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16日のプロ野球で、6試合中4試合引き分けという史上初の記録が生まれた。今年は新型コロナウイルス感染症対策の一環として、試合時間の短縮を促す「9回打ち切り」ルールが採用されているが、引き分け増加の要因に「9回打ち切り」があることは間違いないだろう。延長戦のない新しい日常を振り返ってみた。
【一覧】現状のペースでいけば「引き分け100試合」の可能性も? NPB最新順位・チーム成績
■セ・パ合わせて引き分けは37試合
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17日時点でのセ・リーグ順位
ロッテ・佐々木朗希投手のプロ初登板初先発に沸いた16日、プロ野球全体では6試合中4試合が引き分けに終わった。1日に引き分け4試合というのは史上初の出来事であり、引き分け3試合というのも12日に記録(通算16度目)されている。
今季の引き分け試合は、16日時点でセ・リーグが16試合、パ・リーグが21試合を数える。昨季はセが24試合で、パが16試合だった。つまり、パ・リーグに至ってはすでに昨季の引き分け数を上回っている。今季は約3割が消化したところで、セ・パ合わせて37試合の引き分け。このままのペースでいけば、100試合を超えるハイペースになっている。
昨季は3カ月遅れで開幕し、試合数は120に減らしたが、「延長戦は10回まで」だった。「延長戦なし」と「延長戦は10回まで」。わずか1イニングの違いで、昨季と今季でこれほどの違いが生まれるというのも興味深い現象だろう。
■気になるのはブルペン陣の疲労
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17日時点でのパ・リーグ順位
気になるのは中継ぎ、クローザーの登板過多だろう。今季は終盤の7、8、9回を迎えたとき、同点やビハインドでも勝ちパターンの継投策が見られる。
セ・リーグで首位を走る阪神は、セットアッパーの岩崎優が40試合中21試合、クローザーのスアレスは20試合の登板となっている。パ・リーグ首位・楽天のクローザー、松井裕樹も20試合マウンドに上がっている。首位に立つということは、当然ながら勝ちパターンの継投が多くなるので、上位チームの中継ぎ・抑えのエース格は忙しくなる。今後、疲労が溜まってくる時期をどう乗り越えるのか、ベンチワークも重要になってくるだろう。
ブルペンだけでなく、代打やピンチランナー、守備固めなど、今季は早めの交代策を打つケースが散見される。今季は延長なしに伴う選手交代の妙、ベンチワークがペナントレースのカギを握りそうだ。
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文・SPREAD編集部