【Bリーグ】2度王者に輝いたアルバルク東京、優勝候補筆頭のつまずきと再スタート | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【Bリーグ】2度王者に輝いたアルバルク東京、優勝候補筆頭のつまずきと再スタート

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【Bリーグ】2度王者に輝いたアルバルク東京、優勝候補筆頭のつまずきと再スタート
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過去、2度のBリーグ王者に輝いたアルバルク東京(以下、A東京)は、長く日本バスケットボール界を牽引してきた。前身はトヨタ自動車男子バスケットボール部で、Bリーグ発足以前も何度もタイトルを獲得してきた屈指の強豪クラブである。そんなA東京は、昨シーズン新型コロナウイルス感染症の影響を最も受けたチームではないだろうか。外国籍選手の合流が遅れたり、チーム内でも感染者が相次いだ。結果として、優勝候補はチャンピオンシップ出場も逃す屈辱のシーズンとなってしまった。

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■オフには積極補強、主将・田中大貴も存在感を発揮

その悔しさから、オフシーズンにA東京は驚きの補強を行った。昨シーズン、悲願の優勝を遂げた千葉ジェッツふなばしからファイナルのMVPにも選ばれたセバスチャン・サイズをバイアウトで獲得。さらにファイナルで惜しくも千葉に敗れた宇都宮ブレックスからは日本国籍を持つライアン・ロシターを獲得し帰化枠も大補強した。また、シューターの安藤周人も名古屋ダイヤモンドドルフィンズから加わり選手層はより一段と厚くなった。残念ながら、ロシターや安藤は東京オリンピック出場を目指していたがその舞台に立つことはできなかった。その悔しさも胸にA東京で新たな戦いに挑んでいる。

新加入のセバスチャン・サイズ(写真中央)(C)ALVARK TOKYO

前評判高く、優勝候補筆頭と言われたA東京であったが開幕節の琉球ゴールデンキングス戦ではまさかの連敗。開幕前の9月初旬、ジョーダン・セオドアとの契約を解除した。理由はメディカルチェックの際に、契約を継続できない結果が出てしまったため。その後新たに契約をしたのが昨シーズン、レバンガ北海道でプレーをしていたポイントガードのジョーダン・テイラーだった。しかし開幕節の出場には至らず、結果として琉球戦では田中大貴がPGを担った。

田中は東京オリンピックでも、本来のポジションではないPGとして出場していた。世界と戦えるサイズのPGとしての抜擢だった。そして開幕節もPGのポジションでチームを率いたがチームを勝利に導くことはできなかった。A東京を率いて5シーズン目となるルカ・パヴィチェヴィッチヘッドコーチ(HC)は琉球戦について「1勝1敗にしたかった」と悔やんだ。開幕節こそ連敗したがその後は4連勝と勢いに乗っている。2節で富山グラウジーズと対戦した際には、GAME2で114得点とクラブ最高得点タイ記録で自慢のオフェンス力が爆発したかたちとなった。

そして16日、17日にアリーナ立川立飛で行われた第3節・信州ブレイブウォリアーズ戦後に指揮官は田中について「昨シーズンは怪我でプレーできない時もあったが今のところは調子も良い」と語った。また現在は、新加入のテイラーが「溶け込んできている」とし「田中は本来の2番ウィングポジションでプレーをしている。今日は彼らしいプレーが見られたと思う」と目を細めていた。小酒部泰暉に加えて安藤も新たに加わったことにより「彼らの援護を受けて、田中は昨シーズンよりもう少し楽にプレーができるのではないか」と指摘した。田中はキャプテンとしてチームを牽引しながら、オリンピックでの経験も加え今シーズンさらに進化を遂げていくことだろう。ますます田中のプレーから目が離せない。

■次節は千葉との“因縁の対決”

(C)ALVARK TOKYO

日本で2シーズン目を迎えたテイラーは、改めてBリーグについて「レベル的にポテンシャルが高く、上がり続けている。日本人選手のスキルも上がっている」と印象を語ってくれた。アメリカ出身で、イタリア、イスラエル、ドイツ、トルコ、フランスと各国でプレーしユーロリーグに出場したこともある。その経験から「(Bリーグは)ヨーロッパにも負けないと思っている」と言う。何よりも「日本のリーグや選手はやりやすく、バスケットボールに集中できるようにしてくれる」とBリーグで今シーズンもプレーができることを喜んだ。

北海道では「ポイントガードというポジションだがスコアも求められていて、オールラウンダーを目指していた」と言うが、A東京の得点力は申し分なくリーグでもトップクラス。テイラー自身も「能力が高い人が多い」ことから「自分はチームメートを生かすプレーをしたい。これからも役割をどんどん果たしていきたい」と意気込んだ。スコアも取れるPGがチームへ今後よりフィットしていけば、対戦相手にはますます驚異となるだろう。

次節、A東京は昨シーズンの覇者・千葉ジェッツと早くも対戦。サイズの移籍もあり因縁の対決の様相を呈する。4勝2敗のA東京に対して、千葉は現在唯一5勝1敗と東地区首位に立っている。パヴィチェヴィッチHCは「千葉は宇都宮や川崎など強豪の中でも調子がとても良い」と警戒しており、小酒部も「千葉はファストブレイクが得意なチーム。簡単にやらせないようにしたい」と気を引き締めている。今シーズンのファイナルカードになってもおかしくない好カード。早くも第4節で天王山とも形容できる対戦を迎える。

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■著者プロフィール

木村英里(きむら・えり)●フリーアナウンサー、バスケットボール専門のWEBマガジン『balltrip MAGAZINE』副編集長

テレビ静岡・WOWOWを経てフリーアナウンサーに。現在は、ラジオDJ、司会、ナレーション、ライターとしても活動中。WOWOWアナウンサー時代、2014年には錦織圭選手全米オープン準優勝を現地から生中継。他NBA、リーガエスパニョーラ、EURO2012、全英オープンテニス、全米オープンテニスなどを担当。

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