28日(日)は中山競馬場で中山記念(GII、芝1800m)、阪神競馬場で阪急杯(GIII、芝1400m)が開催されます。
中山記念は例年に比べやや小粒なメンバーとなり、一方の阪急杯はGI馬が3頭も揃った激戦となりましたね。
それだけに先週のフェブラリーSと同様に騎手の腕が大きく結果を左右しても不思議ではありません。
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■中山記念は岩田康誠騎手、M.デムーロ騎手が好成績
それでは中山記念の気になる騎手データから見ていきましょう。
2000年以降の中山記念の成績データを基に、今年の中山記念にも乗り鞍がある騎手の成績をまとめています。
各騎手の騎乗数に大きなバラつきはありますが、着順と人気のバランスが優れているとデータが示すのが岩田康誠騎手とM.デムーロ騎手です。
岩田康誠騎手は過去4度の騎乗で3回も馬券絡みを果たしていますね。
2012年のリアルインパクト(4人気3着)、2014年のアルキメデス(4人気2着)、2015年のヌーヴォレコルト(3人気1着)のように人気以上の着順に導いたレースが多く、人気以上の着順が期待できる騎手。
今年は前日16時段階で6番人気のケイデンスコール(牡5、栗東・安田隆)に騎乗予定ですが、今回も人気以上の着順を狙えるのでしょうか?
■M.デムーロ騎手とC.ルメール騎手の連対率に大きな差
そしてM.デムーロ騎手も素晴らしい成績を中山記念で残せています。
平均1.9人気が物語るようにほぼ人気馬に跨った上での成績ではありますが、2011年のヴィクトワールピサ(1人気1着)、2016年のドゥラメンテ(1人気1着)、2017年のネオリアリズム(3人気1着)と騎乗機会3連勝を達成したこともあり、中山記念の勝ち方を熟知している騎手と言えるでしょう。
ほぼ同等の人気を背負うC.ルメール騎手に比べて連対率、平均着順とも大きく上回っており、過去の連対率は驚きの71.4%。
なお、M.デムーロ騎手は前日16時段階で9番人気のフランツ(牡6、栗東・音無)に騎乗予定。この騎手が跨る以上、フランツを軽視するのは危険かもしれませんね。
■阪急杯は川田騎手の「3着」固定もあり?
続いては阪急杯の気になる騎手データを見ていきましょう。
再び阪神芝1400mで行われるようになった2006年以降の阪急杯の成績データを基に、今年の阪急杯にも乗り鞍がある騎手の成績をまとめています。
中山記念以上に騎乗数の開きがあるため、過去8度以上騎乗経験がある騎手の中から見ていくと、着順と人気のバランスが優れているのは川田将雅騎手です。
3着数が多いため、連対率は低い数値となりますが、3着以内率は45.5%と上々の数値ですね。
2013年のオリービン(11番人気3着)、2014年のレッドオーヴァル(5番人気3着)、2016年のブラヴィッシモ(5番人気3着)のようにそこそこの人気馬を3着に持ってくるのが最大の特徴です。
昨年は2番人気フィアーノロマーノを2着に導きましたが、これはダイアトニックの降着により繰り上がった末の着順で入線時は3位でした。
今年は前日16時段階で3番人気のダノンファンタジー(牝5、栗東・中内田)に騎乗しますが、思い切って「3着」固定で勝負してみるのも面白いかもしれません。
■人気で結果を残すのは武豊騎手
そして阪急杯で人気馬に騎乗する機会が多い武豊騎手、福永祐一騎手のデータを見ていきましょう。
騎乗馬の質、人気が異なることを考慮する必要はありますが、福永祐一騎手は人気に比べて着順が落ち込む傾向にあります。
今年は前日16時段階で2番人気のインディチャンプ(牡6、栗東・音無)に騎乗予定ですが、人気に応えられるのでしょうか。
一方、福永祐一騎手に比べて着順の落ち込みが小さいのが武豊騎手。2016年のオメガヴェンデッタ(4人気2着)、2018年のダイアナヘイロー(7人気1着)のように人気以上の着順に騎乗馬を導いたケースもあります。
今年は前日16時段階で4番人気のカツジ(牡6、栗東・池添兼)に騎乗予定。GI馬3頭の3強ムードとあって大きく離された4番人気ではありますが、一角崩しなるか注目してみてください。
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著者プロフィール
伊藤大輔(いとうだいすけ)●「UMAJIN.net」編集部
秋田県生まれ。スポーツ関連書籍出版社、競馬専門紙の勤務を経て、現在はUMAJIN .netでライティング、競馬データ解析等を担当。『SPREAD』では主観的要素の強い「馬体解析」と客観的なデータの蓄積である「騎手データ」から、注目すべき馬と騎手を取り上げていく。