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3年ぶりのリーグ優勝からパ・リーグ史上初となる4年連続日本一を達成した昨季のソフトバンク。投打ががっちり噛み合った戦いぶりでシーズン終盤からクライマックスシリーズ、日本シリーズで見せた強さは、黄金時代の到来を予感させるものだった。
今季も主要メンバーの顔ぶれはほとんど変わらず、リーグ連覇、V9時代の巨人以来となる5年連続日本一へ、視界は良好だ。
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2020年のパ・リーグ順位
■現有戦力の充実で最低限かつ効果的な補強
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ソフトバンクの主な新戦力
新入団選手はドラフトでの支配下5名、育成8名の指名と外国人投手を3人(初来日が1人、他球団からの移籍が1人、育成枠で1人)獲得したのみ。最小限の補強は、現在の常勝軍団を確立した選手層の厚さと、球界屈指の育成システムの充実が成せる技だ。
ムーア、バンデンハークが抜けた先発陣には、新外国人のレイと日本ハムを自由契約になっていたマルティネスを獲得した。レイはカブスでダルビッシュ有と同僚で、メジャー3年間で35試合に登板して8勝だが、2019年には3Aで14勝4敗の好成績を残している。マルティネスは2018年に日本ハムで10勝した右腕。故障の影響で最近2年間は2勝のみだが、能力は実証済みだ。さらに育成枠で獲得したA・ロドリゲスはキューバ代表として2019年のプレミア12に出場した本格派右腕。19年に入団したスチュワートJr.とともに将来の主戦クラスの能力はありそう。
ドラフトでは支配下指名5人全てが高校生で、即戦力になりそうな選手は見当たらない。2年目以降の選手では、投手で尾形崇斗、野手ではリチャードの育成出身の2人の評価が高く、2019年ドラフト1位の佐藤直樹も新戦力として期待できそうだ。
■主力投手の出遅れも、後に続く人材は豊富
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ソフトバンクの主な投手の昨季成績
昨季、12球団トップの防御率3.11を誇った先発陣は、今年も千賀滉大、石川柊太、東浜巨の三本柱が中心となるが、千賀と東浜はコンディション不良で出遅れが予想される。それでも昨季リリーフで52試合に登板した高橋礼が先発にまわり、経験豊富な武田翔太も開幕ローテ入りが濃厚。他にも実績十分の和田毅を筆頭に、二保旭、笠谷俊介、大竹耕太郎などがおり、新外国人2人がコロナ禍で出遅れてもローテ争いは熾烈を極める。
4連覇の原動力となった鉄壁のリリーフ陣は、今季も抑えの森唯斗とセットアッパーのモイネロが健在だが、調整遅れが見込まれるモイネロに代わるリリーフ要員に先発ローテ候補の杉山一樹が抜擢される。中継ぎも嘉弥真新也、泉圭輔の左右の両輪に、実績上位の岩嵜翔、松本裕樹、川原弘之、津森宥紀など、選手層の厚さは他の追随を許さない。
■ブレイク選手に復活組も加わり、屈指の選手層に
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ソフトバンクの主な野手の昨季成績
攻撃陣は、昨季MVPに輝いた柳田悠岐がアキレス腱痛の影響で出遅れが心配されたが、開幕には間に合う見込み。昨季は開幕に間に合わなかったデスパイネとグラシアルもオープン戦からチームに合流しており、打線の軸は決まりそうだ。ここに昨季ブレイクした周東佑京が1番、栗原隆矢が5、6番あたりに定着できれば、昨季リーグ3位だったチーム打率の上昇が見込める。
昨季は不本意な成績に終わった今宮健太と上林誠知も今年はキャンプから順調で、復活の兆しを見せている。ベテランの松田宣浩や中村晃も衰えは見えず、今年もどこからでも得点できる打線が組める。
内野のサブには明石健志、川島慶三の両ベテランに、レギュラー候補の牧原大成など、スタメンでも期待できる選手は多い。外野手のブレイク候補が今季プロ9年目を迎える真砂勇介で、オープン戦では快打を連発し、「ミギータ」と呼ばれる潜在能力が、いよいよ開花の兆しを見せている。
日本シリーズ4連覇はV9巨人以来の快挙となったが、現在の充実ぶりを見ると、その前人未到の数字も夢ではないように思えてくる。
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記事提供:ベースボール・タイムズデータ提供:野球DB