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トロント・ブルージェイズのブラディミール・ゲレーロJr.が21日(日本時間22日)、オールスター戦前夜に行われるホームランダービーへの出場を辞退する意向だと地元メディアが報じた。
ゲレーロJr.は、ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平と並ぶ両リーグトップの23本塁打をマークしており、大谷との“直接対決”が注目されていた。
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■後半戦に備えてリフレッシュを優先
地元カナダの放送局「スポーツネット」でリポーターを務めるヘーゼル・メイ氏はTwitterで、「オールスター戦に参加するのは楽しみにしている。ただ、シーズン後半戦に向けてメンタルをリフレッシュする時間を持ちたい」というゲレーロJr.のコメントを紹介。これを受けて「スポーツネット」の公式サイトもゲレーロJr.の辞退を報じた。
前回2019年のホームランダービーに出場した際には、決勝戦でピート・アロンソ(メッツ)に敗れたもののトータル91本という新記録を作ったゲレーロJr.。今季は21日時点で23本塁打、59打点、打率.337をマーク。3冠王を射程に捉えており、もし22歳で獲得することになれば、球聖ことタイ・カップに並ぶ史上最年少記録となる。「三冠」VS「二刀流」とMVP争いにおいても大谷の良きライバルだ。
ゲレーロJr.は最近、ホームランダービー参加に前向きな発言をしていたものの、「自身のコンディションを見極めてから決めたい」とも付け加えており、今回は最終的に心身のケアを最優先に考え、回避を決めたようだ。
■身体的に過酷なホームランダービー
すでに2017年の優勝者であるニューヨーク・ヤンキースのアーロン・ジャッジも出場辞退を表明しているが、なぜ名だたるスラッガーが辞退をするのか。それは、メジャーのホームランダービーのシステムにある。基本的にオールスター出場選手の中から8名が選抜され、1対1の勝ち抜き方式で争われるのだが、勝負の決し方は持ち時間4分間で何本の本塁打を打てるか。
つまり、本数を稼ぐためには4分の間にどんどんボールを投げてもらい、打者は次から次へとフルスイングしてスタンドへ運ぶ必要がある。
優勝するためには3回打席に立たねばならず、4分×3セットの計12分間、ほぼ間断のないフルスイングを行うのは想像以上に過酷。また、440フィート(約134メートル)以上の本塁打を2本打った場合、30秒のボーナスタイムが追加されるという具合だから、体が悲鳴を上げるのもうなずける。
■大谷は泰然自若「やってみないと分からない」
フルスイング連発の影響なのか、ホームランダービー参加者の中には後半戦になって調子を落とす選手もおり、2019年のゲレーロJr.もその一人だった。その教訓を生かすため、今回は「リフレッシュして後半戦を迎える」ことを選んだものと見られる。
そうなると、いち早く参加を表明した大谷の後半戦が心配になるが、日米メディアから“後遺症”について問われた本人は「やっていないので正直分からないところではある。何事も経験してみないと分からないので」と至って冷静。“後遺症”を心配する声をよそに前向きな姿勢を見せている。
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文・SPREAD編集部