今週は東京競馬場でフェブラリーS(ダ1600m)が行われる。
クリソベリル、チュウワウィザード、オメガパフュームのいわゆる「3強」が回避。例年と比較するとやや寂しいメンバー構成だが、その分だけ波乱の可能性は高くなったとも言い換えられる。この記事ではデータ面からフェブラリーSを紐解き、攻略への糸口を見つけていきたい。
1.カフェファラオの鬼門は【0-0-0-9】の堀厩舎×ダートGI
2.オーヴェルニュを後押しする「馬券内率100%」データ
3.データが導く2021フェブラリーSの穴馬候補は?
◆「フェブラリーS」根岸S組、差し・追込という穴党セオリーの“逆”を突く
■カフェファラオの鬼門は【0-0-0-9】の堀厩舎×ダートGI
ヒヤシンスS、ユニコーンS勝利と東京ダート1600mにおいて抜群の適性を示すカフェファラオ。
得意舞台に戻るここはダート界の頂点に上り詰めるチャンスと言えるが、ここは「人」の部分が鬼門となりそうだ。
・堀厩舎のダートGI成績【0-0-0-9】
国際GI馬も輩出した名門厩舎だが、ダートにおいては苦戦続き。地方GIを含めてこれまで一度も馬券内がないのだ。
カフェファラオ自身、GIでは掲示板内すらない現状。頼みの綱のC.ルメールには堀厩舎×C.ルメールの中央GI成績【0-0-1-7】というマイナスデータがのしかかっており、信頼度には疑問符が付く。
■オーヴェルニュを後押しする「馬券内率100%」データ
3連勝で東海Sを制し、GIの舞台に駒を進めてきたオーヴェルニュ。
上がり馬の勢いを利して砂の頂点を目指す戦いに挑む同馬。はたしてどのようなデータがあるのだろうか?
・東海S勝利から臨む5歳馬【3-0-1-0】
馬券内率は驚異の100%。グレープブランデー、コパノリッキー、インティが勝利を収めたほか、7人気馬アスカノロマンも3着と馬券内を外すことはなかった。抜群の安定感と言える。
今回は丸山元気への乗り替わりとなるが、データの後押しは魅力。人馬ともに悲願のGI制覇に向けて視界は良好だ。
■データが導く2021フェブラリーSの穴馬候補は?
過去には最低人気コパノリッキーの勝利もあったフェブラリーS。ここでは波乱の使者となりうる穴馬候補2頭をご紹介したい。
穴候補1 ソリストサンダー
オープン特別勝利で賞金を加算し、自身初のGIレースに挑むソリストサンダー。6歳での初GIは厳しい印象だが、データ面では好材料が目白押し。
・東京ダート1600m成績【0-2-0-0】
・距離短縮時の成績【1-2-1-1】
この舞台で先着された2頭はルヴァンスレーヴとサンライズノヴァ。先行馬総崩れの展開を加速ラップで押し切った門司Sは着差以上の強さだった。今年のメンバー相手なら面白い。
穴候補2 ヘリオス
前哨戦の根岸Sは馬券圏外。さすがにGIのメンバーでは太刀打ちできないと思われる同馬にも追い風となるデータはある。
・新馬戦後を含めた叩き2戦目の成績【2-0-1-1】
・デムーロ×桑田牧場の乗り替わり成績【1-0-1-1】
根岸Sはスタートで後手を踏み、直線で行き馬をなくしたレース。参考外で良いだろう。2走前の勝ちタイムはモズアスコットの根岸Sと0秒1差で良馬場としては優秀。見限れない1頭だ。
▼競馬ストーリーテラー・田原基成の重賞分析TV「フェブラリーS」
著者プロフィール
田原基成(たはらもとなり)●競馬評論家
競馬予想の魅力を世に発信し続ける「競馬ストーリーテラー」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野にて競馬本を執筆。現在はUMAJIN内「競馬サロン」にてコラム【競馬評論家・田原基成のいま身につけるべき予想の視点】 執筆中。『SPREAD』ではデータ分析から読み取れる背景を紐解き、「データの裏側にある競馬の本質」を伝えていく。
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