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シアトル・マリナーズの菊池雄星投手は17日(日本時間18日)、敵地でのロサンゼルス・エンゼルス戦に先発登板する。
前半戦で6勝4敗、防御率3.48と好成績を残しオールスターにも選出された菊池だが、岩手・花巻東高の後輩である大谷翔平に対しては通算で2本塁打を許すなど苦戦している。菊池が“大谷攻略”を果たすうえでのカギは何なのか。今季のスタッツやデータ面から探っていきたい。
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■左打者に強い菊池だが、対大谷は苦手
渡米3年目を迎えた菊池は、前半戦で過去2年とは別人のような安定感を披露している。98回1/3を投げ98奪三振、34四球。WHIPも1.09の高水準で、マリナーズ投手陣にとっては欠かせない存在だ。最速99マイル(約159キロ)の速球を武器に、前半戦だけでMLB移籍後最多タイの6勝をマーク。オールスターこそ不出場であったが、ここまで充実のシーズンを送っていると言って問題ないだろう。
今季の菊池のスタッツを振り返ると、左打者に対してはほとんど仕事をさせていない。対戦打率.120、WHIP0.59とほぼ完璧に抑え込んでいる。
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菊池雄星 vs .左打者のゾーン別打率(2021年、出典:Baseball Savant)
しかし、“対大谷”となると話は若干変わってくる。6月5日(同6日)の対戦では16号本塁打を献上し、通算でも打率.444(9打数4安打)、2本塁打、3打点と苦手にしている。
今季の菊池が大谷に対して投じた全35球の分布図からは、「速球とスライダーを外角へ集める」という狙いが浮かび上がってくる。確かに大谷は内角の厳しいコースもしっかり捌いて結果を残しており、外角を攻めるのは理にかなっているが、問題はボールの「高さ」だ。
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菊池雄星が大谷翔平に投じた全球分布図(左)と、大谷翔平 vs. 対左投手のゾーン別打率(2021年、出典:Baseball Savant)
■ベルト付近は「要注意」
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大谷翔平が左投手から安打を放った際の投球分布図(2021年、出典:Baseball Savant)
大谷は今季、左投手から11本塁打を放っているが、そのほとんどがベルト付近の高さへの投球となっている。外角低めを狙ったボールが少しでも甘くなれば、長打の確率は跳ね上がる。事実、菊池が大谷に許した一発もゾーン真ん中付近に吸い込まれた変化球であった。菊池としては、いかに速球とスライダーのコンビネーションを外角、さらに低めに投げきれるかがカギとなりそうだ。
菊池が“先輩”の意地を見せ前回のリベンジを果たすか、それとも大谷が再び特大弾を放ち本塁打王争いに弾みをつけるか。第1打席から目が離せない攻防となりそうだ。
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文・SPREAD編集部