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【フィギュア】東日本大震災の重みを再認識 「羽生結弦展 共に、前へ」始まる

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【フィギュア】東日本大震災の重みを再認識 「羽生結弦展 共に、前へ」始まる
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前日報道陣に公開された「羽生結弦展 共に、前へ」が16日、東京・渋谷区文化総合センター大和田にて一般開催がスタートした。これは2011年3月11日、未曾有の東日本大震災から10年となるのを受け、当時16歳だった羽生結弦が、避難所での経験や被災地で出会った人々との日々を現在に伝える展覧会となっている。

文化総合センター大和田はJR渋谷駅から徒歩5分と利便性は高いが、145平米程度の手頃な大きさ。羽生の人気を考えると、キャパシティはかなり小さめ。よって入場は無料ながら、事前にアプリで予約の上、予約時間に足を運ばなければならないという新型コロナウイルス対策が講じられている。

【画像ギャラリー】「羽生結弦展 共に、前へ」にて取り扱い中のクリアファイル

■羽生家が震災後の日々を送った居住スペースも再現

2階のギャラリー大和田の入口は、展覧会公式HPと同様のサインボードが掲げられ、向かって右手が入場口となっている。展示会は震災当時の振り返りから始まり、羽生家が震災後の日々を送った2畳にも満たない居住スペースが足元に敷いてある。閲覧者の中には、それが居住スペースだったということさえ気づかぬまま、その上を歩き過ぎる者も。

その壁際には、震災にあたり「自分たちの住んでいた町が崩壊して行く悔しさを感じた」という羽生自身の言葉が掲げられていた。また夜、避難所の外に出て空を見上げた際「ぼくらは真っ暗な状態 全然立ち直れなかったのに、星がすごい輝いていた。希望の光だと感じた」と、ティーンエイジャーだった羽生の赤裸々な感情が綴られていた。

復興に向け、羽生自身も各被災地を慰問した。石巻市を訪れた折には「ここには本当に家があって夜はここで皆が寝ていた。犠牲者の数がどれだけ重いか改めて感じる」と綴っている。また「いろんな人たちの気持ち 思いがある。自分が感じた思い、聞いたことを少しでも広げて行けたら」と自身の使命感が伝えられている。

■あらためて感じる羽生の凄まじさと、コロナ禍という逆風下での期待

展示会の後半には、実際に大会で着用した3つのコスチュームが展示されていた。2015年「天と地のレクイエム」、2011年ショートプログラム「悲愴」、そして2017年「ノッテ・ステラータ」である。「ノッテ・ステラータ」それはイタリア語で「満天の星」の意。避難所の外で見上げた星空だろうか。

展示会は最後に「共に、前へ 2021」という彼の直筆メッセージが添えられたボードで終わる。

こうした展示を拝見し、もはや10年前となってしまうあの大震災の記憶を呼び戻してみる。あそこから、さらに飛び立ち五輪2連覇を成し遂げた羽生という選手の凄まじさをあらためて感じ取るとともに、この10年を単なる風化で終わらせることのないよう、ひとりひとりに何ができるか、今一度立ち止まって考えてみたい。

本展覧会は1月17日まで。また1月以降、福岡、宮城、大阪、宮崎を巡回予定。

羽生は今月24日から始まる「第89回全日本フィギュアスケート選手権大会」にエントリー済。コロナ禍という、人類にとって逆風の今、羽生がどんな演技を見せてくれるのか、我々はどうしても期待せざるを得ない。

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文・SPREAD編集部

《SPREAD》

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