夏競馬でソダシやヨカヨカ、レイハリアが活躍し、スプリント路線から中距離路線までの「勢力図」を塗り替えつつある現3歳世代。そんな「黄金世代」に負けず劣らずの将来性を秘めた2歳馬たちが続々とデビューし、早くも来春のクラシック候補と呼べる素質馬も勝ち上がってきた。2歳重賞も本格化してきた今、各馬の実力を分析することは馬券攻略のヒントにもなる。
今回は先週の2歳戦（芝、ダート）の結果を踏まえ、東西の注目すべき全5頭をピックアップして分析する。
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■種牡馬としても優秀な産駒を輩出し続けるキタサンブラック
アートハウス
★★★★★牝 （栗）中内田充父:スクリーンヒーロー 母:パールコード短評:10月9日メイクデビュー阪神（芝2000m）に出走。ゲートの出も良く道中は逃げ馬を見る形の2番手で追走した。掛かることも力むこともなく鞍上の意のままに動けていた印象で、直線に入り追い出されると瞬時に反応。阪神の急坂を迎えると一気にギアチェンジし鞍上が「持ったまま」で勝利した。このレースは前評判の高かったショウナンアデイブ、ヴィンテージボンドらが出走していたが、全く相手にしなかった内容だっただけにアートハウスが強すぎたのだろう。走法から距離は伸びても歓迎のクチで、将来的にはクラッシックで注目を浴びる一頭となりそう。
ラスール
★★★★★牝 （美）藤沢和雄父:キタサンブラック 母:サマーハ短評:10月10日メイクデビュー東京（芝1600m）に出走。ゲートは後肢に体重がかかっているタイミングでスタートしたため他の馬より2馬身弱離されたスタートだったが、すぐさま二の足で先団に取り付きインの4番手で競馬を進めた。少し力む面も見られたが直線で逃げ馬をすんなり交わし、上がり最速となる34秒0の末脚で3馬身差の勝利となった。この勝利でキタサンブラック産駒はJRA11勝目を挙げ、ファーストシーズンサイアーランキングではドレフォン、シルバーステートに次いで3位となった。ラスールは父キタサンブラックの競馬センスに加え、母サマーハ（代表産駒シャケトラ）の馬力を引き継いだ印象もあり、鞍上が絶賛するのも納得だ。将来的にはクラッシックに駒を進めるだろうが、シャケトラも晩成型であったため年を重ねるごとにより強くなるだろう。今後も注目したい。
ダークペイジ
★★★★☆牝 （栗）吉村圭司父:Dark Angel 母:グレイトペイジ短評:10月9日りんどう賞（阪神芝1400m）に出走。初戦は先行抜け出しという正攻法の競馬で快勝し、2戦目も同様の競馬で勝利した。レースは函館2歳Sで1番人気に支持されたポメランチェが飛ばして逃げる展開となったが、ダークペイジは冷静に競馬を進めていた。競馬に対する理解度が非常に高そうで距離の融通も利くだろう。過去にはプールヴィルやヤマカツマーメイドらがここを勝利し、出世したレースだけにダークペイジにかかる期待も大きい。今後にも注目だ。
タイセイジャスパー
★★★★☆牡 (美) 伊藤圭三父:ヘニーヒューズ 母:プラセンティア短評:10月9日メイクデビュー東京（ダ1600m）に出走。センスの良いゲートから先頭に立ち、道中は掛かることなく競馬を進めた。直線に入り、2番手に並走していた素質馬ワールドコネクターからプレッシャーを受けるも、交わされることはなく余裕をもったまま逃げ切り勝ちを収めた。近親にラストマン（現役4勝・日本テレビ盃4着）らがいる血統で、いずれはダート重賞に顔を覗かせる一頭となりそう。今後も注目だ。
レッツリブオン
★★★☆☆牡 （美）伊藤大士父:ダノンレジェンド 母:ヴァップ短評:10月10日東京2歳未勝利（芝1400m）に出走。好スタートから意図的に7番手に下げ道中は鞍上の指示に従い、掛かることもなく競馬を進めた。直線に入ると、前を行くスピードグラマーやイグザルト、ヴィブラフォンら素質馬を上がり最速となる33秒7の末脚で一気に抜き去った。勝ちタイム1分21秒4は、前日の2勝クラス（勝ち馬レガトゥス）よりも0秒5早く、馬場補正などを加味しても相当優秀といえる。京王杯2歳S（東京芝1400m）あたりで注目したい一頭だ。
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文・SPREAD編集部
