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昨年は、感染症拡大の影響で中止となったUAEのメイダイ競馬場で27日に「ドバイワールドCデー」が2年ぶりに開催される。JRAから馬券が発売される、ドバイワールドC、ドバイシーマクラシック、ドバイターフ、ゴールデンシャヒーンの各レースに出走する日本調教馬をみていく。
■ドバイワールドC(GI、ダ2000m)
2018年、2019年と連覇を果たしたゴドルフインのサンダースノーや、層の厚いアメリカ馬のエース級は参戦せず今年はかなりの混戦模様。
事前発表のレーティングで117とメンバー内最上位に評価されているのは日本から参戦するチュウワウィザードだ。昨年の2020年は1月の川崎記念、そして12月のチャンピオンズCを制しGI級を2勝。同年のJRA賞最優秀ダートホースに選出された。
今年初戦は自身初となる海外遠征戦(海外遠征そのものは昨年中止となったドバイで経験済み)のサウジCだったが、ここでは勝ち馬から3秒以上離された9着に終わっている。調整の難しさにくわえ、雨が降ってノメるような馬場も合わなかったか。完全な力負けではなく、海外2戦目となるここでの本領発揮に期待。
ワンターンコースだった前走から、追走が楽になりそうなオーバルのメイダン2000mに舞台が替わるのも好材料と言える。
2011年ヴィクトワールピサ以来の日本調教馬Vとなるか。サウジアラビアからドバイへの輸送後は調整の順調さが伝えられており、状態面にも不安なし。
ドバイワールドCに出走する日本調教馬
馬番 | 馬名 | 性齢 | 厩舎 | 前走日付 | 前走レース名 | 前走着順 |
---|---|---|---|---|---|---|
3 | チュウワウィザード | 牡6 | 栗東・大久保龍志 | 2021/2/20 | サウジC | 9 |
■ドバイシーマクラシック(GI、芝2410m)
昨年は中止となったが、一昨年はシュヴァルグラン、スワーヴリチャードが2、3着、2013年から2016年も日本調教馬が馬券内に入っており、日本調教馬と相性の良いレースだ。
ブックメーカーでは現在1人気に推され、事前発表のレーティングは121とメンバー上位で最有力候補となっているのがクロノジェネシスだ。
昨年春秋グランプリ制覇を果たしたのち、海外GIタイトルを目標に掲げここまで順調に調整を行ってきた。現地到着後も厩舎では穏やかでリラックスして過ごしており、精神面も良好。またメイダンの芝は少し硬めで力がいる馬場状態だが、これも当馬にとっては好材料と言えるだろう。
人馬ともに初めて迎える海外遠征戦ではあるものの、ジェンティルドンナ以来となる日本馬の優勝を期待できそうなシチュエーションだ。
一時期不調ではあったが、年明けの京都記念を制し弾みをつけて中東入りしたラヴズオンリーユーにも大いにチャンスがありそうだ。
ドバイシーマクラシックに出走する日本調教馬
馬番 | 馬名 | 性齢 | 厩舎 | 前走日付 | 前走レース名 | 前走着順 |
---|---|---|---|---|---|---|
9 | クロノジェネシス | 牝5 | 栗東・斉藤崇史 | 2020/12/27 | 有馬記念(GI) | 1 |
10 | ラヴズオンリーユー | 牝5 | 栗東・矢作芳人 | 2021/2/14 | 京都記念(GII) | 1 |
◆「ドバイワールドC」「ドバイシーマクラシック」に出走する日本調教馬について◆「レース動画」2020年の「チャンピオンズC」・「有馬記念」を振り返る
■ドバイターフ(GI、芝1800m)
日本馬が過去に5勝(2014年以前は「ドバイデューティフリー」の名称。また、2001から2010年は距離1777mで施行)、近4年は3勝2着2回と連続で連対を果たしており、芝中距離カテゴリでは世界トップクラスの層を誇る日本勢が得意としているレースとなる。
しかし、今年の日本の出走馬はコロナ禍が影響してか、GI勝ちのないヴァンドギャルドただ1頭。
過去の好走馬はほぼすべてGIウイナーだったのに対し、同馬はGII・富士S1勝のみと実績面で見劣る感は否めないうえに、距離1800mは過去に勝ち鞍こそあるものの微妙に距離が長い印象がある。
もっとも、平坦のワンターンは同馬向きのコースで「テンションが高い馬なので滞在競馬はプラス」という藤原英師の見立てもプラス材料。
前走4着の東京新聞杯は明らかに余裕残しの仕上げだったので、上積みも見込める。日本馬の近年の3勝はすべてヴァンドギャルドと同じくディープインパクト産駒だったし、激走に期待が懸かる。
ドバイターフに出走する日本調教馬
馬番 | 馬名 | 性齢 | 厩舎 | 前走日付 | 前走レース名 | 前走着順 |
---|---|---|---|---|---|---|
12 | ヴァンドギャルド | 牡5 | 栗東・藤原英昭 | 2021/2/7 | 東京新聞杯(GIII) | 6 |
■ドバイゴールデンシャヒーン(GI、ダ1200m)
スプリント路線は日本にとって苦手なカテゴリーで、当レースでも2002年参戦のブロードアピールから2018年のマテラスカイまで、延べ11頭の日本馬が挑戦したが3着内に入ったことはゼロ。
しかし2019年マテラスカイが初めて2着に入り、さらには先日のリヤドダートスプリントではコパノキッキングが優勝、2着にもマテラスカイが来て、日本馬ワンツーの快挙を果たした。ここに来て日本のダート・スプリンターも力をつけてきていることがうかがえる。
その激走が評価されて出走馬中のレーティング・2位タイ(112)となったのがコパノキッキングだ。2019年のカペラS以来、勝ち星から遠ざかっていたなか、前走リヤドダートスプリントでは後方追走から大外一気でまとめて交わし、逃げ粘るマテラスカイを捕らえて勝利。海外初戦ながら持ち味を遺憾なく発揮し、当レースへ弾みをつけた。
今回はテンの速い逃げ先行馬が揃っており、ペースや展開は向きそう。まとめて差し切る末脚がドバイの地でも炸裂することに期待したい。
ドバイの後は結果次第でアメリカへ渡りBCスプリントを目指すが、スピード自慢のアメリカ調教馬相手にどこまで通用するか試金石となるレースでもある。
マテラスカイは先述したように2019年当レース2着、2020年サウジアC(リヤドダートスプリントの前年までの名称で同一レース)2着、そして今年のリヤドダートスプリントでも2着と、勝ちこそないものの海外では国内以上のパフォーマンスを披露している。国外の連戦も海外遠征に慣れた森厩舎ならお手の物で、調整に抜かりはないだろう。ただしここは逃げ先行馬が多く、展開的には厳しそう。
それでも、同馬の持ち味はキップのいい逃げであるし、思い切ったレースを見せてほしい。前走初騎乗だった戸崎騎手は2度目の手綱でコンタクトもよりとりやすいはずだ。
なお、当レースはアメリカ生産馬が圧倒しているのだが、このマテラスカイも先のコパノキッキングもどちらも「アメリカ生産馬」である。
最後に残る日本勢2騎について。ジャスティンの前走・リヤドダートスプリント(6着)はスタートで後手を踏み、不完全燃焼に終わったものの国内での力関係を見れば、コパノキッキングやマテラスカイにもヒケをとっておらず、5歳の若さを考えれば巻き返しも十分考えられる。
レッドルゼルにも同様のことがいえるが、ただし同馬にとって1200mはやや短い印象。絶対的なスピードが求められる一戦であり、スピード負けする恐れはある。好走するには超ハイペースになってほしいところだ。
ドバイゴールデンシャヒーンに出走する日本調教馬
馬番 | 馬名 | 性齢 | 厩舎 | 前走日付 | 前走レース名 | 前走着順 |
---|---|---|---|---|---|---|
3 | コパノキッキング | セ6 | 栗東・村山明 | 2021/02/20 | リヤドDS | 1 |
7 | ジャスティン | 牡5 | 栗東・矢作芳人 | 2021/02/20 | リヤドDS | 6 |
8 | マテラスカイ | 牡7 | 栗東・森秀行 | 2021/02/20 | リヤドDS | 2 | 10 | レッドルゼル | 牡5 | 栗東・安田隆行 | 2021/02/21 | フェブラリーS(GI) | 4 |
◆「ドバイワールドC」「ドバイシーマクラシック」に出走する日本調教馬について◆「ドバイターフ」「ドバイゴールデンシャヒーン」に出走する日本調教馬について
■チャンピオンズC(GI 中京ダ1800m)
着順 | 馬名 | タイム・着差 | 騎手 |
---|---|---|---|
1 | チュウワウィザード | 1:49.3 | 戸崎圭太 |
2 | ゴールドドリーム | 2 1/2 | 和田竜二 |
3 | インティ | クビ | 武豊 |
▼レース動画( jraofficial)
■有馬記念(GI 中山芝2500m)
着順 | 馬名 | タイム・着差 | 騎手 |
---|---|---|---|
1 | クロノジェネシス | 2:35.0 | 北村友一 |
2 | サラキア | クビ | 松山弘平 |
3 | フィエールマン | クビ | C.ルメール |
▼レース動画( jraofficial)