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今週は函館競馬場で函館記念(芝2000m)が行われる。
七夕賞と並ぶ伝統のハンデ重賞。特殊な洋芝に多頭数のメンバー構成が導く方程式は「波乱」の二文字。穴馬狙いが捗るレースだ。
この記事ではデータ面から函館記念を紐解き、攻略への糸口を見つけていきたい。
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■サトノエルドールの鬼門は「勝ち馬ゼロ」の前走巴賞勝ち馬
函館記念の前哨戦・巴賞を制して臨むサトノエルドール。
クセのある洋芝適性を示し、狙うは重賞獲り。そんな野望を打ち砕かんとするマイナスデータをここではご紹介したい。
・前走巴賞勝ち馬【0-0-0-9】
散々たる成績だ。巴賞は少頭数かつスローペースになりやすい。同レースを制する=多頭数かつ締まった流れになりやすい函館記念とはリンクしないことを意味するのだ。
当時手綱を握ったC.ルメールは特に継続騎乗に対するこだわりを見せず。陣営の勝負気配においても強固なものとは言えないのかもしれない。
■カフェファラオに吹き荒れる「前走1600m組」という向かい風
今年のフェブラリーSを制し、砂路線の主役に躍り出たカフェファラオ。
かしわ記念では人気を裏切る結果に終わったが、中央ダートではまだまだ健在。そんな同馬が芝参戦、それもハンデ重賞に出走するとは思わなかった。
芝適性はいったん置いておいて、ここでは前走距離のデータをご覧いただきたい。
・前走1600m組【0-0-1-7】
このなかにはグランデッツァやエアスピネルといった芝重賞勝ち馬の名前が並ぶ。実績馬を連対外に葬ってきたデータに該当してしまった点は割引材料と言わざるを得ない。
後編ではデータ面から浮上する函館記念の穴馬候補2頭を紹介する。
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▼競馬ストーリーテラー・田原基成の重賞分析TV「函館記念」
著者プロフィール
田原基成(たはらもとなり)●競馬評論家競馬予想の魅力を世に発信し続ける「競馬ストーリーテラー」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野にて競馬本を執筆。現在はUMAJIN内「競馬サロン」にてコラム【競馬評論家・田原基成のいま身につけるべき予想の視点】 執筆中。『SPREAD』ではデータ分析から読み取れる背景を紐解き、「データの裏側にある競馬の本質」を伝えていく。