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夏競馬でソダシやヨカヨカ、レイハリアが活躍し、スプリント路線から中距離路線までの「勢力図」を塗り替えつつある現3歳世代。そんな「黄金世代」に負けず劣らずの将来性を秘めた2歳馬たちが続々とデビューし、早くも来春のクラシック候補と呼べる素質馬も勝ち上がってきた。2歳重賞も本格化してきた今、各馬の実力を分析することは馬券攻略のヒントにもなる。
今回は先週の2歳戦(芝、ダート)の結果を踏まえ、東西の注目すべき全5頭をピックアップして分析する。
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■ダービー奪還に向け今年も「サトノ」の大器が勝ち上がる
サトノヘリオス
★★★★★牡 (栗)友道康夫父:エピファネイア 母:エアマグダラ短評:9月25日中京2歳未勝利(芝2000m)に出走。スタート直後に寄られインに弾かれ、2コーナーにかけて終始スイッチが入ってしまい掛かる場面がみられたものの、直線に入るとインからするする脚を伸ばし2分00秒0のレコードタイムで勝利した。初戦は大器イクイノックスに離されたもののしっかり2戦目で勝ち上がってくるあたりに成長曲線の大きさを表しており、近親にエアアンセムがいる良血らしさを示すことが出来た。気を悪くする素振りはあるものの持っているエンジンは一級品で今後の活躍に期待したい一頭だ。
シンリミテス
★★★★☆牡 (栗)大根田裕之父:ドレフォン 母:ポリアフ短評:9月25日中京2歳未勝利(ダ1400m)に出走。初戦こそ芝の短距離でデビュー(3着)となったが、ダートに矛先を変え、センスあるレースでクビ差勝利した。芝ダートで旋風を巻き起こしつつあるドレフォン産駒だが、シンリミテスの母ポリアフは「キンカメ×ユキチャン」の白毛一族の血統。芝ダート兼用で活躍するのは納得な結果で、将来的にはキーンランドCを勝利したレイハリアのような「芝×ダート兼用の短距離重賞馬」に期待がかかる一頭。早期から注目したい。
アファン
★★★★☆牝 (栗)平田修父:ヘニーヒューズ 母:レッドアンコール短評:9月25日メイクデビュー中京(ダ1400m)に出走。五分のスタートを切り道中は8番手に控える形で競馬を進め、上手くインで脚を溜めていた。頭の高い走法で鞍上も4コーナー直前で追い通しになるものの、前が開くと一気に加速した。他馬と並ぶ間もなく交わしさる姿はチャンピオンズCを制したサウンドトゥルーを彷彿とさせるような末脚で、近親に門別で活躍したヨハネスボーイ(サンライズカップ3着)がいるため距離は伸びても大丈夫だろう。次走も注目したいところだ。
サインオブサクセス
★★★☆☆牡 (美)伊藤圭三父:ハービンジャー 母:セレブリティモデル短評:9月26日メイクデビュー中山(芝2000m)に出走。スタートで出足が付かなかったものの、インの6番手あたりで先団を見る形で競馬を進めた。4コーナーで逃げた馬の後ろにつき、直線では馬群を捌いて迫りくるロードレゼルらを封じた。急坂でのギアチェンジ、パワフルな走法からも時計の掛かるパワーを必要とする馬場は大歓迎で、父がハービンジャーに変わったことでより強さを増した印象。距離は2400mあたりまで融通が利きそうで京成杯あたりで注目したい一頭だ。
コパノニコルソン
★★★☆☆牡 (栗)宮徹父:コパノリッキー 母:ソフィアルージュ短評:9月26日中京2歳未勝利(ダ1800m)に出走。好スタートから先頭に立ち、鞍上の指示にしっかり従いながらラップを刻んだ。3~4コーナーで並ばれる場面もあったが、力むこともなく最後の直線を迎え、1分51秒2のレコードタイムで快勝した。父コパノリッキーらしくハイラップの逃げが得意な印象で、走法からも生粋のダートサウスポーになりそう。500キロを超える馬体だがコーナリングは優秀でセンスを感じ取れる一頭だ。
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文・SPREAD編集部