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元巨人監督の堀内恒夫氏が14日、自身のオフィシャルブログを更新。「菅野であって菅野じゃない。」のタイトルで、13日のロッテ戦で3回途中降板した巨人・菅野智之投手について見解を記した。
菅野は巨人のエースというだけではなく、東京五輪を戦う侍ジャパンの柱としても期待されるだけにファンの間でも心配する声は高まっている。
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■言い得て妙「菅野であって菅野じゃない」
堀内氏はまず「菅野はどっかおかしいでしょうよ。あんなピッチングをするピッチャーじゃ、ないじゃない。まっすぐだって140キロ台前半とか明らかにおかしい。」と主張した。
今季の菅野は右肘違和感のため2軍で1カ月ほど再調整。しかし、復帰登板となった6日の日本ハム戦では5回3安打2失点で敗戦投手になり、13日のロッテ戦は2回2/3を4安打4失点で4敗目(2勝)を喫した。直球は140キロ台前半で本来の球威とはほど遠い状態だっただけに、堀内氏が“異変”を訴えるのもうなずけるだろう。
堀内氏はさらに「マウンドにいる菅野は菅野であって菅野じゃない。」と指摘し、「投げさせないのも1つの手だと、俺は思うよ。菅野のイメージがどんどん弱いものになってしまうから。誰しもいつかはそうなるけど菅野はまだ早い。もし本当にどこかが悪いのであれば中途半場に出てこないでしっかり治してからでもいいじゃない。」(原文のまま)と、体調面に不安を抱えている場合、治療などに専念することを提案した。
■東京五輪の代表、好調の選手を選ぶべきとの見解も
もちろん、実際にフィジカル的に問題があるかどうかは不明だが、本来の投球を発揮できていないのは事実。首位阪神を追撃する上で、もし菅野が再び離脱することになれば、巨人にとって大きな痛手となるが、さらに大きな問題として浮上してくるのが、侍ジャパンに及ぼす影響だ。東京五輪の野球は7月28日に開幕。最終選考会議も5月31日に終えており、あとは近日行われるメンバー発表を待つのみとなっている。
しかし、ここに来て侍ジャパンの投手陣の柱として期待されている菅野が低調。さらに言えば、もう一人のエース・田中将大(楽天)も打線の援護に恵まれないとはいえ、ここまで2勝4敗と物足りない成績で、被本塁打9も気になる数字だ。五輪は短期決戦であり、野球に限らず「実績や経験より現在調子の良い選手を選ぶべき」という意見は根強い。
■不調の「2本柱」稲葉篤紀監督の決断は
オリックス・宮城大弥(6勝1敗、防御率2.31)や楽天・早川隆久(7勝2敗、防御率3.30)、中日・柳裕也(5勝2敗、防御率1.89)ら各メディアの予想段階では選外となっている彼らを選ばなくて良いのか。SNSでも「名前だけで選ばないでほしい」という声は多い。
「2本柱」の状態をどう判断するのか。風雲急を告げる可能性が出てきた侍ジャパンのメンバー選考。稲葉篤紀監督の決断はいかに。ギリギリまで悩むことになりそうだ。
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文・SPREAD編集部