17日(日)は中京競馬場で日経新春杯(GII、芝2200m)が開催されます。
例年は京都芝2400mの外回りを舞台に行われる重賞ですが、京都競馬場の大規模改修により、年明けに開催された京都金杯、シンザン記念と同様に今年は中京競馬場で開催されることに注意しましょう。
京都芝2400m外回りと中京芝2200mでは施行される『距離』そのものが異なり、コース形態も大きく異なります。過去の日経新春杯のデータは参考程度に留めるのが良さそうです。
◆ハンデ56キロのアドマイヤビルゴより、軽ハンデの“穴馬”を買え
■中京芝2200m戦は池添謙一騎手が買い
そこで日経新春杯はまずコース改装後の中京芝2200m戦のデータを基に、今年の日経新春杯に乗り鞍がある騎手の成績をまとめています。
それでは気になる騎手データを見ていきましょう。
中京芝2200mは騎手ごとの平均着順と人気との差に極端な開きは見られません。
人気馬に騎乗する機会が多い、福永祐一騎手、武豊騎手、川田将雅騎手は人気を下回る状況にありますが、騎手ごとの得手不得手よりも馬の人気、実力がストレートに反映される舞台と言えそうです。
上記のような傾向はありますが、着順と人気のバランスが優れているとデータから示されたのは池添謙一騎手です。
騎乗数は8鞍と限られますが、8鞍中6鞍で騎乗馬を人気以上の着順に導いており、昨年の神戸新聞杯では3番人気のヴェルトライゼンデを2着に導いています。
今年の日経新春杯で同騎手が騎乗するのが、前日17時段階で6番人気のサトノソルタス(牡6、美浦・堀)です。
昨年の金鯱賞ではサートゥルナーリアを相手に0秒3差の2着に好走しているサトノソルタス。ここで人気以上の好走が見られるのか注目してみてください。
■中京芝2200m戦は福永祐一騎手も優秀
そしてこの舞台で人気を背負うことが多い福永祐一騎手、武豊騎手、川田将雅騎手の3騎手の中で人気に比べて着順がそこまで落ち込まずに済んでいるのが福永祐一騎手。
表では連対率のみを記載していますが、勝率、複勝率を含めた数字は以下の通り。
・福永祐一騎手×中京芝2200m
【10.9.11.21】勝率19.6%、連対率37.3%、複勝率58.8%
中京芝1600m重賞ほどの高複勝率ではありませんが、それでも6割近い複勝率は優秀です。
今年の日経新春杯で同騎手が跨るのがクラージュゲリエ(牡5、栗東・池江)。昨年のアンドロメダSで久々に馬券絡みし、復調気配がうかがえる同馬。3連複の軸として考えみるのが面白そうですね。
■中京芝重賞で強い騎手は
本重賞ですが、コース改修後の中京芝重賞のデータを基に、今年の日経新春杯に乗り鞍がある騎手の成績もまとめています。
こちらの騎手データも見ていきましょう。
荻野琢真騎手、団野大成騎手は数値的に優秀ですが、サンプル数があまりにも少なく参考程度に留めるのが良そうです。
今回、着順と人気のバランスが優れているとデータから示されたのは池添謙一騎手です。
中京芝2200mの成績も優れている同騎手ですが、2012年の高松宮記念は2番人気のカレンチャンで優勝、2016年、2017年の金鯱賞ではヤマカツエースで連覇を達成と、中京で行われた重賞で優れた結果を残せています。
そして重賞で人気馬に騎乗する機会が多い福永祐一騎手、武豊騎手、川田将雅騎手の3騎手の中では福永祐一騎手が最も着順を落とすことなく堅実な結果ですね。
さて、距離、重賞と別々の要素を併せて騎手データを見て行きましたが、中京芝2200mで重賞が行われる今回は池添謙一騎手、福永祐一騎手が跨る馬は軽視禁物と言えそうです。
■中京芝重賞で武豊騎手は大不振
一方、中京芝重賞で厳しい競馬が続くのが日本競馬の至宝・武豊騎手です。
平均人気に比べ、平均着順が大きく落ち込んでいて、中京芝重賞の連対率は僅か5.9%に過ぎません。
中京ダート重賞ではインティ、マテラスカイなどで結果を残せていますが、今年の京都金杯のシュリ(1番人気5着)、昨年のファルコンSのラウダシオン(1番人気2着)のように人気馬でも勝ち切れないケースが多々見られます。
今年の日経新春杯で武豊騎手が騎乗するのが前日17時段階で1番人気のアドマイヤビルゴ(牡4、栗東・友道)。
データを参考にすれば危険な人気馬となりそうですが、結果が気になるところです。
著者プロフィール
伊藤大輔(いとうだいすけ)●「UMAJIN.net」編集部
秋田県生まれ。スポーツ関連書籍出版社、競馬専門紙の勤務を経て、現在はUMAJIN .netでライティング、競馬データ解析等を担当。『SPREAD』では主観的要素の強い「馬体解析」と客観的なデータの蓄積である「騎手データ」から、注目すべき馬と騎手を取り上げていく。