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今週は東京競馬場で重賞・エプソムカップ(芝1800m)が行われる。
春の東京GIシリーズのあとに行われる名物レース。この時季特有の暑さと悪天候に見舞われるケースも少なくないことから、大波乱を生み出すこともしばしば。穴馬の台頭にも目を配りたいところだ。
この記事ではデータ面からエプソムカップを紐解き、攻略への糸口を見つけていきたい。
◆【エプソムカップ2021/枠順】人気上位予想のアルジャンナ、サトノフラッグの枠は過去10年勝率0%
■ヴェロックスの鬼門は「馬券内馬ゼロ」のローテーション
3歳クラシック戦線で出走した全レースすべてで馬券内を確保。世代トップクラスの実力を誇るヴェロックス。
古馬になってからピリッとしない成績も、培ってきた経験値から巻き返しの可能性を警戒したい1頭だが、ここはローテーションが鬼門となりそうだ。
・前走から400m以上の距離短縮【0-0-0-8】
東京芝1800mはマイルをこなせるタイプと好相性。それゆえ、上記のような成績が算出されてしまっているのだろう。復活を期して臨むヴェロックス。同馬に待ち受けるハードルは相当に高いものとなりそうだ。
■アルジャンナを後押しする「馬券内率100%」データ
前走マイラーズCは2着好走。悲願の重賞タイトル奪取を目論むアルジャンナ。
名門・池江厩舎が送り出す素質馬だが、いまだ1勝と勝ち切れなさは気がかり。判断に悩ましいところだが……同馬を後押しするデータがこちら。
・池江寿厩舎所属の4歳馬【2-1-0-0】
馬券内率に換算すると100%。トーセンレーヴやサトノアーサー、サトノアラジンと年明け以降はマイルを使われたのも共通点のひとつだ。
近年はやや影の薄い立ち位置に甘んじている名門厩舎が送り込む逸材。この強力データは見逃せない。
後編ではデータ面から浮上するエプソムカップの穴馬候補2頭を紹介する。
◆【後編・穴馬】データが導いた伏兵馬、馬券内率「100%」の買いの条件とは
◆【エプソムカップ2021/追い切りジャッジ】3連勝の上がり馬は止まらない、伏兵馬ヤシャマルに「A」評価
◆【エプソムカップ2021/追い切りジャッジ】2度目の重賞挑戦で初制覇を狙うシュリに「S」評価、心身ともに絶好の状態に
▼競馬ストーリーテラー・田原基成の重賞分析TV「エプソムC」
著者プロフィール
田原基成(たはらもとなり)●競馬評論家
競馬予想の魅力を世に発信し続ける「競馬ストーリーテラー」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野にて競馬本を執筆。現在はUMAJIN内「競馬サロン」にてコラム【競馬評論家・田原基成のいま身につけるべき予想の視点】 執筆中。『SPREAD』ではデータ分析から読み取れる背景を紐解き、「データの裏側にある競馬の本質」を伝えていく。