち、そのまま2着馬の追撃を振り切ってフィニッシュした。
当日は札幌芝の馬場コンディションがよく、他のレースでも好時計が連発。レコードはおまけと言えるもので、時計面は評価に値しない。また、2着の牝馬・ユーバーレーベンは道中最後方からの大マクリで、むしろレース内容としてはこちらが負けて強しの印象だった。
続く、アルテミスSは前半若干掛かり気味に2番手を好位。直線はラスト2F付近で先頭に立ち、そのまま後続を寄せ付けずに押し切った。
見た目のインパクトは大。ただ、最後外から追い込んだ2着のククナは、序盤でゴチャついて後方へ下げるロス。ククナがスムーズだったら、もっと着差は詰まっていたはずで、着差ほどの実力差があったとは思えない。
ソダシの重賞2連勝は、むしろ2着馬のレース内容が目立つもの。レースセンスの高さは評価できるが、同世代で抜けた存在とは言い難い。
■メイケイエールのレースぶりはスプリンター
もう1頭のシラユキヒメ一族、メイケイエールは小倉2歳S→ファンタジーSで重賞2連勝。戦績を見てのとおり、1400mまでの経験しかなく、シンプルに距離延長の不安はつきまとう。
小倉2歳Sはじっくり後方から行かせ、ファンタジーSは向こう正面でスイッチが入って一気に前へ。それでも勝ち切るのだから、能力は相当なものだが、レースはスプリンターのそれ。
大外18番に入った今回、前に壁を作れずガツンと行ってしまうシーンも想像でき、全幅の信頼は置きづらい。
つまり、上位人気のソダチとメイケイエールの2頭には付け入る隙が十分にあり、ここに穴馬の出番があると見た。
■ソダシとメイケイエールに負けた馬を評価
アルテミスSでソダシの2着だったククナが出走していれば、狙いたいのはこの馬だったが、残念ながら回避。一方、ファンタジーSでメイケイエールの2着だったオパールムーンは参戦する。狙いはこの馬だ。
前走、ファンタジーSは3カ月ぶりの実戦で12キロ増、初の当日輸送という条件で、発馬もひと息。それでいて、最後はメイケイエールに3/4馬身差まで迫る末脚を見せており、叩き2戦目、距離延長、阪神外回りへのコース替わりと逆転の目は揃っている。
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著者プロフィール
山田剛(やまだつよし)●『SPREAD』編集長
アスリートの素顔を伝えるメディア『SPREAD』の編集長。旅行・アウトドア雑誌のライターを経て、競馬月刊誌「UMAJIN」の編集長として競馬業界へ。その後、Neo Sports社にて、「B.LEAGUE」「PGA」「RIZIN」等のスポーツ×ゲーミフィケーション事業に携わり、現在に至る。競馬は、1995年マイルCSの16番人気2着メイショウテゾロの激走に衝撃を受けて以来、盲点となる穴馬の発掘を追求し続けている。
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