年度代表馬に輝いたアーモンドアイが、重賞初Vとなったのが、2018年のシンザン記念。本馬はここで直線一気の末脚で勝利し、後に牝馬三冠を達成した。
2012年の勝ち馬ジェンティルドンナも同じく後の牝馬三冠馬。2011年の3着マルセリーナは桜花賞を制し、2007年2着のダイワスカーレットは牝馬二冠+有馬記念を制するなど、シンザン記念は名牝への登竜門と言えるレースとなっている。
今年も、昨年のアルテミスSで後の2歳女王ソダシの2着に入った牝馬ククナが参戦。祖母クルソラは亜GI2勝馬で、母クルミナルは桜花賞2着、オークス3着という良血馬だ。
デビューからC.ルメール騎手が騎乗し、3戦連続で上がり最速の末脚を繰り出すなど、ポテンシャルの高さはうかがえる。
では、今年も牝馬ククナで決まりか? 答えはノーである。
■狙いは“前”、そして“内枠”
今年は京都が改修工事のため、中京で開催される。全体的に馬場の痛みは目立つのは例年の京都と同じだが、直線に急坂があるぶん、京都と比べてタフな競馬が強いられる。
中京芝は年末のBコースから年明けにAコースへ替わり、ラチ沿いの痛みは解消されたが、そのぶん、馬場の真ん中が相当傷んでいるのは見た目にも顕著だ。
そのため年明けの中京芝は前残りが目立ち、インを通った馬もよく伸びる。つまり、外差しが厳しい状況になっているというわけだ。実際、中京芝1600mで施行された京都金杯では、逃げた14番人気のエントシャイデンが3着に逃げ粘り、1枠2番の12番人気ケイデンスコールはインからスルリと抜け出して勝利。
狙いは“前”、そして“内枠”だ。
■ククナは差し損ねも想定しておく
ククナは痛恨の大外8枠。前走は序盤でゴチャついて後方に下げる格好となったが、デビュー戦も出負けしており、早めの競馬をするタイプではない。つまり、想定されるククナのレース運びは外差し。しかも、タフな中京芝コースとあり、条件的には決して向くほうではない。
確かな末脚を持っているだけに上位争いには食い込んでくると思うが、差し損ねは想定しておきたい。
そこで狙ってみたいのが、3枠5番の先行馬(5)ダディーズビビッド。やや行きたがる面はあるが、前有利の今の中京芝なら好都合。中京芝1600mは野路菊Sで2着、前走こうやまき賞を快勝と、コース適性もある。腰痛で武豊騎手から浜中俊騎手に乗り替わったが、むしろ人気が落ち着くのならオイシイ。
【シンザン記念週に『6億円』山分け!?】
著者プロフィール
山田剛(やまだつよし)●『SPREAD』編集長
アスリートの素顔を伝えるメディア『SPREAD』の編集長。旅行・アウトドア雑誌のライターを経て、競馬月刊誌「UMAJIN」の編集長として競馬業界へ。その後、Neo Sports社にて、「B.LEAGUE」「PGA」「RIZIN」等のスポーツ×ゲーミフィケーション事業に携わり、現在に至る。競馬は、1995年マイルCSの16番人気2着メイショウテゾロの激走に衝撃を受けて以来、盲点となる穴馬の発掘を追求し続けている。
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