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今週は阪神競馬場でGI・桜花賞(芝1600m)が行われる。
無敗の白毛馬ソダシに、ルメール×国枝厩舎の「アーモンドアイ・チーム」で臨むサトノレイナスの2強という構造。その2頭に割って入る馬を探すのが戦前の評価となっており、堅いムードも漂うが……キャリアの浅い3歳馬だけに決めつけるのは危険だろう。
データで紐解く今年の桜花賞。過去10年のデータ分析から浮かび上がったキーワードをご覧いただきたい。
1.無敗の白毛馬ソダシに死角はあるのか2.サトノレイナスを後押しする「馬券内率100%」データ3.データが導く2021桜花賞の穴馬候補
◆【レース動画】アーモンドアイ、デアリングタクト、グランアレグリア…レース動画で振り返る桜の女王へのヴィクトリーロード
■無敗の白毛馬ソダシに死角はあるのか
デビューから無傷の4連勝、GI馬の称号を引っ提げて牝馬三冠初戦を迎えるソダシ。
人気と実力を兼ね備えた女傑候補に死角なし。そう思われるかもしれないが、気になるデータを発見してしまった。
・クロフネ産駒の桜花賞成績【0-1-0-12】
上記該当馬には1人気馬クロフネサプライズ、のちのGI馬であるホエールキャプチャ、アエロリットの名前も。桜花賞に限ったことではないが、3歳春以降のクロフネ産駒のスイートスポットは東京芝1600mやスプリント戦線に集中しているのだ。
アルテミスSの勝ちっぷりは圧倒的な東京マイル適性を示すもの。血統面を紐解いたとき、ソダシを狙うタイミングは桜花賞ではなくNHKマイルCなのかもしれない。
■サトノレイナスを後押しする「馬券内率100%」データ
阪神ジュベナイルフィリーズではソダシとハナ差の2着。ライバルとまったく同じローテーションで年明け初戦を迎えるサトノレイナス。
着差こそわずかだったが、敗戦を喫したのは事実。しかし、今回はデータ面での後押しが存在する。
・ルメール×国枝厩舎×関西圏のGI成績【2-1-0-0】
連対率に換算すると100%。これに該当するのはアーモンドアイと今回跨るサトノレイナスだ。一見すると少ないサンプル数にも思えるが、重要なのはいずれも2カ月以上のレース間隔をあけた2~3歳馬だった点。キャリアの浅い若駒を仕上げるにあたり、蓄積されたノウハウは見逃せない。
阪神ジュベナイルフィリーズから4カ月。リベンジの一戦に向けた準備は万端だ。
■データが導く2021桜花賞の穴馬候補
昨年は9人気スマイルカナが波乱を演出した桜花賞。ここでは波乱の使者となりうる穴馬候補2頭をデータ面から取り上げたい。
穴候補1 ソングライン
3戦2勝と底を見せていないものの、強敵相手の経験値に不安も残る1頭。そんな同馬を後押しするデータをご紹介したい。
・良馬場芝の成績【2-0-0-0】・池添謙一の2011年以降ひと桁人気馬騎乗時成績【1-3-0-0】
2走前の勝ち時計は同日赤松賞を制したアカイトリノムスメのそれを上回るもの。良馬場想定の週末阪神芝+騎手の後押しで穴妙味を感じる伏兵と言えるだろう。
穴候補2 ストゥーティ
チューリップ賞でギリギリ権利を確保。メンバー強化の今回は人気落ちが予想されるが、この馬もデータ面での上積みは存在する。
・キャロットファーム所属かつ前走チューリップ賞組【1-4-0-1】
ハープスター、リスグラシュー、レシステンシアといった人気馬に限らず、7人気2着クルミナルもこれに該当。桜花賞×キャロットファーム×前走チューリップ賞組の相性には目を見張るものがある。鞍上にはこのレースで2勝を挙げる岩田康誠を配置。穴馬としての資格は十分だ。
◆【桜花賞/枠順】ソダシの2枠は過去10年で「0-0-2-17」 ローテ・脚質・枠順・人気別データ
▼競馬ストーリーテラー・田原基成の重賞分析TV「桜花賞」
著者プロフィール
田原基成(たはらもとなり)●競馬評論家
競馬予想の魅力を世に発信し続ける「競馬ストーリーテラー」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野にて競馬本を執筆。現在はUMAJIN内「競馬サロン」にてコラム【競馬評論家・田原基成のいま身につけるべき予想の視点】 執筆中。『SPREAD』ではデータ分析から読み取れる背景を紐解き、「データの裏側にある競馬の本質」を伝えていく。
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