今週は中京競馬場でハンデ重賞・日経新春杯(芝2200m)が行われる。
2200mと距離を変えて施行される今年。昨年のこのレース勝ち馬モズベッロは宝塚記念3着とGI戦線でも結果を出しており、今後のGIに向けてチェックすべきレースと言えるだろう。
データで紐解く今年の日経新春杯。過去10年のデータ分析から浮かび上がったキーワードをご覧いただきたい。
1.アドマイヤビルゴを後押しする「馬券内率77.8%」データ
2.ヴェロックスの鬼門は「連対ゼロ」の左回り
3.データが導く2021日経新春杯の穴馬候補は?
◆有馬記念サラキア(11人気2着)、中山金杯ココロノトウダイ(5人気2着)、シンザン記念ルークズネスト(8人気2着)と推奨馬が3連対中の追い切りジャッジはコチラ!
■アドマイヤビルゴを後押しする「馬券内率77.8%」データ
「6億円ホース」としてデビュー前から話題となっていたアドマイヤビルゴ。
クラシック戦線への参戦こそ叶わなかったが、昨年秋は古馬相手に連勝といよいよ本格化ムードが漂う。そんな同馬を後押しするのがこちらのデータ。
・4歳かつノーザンファーム生産馬【4-2-1-2】
馬券内率に換算すると77.8%。のちのGI馬シュヴァルグランや10人気1着と波乱を演出したカポーティスターもこれに該当しており、信頼度の高いデータと言えそうだ。
フィエールマンがターフを去ったこともあり、着々と世代交代が進む古馬王道路線。このレースをきっかけに主役候補に名乗りを上げたいところだ。
■ヴェロックスの鬼門は「連対ゼロ」の左回り
皐月賞では電撃引退を発表したサートゥルナーリアとタイム差なしの2着。三冠レースすべて馬券圏内と、確かな自力を証明したヴェロックス。
昨年はほとんどの期間を休養に費やしたが、復帰初戦の前走中日新聞杯は3着。完全復活をアピールしたい1頭だが、ここはコースが鬼門となりそうだ。
・左回りでの成績【0-0-2-1】
東スポ杯2歳S、日本ダービー、そして中日新聞杯。左回りを使われた3戦はいずれも直線の長いコース形態。その条件において、同馬の特徴である立ち回りの上手さを活かしきれず連対を外すケースが続いてしまっているのだ。
ヴェロックスの実績を考えると勝利の二文字、最低でも連対が義務付けられるレベル。そのハードルで捉えたとき、悪いほうで気になるデータと言えるだろう。
■データが導く2021日経新春杯の穴馬候補は?
昨年は11人気3着と人気薄激走も珍しくない日経新春杯。ここでは波乱の使者となりうる穴馬候補2頭をデータ面から取り上げたい。
<穴候補1 ショウリュウイクゾ>
3勝クラスで足踏みが続く馬。実績で見劣りする感は否めないが、データ面でのアピール材料はある。
・前走から2カ月以上の休み明け成績【0-2-2-1】
大敗してしまった前走は間隔が詰まったローテーション。そこから再び間隔をあけ、上記の得意ローテに替わるアドバンテージは計り知れない。2走前に2着好走歴のある中京2200mで見直したい1頭だ。
<穴候補2 レクセランス>
デビューから3連勝を飾ったものの、その後は低迷が続く馬。復調には時間がかかると思われる同馬にもデータの後押しはある。
・4歳かつノーザンファーム生産馬【4-2-1-2】
アドマイヤビルゴの項で取り上げたデータはこの馬にも当てはまる。人気薄でもお構いなしの強力データを背に大駆けがあっても驚けない。
▼競馬ストーリーテラー・田原基成の重賞分析TV「日経新春杯」
著者プロフィール
田原基成(たはらもとなり)●競馬評論家
競馬予想の魅力を世に発信し続ける「競馬ストーリーテラー」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野にて競馬本を執筆。現在はUMAJIN内「競馬サロン」にてコラム【競馬評論家・田原基成のいま身につけるべき予想の視点】 執筆中。『SPREAD』ではデータ分析から読み取れる背景を紐解き、「データの裏側にある競馬の本質」を伝えていく。
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