【野球】巨人の新助っ人・スモークをデータで徹底解剖 活躍のカギは「選球眼」 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【野球】巨人の新助っ人・スモークをデータで徹底解剖 活躍のカギは「選球眼」

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【野球】巨人の新助っ人・スモークをデータで徹底解剖 活躍のカギは「選球眼」
【野球】巨人の新助っ人・スモークをデータで徹底解剖 活躍のカギは「選球眼」 全 1 枚 拡大写真

2020年の日本シリーズソフトバンク相手に2年連続の4連敗を喫した巨人は、オフに入ると積極的な補強に動いた。DeNAから梶谷隆幸外野手、井納翔一投手をFAで獲得すると、MLBでも実績のあるエリック・テームズ内野手、ジャスティン・スモーク内野手も迎え入れた。


坂本勇人岡本和真丸佳浩といった主軸をサポートするための長距離砲に絞っての補強だが、果たして新助っ人の2人は巨人打線に厚みをつけることができるのか? 


今回は一塁手候補として期待されるスモークについて、MLB時代に残したデータなどから特徴や課題を分析したいと思う。


◆巨人新助っ人・テームズの「不安なデータ」とは?  浮かび上がる課題を徹底分析


■期待の有望株は2017年に“覚醒”



スモークの通算成績



スモークは2008年のドラフト1巡目(全体11位)でテキサス・レンジャーズに入団。当初から長打力が注目されていた両打ちのプロスペクト(若手有望株)であった。本格的にレギュラーの座を掴んだのは、2010年シーズン途中にトレードでシアトル・マリナーズに加入してから。それでも、高い期待を受けながら打率は2割台前半、本塁打も20本以下と、伸び悩む姿が目立っていた。


その後、2015年にトロント・ブルージェイズに加入すると、出塁率の改善と本塁打の増加が目立つようになった。2017年にはキャリアハイとなる38本塁打、90打点を記録。以降も20本塁打以上をマークし、長距離砲として一定の評価を集めた。


しかし、新型コロナウイルス感染拡大の影響で短縮シーズンとなった2020年は2球団に在籍し、36合の出場で、5本塁打、打率は.176と絶不調。オフにサンフランシスコ・ジャイアンツを自由契約となると、34歳にして新天地を日本に求めた。


■テームズ同様に昨季は打撃不振だが……


巨人で同僚となるテームズも、2020年はこれまでよりも本塁打数が大きく減少している。しかし、指標で両者を比較すると、少し異なる状況が見えてくる。



過去3年のテームズとスモークの打球詳細 出典:Baseball Savant



両者の打球における「バレル」(※1)の割合は大きく下がっているが、打球速度と角度の両方がここ数年落ち込み傾向のテームズに対して、昨季のスモークの両数値はこれまでと遜色ない結果となっている。打球の質が変わったというよりは、極端なスランプにより長打につながる“完璧な打球”を放つことに昨季は苦労した、と見るべきか。


通算成績だけでは「三振か、本塁打か」というプレースタイルが見てとれるスモークだが、ブレイクを果たした2017年前後から見てみると、初球をスイングする確率が下がりここ数年は約23%。ボールゾーンをスイングする確率も減少傾向にあり、向上した選球眼を武器にある程度「どっしりと」打席で構えている様子も数字からは見てとれる。四球に関しても、2018〜2019年のBB%(打席数/四球)はリーグ上位に食い込んでいる。


※1 打球速度と打球角度から算出される指標。打球速度に応じて8〜50度の範囲で適切な角度は変動するが、この「バレル」のゾーンで放った打球ほど、長打になる確率が高くなる。


■プルヒッターだが左打席では逆方向への一発も


スモークは両打ちということもあり、どちらの打席でも打率や出塁率はそれほど変わらないが、典型的なプルヒッターらしく引っ張り傾向が強く、昨季も全打球の56.4%を占めている。しかし、左打席に限ると逆方向への本塁打も目につくのは見逃せない点だ。



過去3年のスモークの打球分布(左打席) 出典:Baseball Savant




過去3年のスモークの打球分布(右打席) 出典:Baseball Savant



得意としているゾーンは主に真ん中近辺に集中している。これまで同様に、左打席に立つケースが多くなると予想されるが、内外角、特に内角に対しての苦手意識が顕著な数値が過去3シーズンで残っている。



過去3年のスモークのゾーン別打率(左打席) 出典:Baseball Savant



■選球眼をNPBでも発揮できるかがカギ


こういったデータをもとに、NPBでも序盤から内角を厳しく攻められるはずだが、持ち前の選球眼でボールを見極めたうえで、得意ゾーンにきたボールを打ち返してリズムを作っていきたいところだろう。


近年のスモークは「三振が多く打率はあまり期待できないが、四球も選べる長距離砲」として自身のスタイルを確立しており、極端に打撃成績が悪化した昨季でも打球の質自体にはまだ望みがあるとも受け取れる。


もちろん、MLBでの実績がそのままNPBでも通用することはないが、環境やストライクゾーンに適応し自身の持ち味を発揮できれば、5番~7番打者として坂本、丸、岡本を援護するにはうってつけの存在になれるかもしれない。


データ・図表出典:Baseball Savant


文・SPREAD編集部


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