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総合格闘技「UFC257」ライト級マッチが23日(日本時間24日)、アブダビで開催され、ダスティン・ポイエーがコナー・マクレガーをTKO(2R 2分32秒)で破り勝利した。マクレガーにとっては2020年6月の引退宣言を経ての復帰初戦であったが、ポイエーの繰り出すカーフキックに対処できず惨敗となった。
日本でも「RIZIN.26」で堀口恭司がカーフキックを駆使して朝倉海を破っているが、海の向こうでもその威力は猛威をふるっている。ポイエーとマクレガー、両者が対戦後に語ったカーフキックの効果や印象についてのコメントを紹介していきたい。
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■堀口と同じく、キーマンはマイク・ブラウン
2014年の直接対決時にはマクレガーが1RでTKO勝ちを収めていたが、今回はそうはいかなかった。
1Rからパンチを中心に圧力をかけていったマクレガーだが、対するポイエーはマクレガーの前足へのカーフキックを絶えず繰り出していく。2Rに入りマクレガーの動きが確実に鈍くなると、連打からの右フックで勝負を決めた。
米メディア「SB NATION」では快勝後のポイエーのコメントを紹介しており、ポイエー陣営が当初からカーフキックを軸としたプランでこの一戦に挑んだことが明らかになっている。
「マイク・ブラウンの存在は、カーフキックを繰り出すうえで大きな意味を持っている。実際とても効果があった。マクレガーの足は機能しなくなったし、早い段階で不利な状況になっていた。
経験から(カーフキックに)どれだけ効果があるかは分かっている。彼はキックを掴んで反撃を狙っていたけど、掴まれた場面でもキックが先に当たっていることは分かってた」
ポイエーのセコンドには堀口とも関わりの深いマイク・ブラウンがついており、カーフキックを軸に据える戦法は当初の予定通りであったようだ。
■マクレガーはカーフキックに衝撃「経験したことない」
一方のマクレガーは試合後の記者会見で「足が完全に死んだ」と語り、2ラウンド目では接近戦に持ち込みたかったものの、足が機能せずに対応できなかったと付け加えた。
総合格闘技界で猛威を振るうカーフキックについてマクレガーは「あのカーフキック、あんなものはこれまで経験したことがなかった。効いたよ」と、危機感を募らせている。
共にアメリカントップチーム(ATT)に所属する堀口、ポイエーの完勝により、カーフキックはますます見過ごせない要素となっている。
「戦慄の蹴り」にいかに対応するか。今後の総合格闘技界には、しばらくこの難題がつきまとうことになりそうだ。
文・SPREAD編集部