神田勘太朗が語る『D.LEAGUE』 世界初日本発プロダンスリーグ 「ダンスは世界を獲れる」 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

神田勘太朗が語る『D.LEAGUE』 世界初日本発プロダンスリーグ 「ダンスは世界を獲れる」

新着 ビジネス
神田勘太朗が語る『D.LEAGUE』 世界初日本発プロダンスリーグ 「ダンスは世界を獲れる」
神田勘太朗が語る『D.LEAGUE』 世界初日本発プロダンスリーグ 「ダンスは世界を獲れる」 全 1 枚 拡大写真

2024年のパリ・オリンピックでは「ブレイキン」が新種目として決定しているダンス業界は、これまでになく耳目を集めている。


そんな中、2021年1月10日、いよいよ日本発のプロダンスリーグ第一生命 D.LEAGUE」が開幕する。


今回は、1月10日に開幕が迫る「第一生命 D.LEAGUE」の話から、神田勘太朗氏(株式会社Dリーグ 代表取締役COO)が描くその先のダンス界について聞いた。


■神田氏が目指す「ダンサーの権利獲得」


ー「D.LEAGUE」のプレスカンファレンス(2020/11/15開催)では「ダンサーは他のアーティストに比べて権利がない」とおっしゃっていました。そこで「D.LEAGUE」について伺う前に、ダンサーの現状について教えていただきたいです。


神田:ダンサーはダンスを踊ること自体がそもそも遊びの延長というか、最初は多分、ダンスを職業にする、これで飯を食っていくというより、踊りたいという衝動からダンスを踊ってるんですよ。


その中で芸能・文化の部分でお仕事になっていったり、そこにファンがついたことによってダンスを習いたいという人が増えたりしたことによって、ダンサーというものがある意味仕事として成り立っていった経緯があります。


ただ、ダンスは誰のもでもないのでそれを権利化することも難しく、ビジネスマーケットにしていくことも難しかった。そこに対して「なぜダンサーは権利が持てなかったんだろう」、「歌手と何が違うんだろう」と掘り下げていったのが、今回の「D.LEAGUE」におけるダンサーの権利獲得という部分につながっていくんです。


過去にも、何度となく問題提起はしてきたんですけど、ダンサーにいつまでたっても著作権がないっていう話がありました。ただ、ダンサーの著作権を調べていく中で一つわかったのが、ダンスを踊るっていうことに著作権は発生するんですよ。


例えば僕がダンスした瞬間、それは僕の著作物になるんですけど、それを管理して、権利を認める団体がいないので、結果的に著作権がないことになるんです。


著作権に詳しい弁護士の方と何時間も議論してく中で、ダンスの著作物に関する事例っていうのは15cmくらいの厚さの本4冊の中の、たった4行くらいだったんですよ。そのくらい事例がなくて。


「私たちがダンスの権利を認めます!」という団体が、他の業界と交渉をしながら認めさせていくということをしない限りは、権利として認められないわけですよね。


ーそれを「D.LEAGUE」では変えていくと。


神田:例えばYouTubeって動画配信サービスを作って、最初は権利関係なくだだ流しで、でもユーザーがついたことによって交渉権を得たわけで。そこで初めて音楽業界と議論して、広告これだけ回るんだから認めてよと。そのかわり何%か渡すよって仕組みを作ったわけですよ。


それでレーベルも落としどころが作れて、新しいプラットフォームで収益を得ることができたので、認めましょうと。そこでYouTubeは音楽業界と契約を結べて収益を得ていくわけなんですよね。広く多数の人達を手にしたことによって交渉権を得る。


ダンスに関して言うならばそれが、動画の再生数になるのかダンスの動画数になるのかはまだわかりませんが、それを管理する団体が生まれて、音楽業界や動画業界、はたまたこれから生まれてくる業界など、様々な方面に権利を主張していきたいです。


■ダンスの可能性を狭めることはしない



USEN-NEXT I’moon (C)「D.LEAGUE」プレスカンファレンス



神田:例えば音楽業界で「この音は俺のだ!」と登録するとしますよね。実際その人の音なんでしょうけど、何かしらのコードを弾いてるわけじゃないですか。


でもそれはみんなの共有財産になってるわけじゃないですか。誰がそのコードを弾いてもいいと。そのコード自体を著作権で登録していたらどんどん閉じられたものになっていきますよね。


ダンスに関しても、最初にダンスのベースとなるステップを踊った人は誰なのかとか、それに権利はあるのかとか掘り下げなきゃいけなくて。


それも、公共のもの、みんなのものとしましょうということすらも、どっかの誰かが定めないといけないんですよ。そうやって整備していかなくちゃいけない。


音楽は音の波形をベースに判別してるように、ダンスでも何かしらのアルゴリズムを作らなきゃいけないと思ってるんですよ。それが何で作るかっていうのは企業秘密で動いてはいるます。そこの整合性がとれると、あなたのこの踊りのアルゴリズムはこの人の物だから、この人に印税がいくよという動きができる。 


一方で難しいのが、真似ること自体が悪いことではないんですよ。真似たとて、それを自分の収益のためだけに使うと難しいよねっていうところとか、本当にいろんなところを決めなくちゃいけない。


ただ、著作権を勉強してるのは、ダンサーにどうやったら歌唱印税や作家への印税のようなものが入るのか考えるためで、ダンスの可能性を狭めたりだとか、「この振り付け僕のものなんでもう踊っちゃダメです」みたいなことはやりたくないんですよ。


そこまで考えた上で、ダンサーの権利の中の一つとしてこないだの「D.LEAGUE」のプレスカンファレンスでも発表した、作家陣の中にプロデューサーとしてダンサーが入り、作詞作曲の中に意見を入れることによって権利を認めるっていうやり方があるんですよ。



プレスカンファレンスで発表されたオリジナルパフォーマンス楽曲の収益分配モデル (C)Tosiyuki Hirata



さらに「D.LEAGUE」でチャレンジしているのは、音楽界におけるシンクロ権についてです。ダンスはシンクロ権が開放されないとなかなかつらいんですよね。


もちろん音楽を守るという観点ではわかるんですけど、逆にダンスが音楽を広げる可能性もあって、だったらシンクロ権を開放することによってダンサーは音楽を使えて、それがYouTube等にアップされ結果的に色んな人に知られて、印税が音楽業界にも入るっていう方がプラスしかないと思うんですよ。


なので「D.LEAGUE」に関しては、作家の方にシンクロ権は開放してくださいと言っていて、SNSや色んなもので拡散するつもりですと。そこに納得してもらってる方に作家として入っていただいています。


ハードルも高く、長い戦いになっていくとは思うんですけど、これをやっていくと今後、ダンサーがダンサーとして認められていくのかなと思っています。


■「D.LEAGUE」がもたらすダンス界の変化



プレスカンファレンスで「D.LEAGUE」のビジョンを語った神田氏 (C)「D.LEAGUE」プレスカンファレンス



ーリーグを経てダンサーの立場は権利獲得とともに変化していくかと思います。このDリーガーらは今後どういった方向性で活躍していくと考えてまいすか。


神田:今までは「For Dancer」だったわけなんですよ。基本的にはダンス界の中でいかにダンサーとして名を挙げていくか。それを「D.LEAGUE」自体は「For People」に変えていて。


一般の方を含めてすべての人にダンスのある人生をもたらすことを「D.LEAGUE」は追求していて、これまでの野球やサッカーのような日常にあるものにダンスを拡げていく。


今まではダンス界の存在自体を世間は知らなかったと思うんですよ。「ダンスを踊る人=芸能人」みたいな。これは代表の平野からも言われていて、「僕らからするとダンス界という存在は知らなかったし、ダンサーも芸能人だと思っていた」と。


ただダンス界にはダンス界のプライドもあるんですよ。ダンス界っていうのはあるんだよと。


そのダンス界を気づいてもらえるきっかけになるのが、この「D.LEAGUE」になるのかなと思っていて。Dリーガーは、そのダンス界の通訳者なんです。それでいながら今までのダンサーと違った形でダンスを使い、世の中に出て、スーパースターになっていくのかなと思います。


一方でこういう世界ができれば、元々いたダンス界でもスーパースターが出てくるとも思ってます。メジャーが盛り上がればアンダーグラウンドも盛り上がる。なんでもそうだと思うんですよ。アートの世界でも、メジャーな絵もあれば、アンダーグラウンドだけども、ある一定の人にはとんでもない評価を得ているものもあるじゃないですか。


Dリーガーが出てくればくるほど何かが破壊されるのではなくて、むしろダンスはカウンターカルチャーなのでもっと盛り上がるものだと思っているので。


ー「D.LEAGUE」が盛り上がれば盛り上がるほど色んなダンサーにも目が向きますよね。


神田:例えばマイケルジャクソンのスリラーの後ろで踊ってるダンサーはダンス界のレジェンドなわけですよ。


ただ一般の方にそんな認識はなくってマイケルしか見ない。でも中にはマイケルが好きだったんだけども、バックダンサーが気になってた人もいるんですよ。


それが今の時代、SNSが出てきたことによって、そのようなバックダンサーも「あ、この人なんだ」とわかるようになってきた。そういう事が起きてきている中で、その認識の境界線をぶち壊せるかのかなと。


そこでダンサーたちがもっと自分たちに価値を感じて、わかりやすく言うと食っていけるようになるっていうチャンスを「D.LEAGUE」で得ることができるのかなとも思います。


■ダンスならではのビジネスモデルと新たな価値



プレスカンファレンスではリーグや参加チームの関係者も登壇 (C)「D.LEAGUE」プレスカンファレンス



ーダンス界の存在をこれから大きくしていくにあたり、「D.LEAGUE」が始まるわけですが、すでにいくつもの有名企業が参画されています。こちらの各企業に声をかけていった時の反応はどのようなものでしたか?


神田:他のプロリーグに比べれば参入しやすい新興勢力のプロリーグだと思うので、その仮定の元にお声がけさせていただいてるので、それを理解されているスピード感のある企業さんは即断即決だったのかなと思います。


ーやはりスポーツでプロリーグと聞くと、いわゆるスポーツビジネス(広告・入場料・グッズ・放映権)が思い浮かびます。プレスカンファレンスではこれ以外にも「人気も一つのバロメーター。その価値化にもチャレンジしていく」とおっしゃっていました。


神田:そうですね、いわゆるファンビジネスですよね。実はファンビジネスに関してはダンス界は昔からやっていて、ダンサーの生徒は自分のファンなわけですよ。なので正統なのはファンビジネスなのかなとも思っているんですけど、憧れのダンサーを応援できる体制もダンス界で当たり前化したいなと思っています。


ファンの投票がジャッジに反映されるので、自分の意思を少しでも好きなダンサーに還元されることによってファンの自尊心も高まる。Dリーガーも応援されて嬉しいですし、入場料やグッズなどのビジネス周りでもそうですよね。


まずファンを作ることをダンス界でも当たり前にやるっていうのをベースにしたいですよね。


■次世代の技術を取りいれた新たなスポーツリーグ



SEGA SAMMY LUX (C)「D.LEAGUE」プレスカンファレンス



ー現在コロナ禍でスポーツ界全体がかなり苦しんでいるように見えます。その中で開幕するこの「D.LEAGUE」は他のスポーツリーグと比べた時の強みはどの点だと考えていますか?


神田:一番は他の競技に比べショートタイムなので、今回でいうと一つ一つのコンテンツが2分~2分15秒。それが9つという形になってくるので、今の時代には合ってるかなと思います。


広義的にスポーツ全般そうなんですが、言葉がいらないので世界を越えていける


あと、小さい子にもわかるっていうのがダンスのすごいところで、今の子たちって2,3歳でiPadとか触っていて動画を見てるわけですよね。そこで流行りのダンスとかって勝手に踊ってたりするんですよ。直感的、本能的にダンスに反応してしまう。


さらに言うとオリンピックにブレイキンも採用されて、これから世界中で注目される右肩上がりの産業ですし、すべてにおいてダンス業界勝ってますね。


ーさらに特徴としては5GやXR技術を取り入れたコンテンツも予定されていますよね。


神田:5Gの世界がどこまで本気でコンテンツを取り込みたいのか。逆に言うともっと本気になってほしいんですよ。いや、本気だと思うんですけど。(笑)


今までも業界のテックサービスを、どうスポーツやエンターテインメントに活かせるかっていうことっていくつも議論されてきたじゃないですか。


でもそれって実は、ユーザーファーストではなくサービスを作る側の主張が強いというか。「テクノロジーここまで進化したよ!だからこういう使い方で遊べるからやった方がいいよね!」って言うんです。ところがユーザーは正直なので、家に帰ってダラダラしてる状態で楽しめたらそれで最高なわけなんですよ。


過去にも3Dテレビを何度も流行らせようとしてたわけですけど、結果それが流行らなかったのは家に帰って3D用の分厚い眼鏡つけてびっくりしたくないんですよ。それがみんなわかってるはずなのに!でもずっとテレビが売れないから、何か業界的に変えなくちゃとチャレンジするんですよね。


今はVRに関して楽しむ環境をそれぞれ整えてきている中で5Gの「超高速」「超多数同時接続」「超低遅延」と謳っているじゃないですか。


じゃあ次の課題ってあの重たいデバイスをいかに簡素化するかですよね。極論、目をつぶればその世界にいるのが最高なわけで。


■神田氏が見据えるダンス界のビジョン



KADOKAWA DREAMS (C)「D.LEAGUE」プレスカンファレンス



神田:実は僕、50歳でダンスビジネスからすべて手を引こうと思ってるんですよ。あと10年なんですけど。それまでにはテクノロジーに追いついてほしいんですよ。


これから5Gの次、6Gの世界になった時にダンサーじゃない人ですら踊れる世界を僕は作ろうと思っていて。その時に今回の「D.LEAGUE」のデータも活かされたり、「D.LEAGUE」に憧れてた子たちが踊りじゃないのにその世界に入り込めるといったものを当然考えているんです。そのために何が必要かを逆説的に準備しているんですよね。


ただそれを夢物語的に言っていても、本当に信じてくれる仲間がたくさんいてほしい。


18年前に起業した時にダンス界はこうなるってずっと言ってるんです。その時は誰も相手にしてくれなかったのに、ずっと言い続けてきたら結果的にプロリーグもできてるわけですよね。


あの当時話してた友達とかは、「本当に言った通りになってきてるね」って言うんですよ。だから言ったじゃねぇかと(笑)。でもこれは僕が預言者ということではなく、こうすると決めてそのために動いてるからなんですよ。


結果的に時代に救われてる部分もあるし、みんなに救われてもいるんですけど、それを愚直にあきらめないから今できているんで


ということは、テクノロジーさえ追いついてくれれば、僕が今狙っている世界は作れるんですよ。誰が作るのかって言ったら僕が作るから(笑)。


そのくらいのことをやっているので、今、力が有り余っている人とかお金が有り余っている人とか、世界中のコネクションが有り余ってる人とか全員乗っかってくれたら面白いのになぁって思うんですけどね。


■「まずは本能のままに見てもらいたい」


ー最後になりますが、1月10日に開幕する「第一生命 D.LEAGUE」を楽しみにしている方へメッセージや見どころを教えてください。


神田:ダンスを見るのがこれが初めてという方もいらっしゃると思うので、まずは見た率直な感想でいいかなと思います。「すごい」「かっこいい」「かわいい」「面白い」とか、そこからもっと深堀りしていきたいなら自分で探ればいいですし。まずは本能のままに見てもらいたいなと思っています。


そこからちょっとでも興味を持っていただけたらDリーガーのSNSとかを見ながら、もっともっと「D.LEAGUE」のことを知ってもらったりして見ていただければなと。


その中でも、推しメンじゃないですけど、自分の好きなダンスのジャンルとかメンバーやチームに興味を持ってもらって、それがさらに友達とかに伝播していくと僕らはさらに嬉しいです。


あと自分が生きていく中でプロリーグというものが立ち上がることってそうそうないと思うんですよ。今ほとんどのコンテンツができている中でこれからプロ化するのって「他に何があるの?」って僕も思うくらいなので。僕が体験したJリーグの立ち上げの時の記憶も鮮明にあるので、そういう体験自体も楽しんでほしい。逆に僕らも記憶に残るように楽しませたいと持っているので。コロナ禍でみんな元気ないんで、これを見て元気になってほしいなと。


「第一生命 D.LEAGUE」
公式サイト:https://home.dleague.co.jp/


D.LEAGUEオフィシャルアプリ:
App Store
Google Play


【D.LEAGUE】国内プロダンスリーグが10日にいよいよ開幕! 開幕戦にはPKCZも特別参加


神田勘太朗が語る『DANCE ALIVE HERO’S』 赤字から世界最大級イベントへ 「ダンスは世界を獲れる」


文・SPREAD編集部

《SPREAD》

≪関連記事≫
≫貴重な水着ショットも披露!「もはや高校生には見えない」大人っぽい池江璃花子、沖縄・石垣島の海を満喫

≫ケンブリッジ飛鳥と滝沢カレンが似てる?リオ五輪時から密かに話題だった

≫レアル所属・中井卓大ってどんな選手?…「リアルキャプテン翼」と呼ばれた少年時代