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4月4日に行なわれた東京五輪代表の選考会を兼ねた競泳・日本選手権で、女子100メートルバタフライ決勝に登場した池江璃花子(ルネサンス)は、57秒77で1位フィニッシュ。日本水連が定める400メートルメドレーの派遣標準記録57秒92を突破し、五輪代表に決まった。
■どん底からの復活に各界から称賛の嵐
2019年2月8日に白血病判明。約10カ月の闘病生活を経て同年12月に退院。地道にトレーニングに取り組み、復帰初戦は2020年8月29日。そして、迎えた4日の復帰7戦目で五輪切符をつかんだ。復帰当初は「最大の目標は24年のパリ五輪出場」と公言していたが、3年も前倒し。レース後のインタビューでは涙をこらえながら、「自分が勝てるのはずっと先のことだと思っていた。すごくつらくてしんどくても、努力は必ず報われるんだなと思った」と話し、多くの感動を呼んだ。
20歳の天才スイマーが起こした奇跡の復活劇に、日本そして世界から称賛の声が寄せられている。安倍晋三前首相は自身のツイッターで「感動と勇気をありがとう」とコメントし、東京都の小池百合子知事や丸川珠代五輪相らも祝福した。
海外メディアも池江の快挙を速報した。英公共放送『BBC』は、「白血病と診断されてからわずか2年で復活した」と伝えれば、ロイター通信は「池江が逆境をはね返した」と報じた。また、IOCのバッハ会長は公式ツイッターに「白血病と診断されてから、わずか2年で東京五輪への出場権を得た。東京で会うことが待ち切れない」とメッセージを寄せた。そして、池江と合同練習も行うリオ五輪100メートルバタフライ金メダリストのサラ・ショーストロム(スウェーデン)は、自身のインスタグラムのストーリーで、「アメージング」とハートマーク付きで祝福し、親友でありライバルの復活を喜んだ。
大仕事を成し遂げた池江だが、東京五輪への歩みはまだまだ続く。7日、8日には女子100メートル自由形に参加。この種目では、個人では派遣標準記録53秒31を切り2位以内に入れば代表に内定する。また、リレーの派遣標準記録54秒42を切り4位以内なら400メートルリレーのメンバー入りとなる。中2日で迎えるハードな日程だが、さらなる代表権獲得へ、奇跡の続きに期待が集まる。
池江璃花子選手「自分が勝てるのはずっと先のことだと思っていた」
競泳の日本選手権、女子100メートルバタフライの決勝で白血病から競技に復帰した池江璃花子選手が57秒77で優勝し、東京オリンピックのメドレーリレーの派遣標準記録を突破し代表に内定しました。https://t.co/YQVSykPVRN#nhk_video pic.twitter.com/tzzrjNoUNA
— NHKニュース (@nhk_news) April 4, 2021
◆池江璃花子 涙の100Mバタ優勝、東京五輪メドレーリレー代表確実に「努力は必ず報われる」
文・SPREAD編集部