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■ドナアトラエンテ
【中間調整】自身2度目の重賞挑戦だった前走・福島牝馬Sでハナ差の2着。超良血馬が、ようやく重賞で勝ち負けできるところまでやってきた。その後はヴィクトリアマイルに進まず、早い段階でクイーンSを次戦に設定。ノーザンファーム天栄での休養を挟んで7月10日に美浦へ戻っている。15日にウッド併せ馬で初時計。そこでは稽古駆けする相手にアオられてしまったが、ドナアトラエンテ自身悪くない動きだった。1週前追いとなる21日のウッド併せ馬では、準オープン馬を追い詰めて併入している。帰厩当初からグンと気配を上げたようで、躍動感あふれる動きが好印象。
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【最終追い切り】僚馬マジックキャッスルとともに、22日に函館へ輸送。最終追いはそのマジックキャッスルを相手に函館ウッドコースで行われた。先を行くマジックを目標にして、巧みなコーナワークから差を詰めると勢い優勢で並び掛ける。ここで相手のマジックがさすがの反応から差し返すように抵抗するが、ドナアトラエンテも負けじと脚を伸ばし、結局併入のフィニッシュとなった。
【見解】1週前追いの動きが圧巻。北海道への輸送を挟んだ最終追いは単走軽めでもよかったぐらいだが、これまで同様併せ馬で気合いを注入できたのはいい。チークピーシズ装着の効果か落ち着き、操縦性に進境は感じられたし、直線では溜めた気迫をしっかり弾けさせていた。マジックキャッスルの雰囲気も良く、まさに甲乙つけがたいところだが、若干だけドナアトラエンテのほうが躍動感で上回っていた印象。万全の仕上がりだ。
総合評価「S」
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著者プロフィール
西村武輝(にしむらぶこう)●フリーライター競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。現在、UMAJIN.net「競馬サロン」においては毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。