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U-24日本代表は25日、1次リーグA組第2戦でメキシコと激突し、2-1で勝利した。2連勝となった日本は勝ち点を6に伸ばし、A組首位に立った。MF久保建英(レアル・マドリード)とMF堂安律(PSVアイントホーフェン)のダブルエースがゴールを決めるなど完勝。
日本は28日に行われるフランス戦で引き分け以上なら自力での準々決勝進出が決まる。
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■開始わずか11分で2ゴールを奪う
日本は4-4-2の布陣。GKは谷晃生が務め、最終ラインは右から酒井宏樹、吉田麻也、板倉滉、中山雄太と並び、中盤は田中碧と遠藤航がダブルボランチを形成、左サイドに相馬勇紀、右に堂安律、トップ下に久保建英、1トップに林大地が入った。
初戦の南アフリカ戦からの変更は、左サイドが三好康児から相馬に代わったのみとなった。一方、メキシコはロモをアンカーに置く4-3-3というフォーメーションでスタートした。
試合は序盤から日本が圧倒。実力的にA組最上位と目されたメキシコに何もさせなかった。前半6分、右サイドで酒井の縦パスを受けた堂安がドリブルで相手DFを振り切ると、ゴール中央へマイナスのクロスを供給。そこに走り込んで来た久保が態勢を崩しながらも左足アウトで合わせ、先制ゴールを奪った。
■鋭い出足、連動したプレスでボール奪取
日本の2点目は先制点から5分後。ペナルティーエリア内で相馬が倒されると、VAR判定を経てPKに。これを堂安がど真ん中に蹴り込み、開始からわずか11分で2点を先制した。
初戦のフランスを4-1で退け、意気揚々と埼玉スタジアムに乗り込んで来たメキシコだったが、ボールを持っても日本が仕掛ける前線からのプレスに苦しみ、ボールロストを避けるだけで精一杯、効果的なパスを繰り出す余裕などまったくなかった。
日本はファーストディフェンダーが交わされても、セカンドディフェンダーが瞬時に相手に襲い掛かるなど連動した守備でメキシコに自由を与えなかった。
■久保、遠藤も狙い通りの守備に手ごたえ
「(後ろの)吉田選手や田中選手から指示された狙い通りのプレスができた。1点目も試合前に皆で話していた通りの攻撃だった」と試合後に久保が振り返れば、遠藤も「常にボールを奪えるような前向きの守備ができた」と話すなど、日本は奪われたボールを即時奪還し、攻撃につなげていった。
一方、メキシコは日本のその素早い攻守の切り替えに面くらい、明らかに後手後手を踏んだ。ただ、そもそもメキシコが難敵だったかと問われれば疑問符はつく。
2012年ロンドン五輪で金メダルを獲得したことから“過大評価”された面は否めない。残念ながらメキシコもドイツやフランス同様、オーバーエイジ含めて希望するメンバーは集められなかった。
招集メンバーは国内組が中心で、海外組はスペインのベティスでプレーするMFライネスだけ。そのライネスにしても昨季はリーグ戦8試合の出場にとどまっていた。
■海外組中心に日本のレベルがメキシコを上回る
さらにメキシコは現在、フル代表が北中米カリブ海地域の頂点を決める「CONCACAFゴールドカップ」に参加しており、オーバーエイジ含めて有望選手は五輪よりそちらが優先されている。
メキシコ国内リーグもレベルが高いとはいえ、レアル・マドリードの久保、PSVアイントホーヘンの堂安、サンプドリアの吉田、マルセイユの酒井(今夏、浦和へ移籍)ら海外リーグの中でもトップクラスで戦っている彼らにとって、実は恐れるに足らずの相手だったとも言える。
メキシコは体格が日本人と似ており、スピードやパワーで欧州勢に対抗するのではなく、技術で応戦する姿は、日本が目指すべきサッカーとされてきた。しかし、今回明らかになったのはテクニックやスピード、戦術眼、連携…個々でもチームでも日本は背中を追いかけてきたメキシコを完全に凌駕していたということ。
フル代表同士の戦いではないために何気ない勝利に映るかもしれないが、この試合は日本サッカーの歴史において大いに誇るべき試合として位置付けて良いはずだ。
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◆サッカー 日本が強敵メキシコに勝利!久保、堂安のゴールで2連勝 A組首位に
◆スペイン戦をドローに持ち込んだ日本代表は五輪メダルを狙える位置にいる
文・SPREAD編集部