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5日は新潟競馬場でサマー2000シリーズ最終戦となる新潟記念(GIII、芝2000m)が行われます。
創設以来、新潟芝2000mが舞台のハンデ戦という条件に大きな変更はありません。今回は2001年以降の新潟記念の過去データを基に気になる騎手データを見ていきましょう。
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■M.デムーロ騎手が連対率80%を記録 勝負強さが光る
今年の新潟記念に乗り鞍があり、2001年以降の同レースに騎乗経験があるのは次の13騎手です。
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[2001年以降]新潟記念騎手別成績
新潟記念は各騎手の「巧拙」が他の重賞と比べると分かりやすい重賞です。騎手ごとの「平均着順と人気の差」の開き、「連対率」の開きが見られることから、この重賞で買うべき騎手が一目瞭然ですね。
真っ先に取り上げなければならないのが【1.3.0.1】連対率80%と驚異的な成績を記録しているM.デムーロ騎手です。
2015年のパッションダンス(6番人気1着)、2017年のアストラエンブレム(1番人気2着)、2019年のジナンボー(6番人気2着)、2020年のジナンボー(3番人気2着)と集計期間内に4度の馬券絡みがありますね。2016年のダコール(3番人気16着)の結果が響き、人気に比べると僅かに着順の落ち込みは見られますが、これだけ高い連対率を思えば許容範囲。新潟記念の走らせ方を熟知している騎手であることは間違いないでしょう。
また関東馬に跨った際は【0.3.0.0】と連対率100%を記録。もしかしたら、好勝負になると踏んだ時だけ新潟記念に参戦しているのかもしれませんね。
そして、M.デムーロ騎手が今年跨るのが過去の連対率100%データに該当する関東馬のマイネルファンロン(牡6、美浦・手塚)です。同馬は前日11番人気。人気は全くありませんが、M.デムーロ騎手が騎乗する以上押さえるべきしょう。
■池添謙一騎手は着順と人気のバランス、連対率とも優秀
ここからはM.デムーロ騎手以外の騎手に目を向けていきましょう。
M.デムーロ騎手に次ぐ高い連対率を誇り、着順と人気のバランスにも優れているのが池添謙一騎手ですね。集計期間内は2009年のサンライズベガ(6番人気2着)、2018年のブラストワンピース(1番人気1着)と2度の馬券絡みがあります。昨年こそ4番人気のピースワンパラディで7着に敗れてしまいましたが、先ほどのM.デムーロ騎手と同様にわざわざ遠征し騎乗する以上、何らかの勝算があるのかもしれません。
なお、同騎手は前日7番人気の3歳馬ラーゴム(牡3、栗東・斉藤崇)に騎乗予定。唯一の3歳馬とあって53キロの軽ハンデで出走できる同馬。勝負強い鞍上を背に人気以上の走りを見せられるのか注目ですね。
■川田将雅騎手は割り引きが必要
一方、新潟記念でデータから乗れていないと判断しなければならないのが川田将雅騎手です。2014年のラストインパクト(3番人気3着)で1度馬券絡みはあるものの、2008年に1番人気のダイシングロウで最下位に敗れたことが尾を引き、低調なデータとなっています。過去騎乗数2鞍とサンプル不足なところはありますが、騎手データを重視した場合、川田将雅騎手をプラスにプッシュすることはできません。
同騎手は前日4番人気のリアアメリア(牝4、栗東・中内田)に騎乗予定。昨年の秋華賞以降凡走が続いていますが、同馬の人気はなかなか落ちないようですね。ここはバッサリと切ってしまうのが正解と考えます。
さて、今回は新潟記念の気になる騎手データをご紹介しましたが、同重賞は前日の単勝1桁台に7頭がひしめき合う大混戦。
M.デムーロ騎手騎乗のマイネルファンロン、池添謙一騎手のラーゴムの2頭を軸に馬連フォーメーションやワイドフォーメーションで手広く流すと思わぬ高配当にありつけそうな気がします。
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著者プロフィール
伊藤大輔(いとうだいすけ)●「UMAJIN.net」編集部秋田県生まれ。スポーツ関連書籍出版社、競馬専門紙の勤務を経て、現在はUMAJIN .netでライティング、競馬データ解析等を担当。『SPREAD』では主観的要素の強い「馬体解析」と客観的なデータの蓄積である「騎手データ」から、注目すべき馬と騎手を取り上げていく。