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シアトル・マリナーズの菊池雄星投手は5日(日本時間6日)、本拠地・シアトルでのボルチモア・オリオールズ戦に先発し、7回を投げて5安打3失点1四球、7三振と試合を作ったが、相手の先発左腕、ジョン・ミーンズにノーヒット・ノーランを達成され、チームは0-6で敗戦。打線の援護が得られなかった菊池は2敗目(1勝)を喫した。
◆菊池雄星、イメチェン成功 復調の要因に“打たせて取るピッチング”
■岩隈コーチ“直伝”のチェンジアップが威力発揮
前回のアストロズ戦で7回を1安打無失点に抑え、今季初勝利をマークした菊池。この日も前回同様、力のある直球と切れ味鋭い変化球のコンビネーションが冴えた。特に岩隈久志特命コーチからアドバイスを受けたというチェンジアップが威力を発揮。7奪三振中4つの勝負球がチェンジアップだった。
2回に2失点したものの、3~6回は1安打無失点と圧巻のピッチングを披露。7回にソロ本塁打を浴びたが、7回87球で5安打7奪三振、四球もわずか1という十分合格点の内容で、今季4回目となるクオリティースタート(6回以上、自責3以下)を達成した。
好投を演じた菊池だったが、この日は相手が悪かった。相手先発のジョン・ミーンズは今季好調で、すでに3勝を挙げている。その28歳左腕にマリナーズ打線は完全に封じこまれ、走者は三振振り逃げだけという「準完全試合」を達成されてしまった。
米地元紙「シアトル・タイムズ」によると、スコット・サービス監督は試合後、「彼は今日やるべきことを正確にやった」と、菊池のピッチングを称賛したと報じた。菊池自身も「自分の役割を果たせたと思う。なるべく一つでも多くのアウトを取り、イニングを重ねようと思って投げた。8回も行こうと思っていた」と、投手陣に故障者が続出する中で演じたミーンズとの投げ合いに一定の手ごたえを得たようだった。
■解決策は? 貧打にあえぐマリナーズ
ただ、「シアトル・タイムズ」はノーヒッターのミーンズを称える一方、「チーム全体に焦点を当てなければならない」という見出しで、菊池の好投に報いることができず、ミーンズの快挙を後押ししてしまった一因として、マリナーズの貧打線があると指摘した。
マリナーズのチーム打率は、この試合を迎えるまで.201という低空飛行で、ミッチ・ハニガーやカイル・シーガー、タイ・フランスら主力選手を含めて3割打者は一人もおらず、昨季のア・リーグ新人王のカイル・ルイスに至っては打率.188という数字しか残せていない。同紙は「ニューヨーク・メッツのように打撃コーチを解雇することが解決策になるのだろうか」と嘆いた。
投手陣は、エースのマルコ・ゴンザレスをはじめ、故障者が続出。打線も振るわないという状況で、菊池が2試合続けて好投を演じたことは、マリナーズにとって数少ない収穫になったかもしれない。
◆菊池雄星、イメチェン成功 復調の要因に“打たせて取るピッチング”
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文・SPREAD編集部