【皐月賞/追い切りジャッジ】エフフォーリアは「B」評価、万全とまでは言い切れない | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【皐月賞/追い切りジャッジ】エフフォーリアは「B」評価、万全とまでは言い切れない

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【皐月賞/追い切りジャッジ】エフフォーリアは「B」評価、万全とまでは言い切れない
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先週の桜花賞は、無敗の2歳女王ソダシが好位で立ち回り直線で堂々と抜け出すと、外から猛然と追い込んできた1人気サトノレイナスの急襲をクビ差凌いで勝利。終わってみれば阪神JFの僅差ワンツー馬が、そのまま桜花賞でも僅差のワンツー決着となりましたね。3着は「最終追いで見せた操縦性、機敏さは特筆レベル」と、このコラムでプラスワン穴馬として抜擢した8番人気ファインルージュ。ソダシの直後で絶妙なレース運びができたあたりは、“操縦性”の高さを信じた福永騎手のファインプレイだったかもしれません。的中へのご参考になったとしたら、幸いです。


さて今週は牡馬クラシックの1冠・皐月賞。ここで有力視される馬の中間調整と最終追い切りのジャッジをお届けします。最後には「プラスワン!」として調整面から狙える穴馬もご紹介。


どうぞご参考になさってください。


■エフフォーリア


【中間調整】2戦無敗で迎えた前走・共同通信杯ではスローな流れのなかピタリと折り合い、早めに追い出されると後続を一気に引き離しての先頭ゴールインを果たした。レース直後にトライアルを使わず皐月賞へ直行することが表明され、ノーザンファーム天栄で放牧休養。3月25日に美浦へ戻り、28日に坂路で15-15を出したのが中間の初時計。31日に終いを伸ばされると軽快に動き、緩みのないことをアピールした。1週前追いは横山武騎手が騎乗し、ウッドコースで先行2頭を内からすくう3頭併せ。ギリギリまで仕掛けを待ち、促されるとあっさり併入に持ち込んだ。5F全体で65秒8とかなりのペースで進んだが、ラストまで余裕たっぷりのまま伸びることができており、心肺機能と気持ちの部分、両面で好状態にあることをアピールしている。


【最終追い切り】美浦ウッドで横山武騎手を背に併せ馬。3歳未勝利を追走し、いい手応えで詰め寄るが、半馬身届かずの遅れ入線となった。案外な動きだったが、最後まで集中はできており手綱を緩めれば一気に弾けそうな雰囲気。


【見解】順調そのものの調整過程で、1週前の鋭い動きは絶品。それだけにレース当週の動きは、オーバーワークを避けたとものだとしても、いささかチグハグだった印象は否めない。体や脚元の問題ではなく、気持ちの面で乗り切れていないのかも。恥ずかしくない競馬はできそうだが、万全とまでは言い切れないか。


総合評価「B」


◆【穴馬プラスワン!】1週前追いは圧巻の弾けっぷり、エフフォーリアを上回る「A」評価


■ダノンザキッド


【中間調整】昨年のホープフルSを無敗で制した2歳チャンピオン。今年初戦の弥生賞も通過点にし、昨年のコントレイル同様無敗で1冠へ向かうか……と思われたが、先行2頭を捉え切れずの3着に終わっている。本番での反撃を期し、1週間程度の短期放牧を挟んで3月24日からトレセンでの調整を再開。しばらくは坂路14-14で心肺機能の回復に努め、3月31日のCW併せ馬で3歳1勝馬相手とは言え、外から楽にアオる動きを見せた。1週前追いはCWコースで、序盤からある程度スピードに乗せる内容。取り付いた先行馬に抵抗され、突き放すまでには至らなかったが手応え圧倒で併入に持ち込んでいる。


【最終追い切り】1週前追いで速い時計を出しているので、CWコースでの最終追いは単走馬なりで気分良く走らせ、息を整える程度の内容となった。しっかり脚を溜め、残り200mの標識から徐々にスピードアップ。ここで見せた気迫は秀逸で、グッと完歩を大きくして自然に加速できていた。


【見解】力むような面がなく、落ち着いて走れていた最終追いの姿から、精神面での進境はかなり大きそう。前走敗北は展開のアヤもあったが、終始テンションが高く力んで走ってしまい、道中で必要以上に消耗した面も大きかった。いわゆる“ガス”を抜くことに成功した今回は万全と言っていい。


総合評価「S」


■ディープモンスター


【中間調整】前走のリステッドレース・すみれSでは、馬場入り後に落鉄が判明して再装蹄。しかも、スタート直後に大きくヨレる不利があり、リズムに乗れない状況と言えたが、結局力の違いを誇示するかのような快勝を収めた。その後放牧に出され、3月23日に栗東へ帰厩している。中間の初時計だった25日の坂路追いで2F12秒9-12秒2(強め)と、瞬発力のあるところを披露。31日に終いびっしり負荷を掛ける調整を施し、レースが近いことを知らせると、4月8日の1週前追いでは水口騎手を背に3頭併せを敢行。ここで目一杯に追われ、5F64秒フラット、3F36秒4と破格の時計を叩き出している。


【最終追い切り】1週前でほぼ仕上がっており、輸送を控える今週は息を整える程度。坂路で単走調整となった。序盤は折り合い専念。ラストで鞍上が味付け程度に軽く仕掛けると、やや苦しくなったが、上手に手前を替えてもうひと伸びできていた。


【見解】そこまで大柄ではないが2週前、1週前とCWで余念なく攻めて問題なかったあたり、心身ともにかなり頑健なようだ。反応、ギアの枚数という点で若干物足りなさは残るが、それは今後の成長課題だろう。現時点ではやれることをやり切っており、一連の勢いキープと言える。


総合評価「A」


■プラスワン! タイトルホルダー


【中間調整】ダノンザキッドが断然人気に推された弥生賞で、逃げ切り勝ちを収め重賞初勝利。その後短期放牧を経て、3月26日に美浦へ帰厩している。28日の坂路14-14でしっかり動いて緩みのないところをアピールすると、4月1日のCW追いで大外を回って好タイムをマーク。1週前追いは今回新コンビを結成する田辺騎手が騎乗し、ウッドコースで追われた。稽古駆けする2頭を先に行かせ、これを追い掛け過ぎず、ジワッと追走する形。結局体は併せなかったが、直線では溜めた気迫を爆発させるように鋭く伸びる。数字以上の鋭さを感じさせた。


【最終追い切り】1週前に続き、田辺騎手を背にウッドコースでの追い切り。ただし今週は疲れを残さないよう馬任せで、鞍上との意思疎通を深めるのに主眼を置いた内容だった。それでも前向きさにあふれ、終始軽快さのあるフットワークからブレずに伸びる。まったく無理させることなく、好タイムをマークしている。


【見解】肉体、心肺機能という点では前走時ある程度練り上がっていたようだが、短期放牧を挟んで更にパワーアップした印象がある。その肉体面を支える精神面も追われるごとに研ぎ澄まされており、1週前は圧巻の弾けっぷりを見せた。レース当週も単走とは思えない迫力を感じさせたし、走る気まんまん、かつ適度に制御も利いている絶妙な状態だ。


総合評価「A」


◆【皐月賞/穴馬】エフフォーリアは「△」評価、前走敗因“三重苦”の盲点が巻き返す


著者プロフィール


西村武輝(にしむらぶこう)●フリーライター競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。現在、UMAJIN.net「競馬サロン」においては毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。

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