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今週は東京競馬場でアルゼンチン共和国杯(芝2500m)が行われる。
2011年以降、5頭のGI3着内馬を輩出したJRA重賞屈指の出世レース。その一方で年に2回しか施行されない特殊コースかつハンデ戦ゆえ波乱要素も含まれる。さまざまな側面から楽しみな一戦だ。
この記事ではデータ面からアルゼンチン共和国杯を紐解き、攻略への糸口を見つけていきたい。
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■オーソリティを後押しする「馬券内率100%」データ
3歳馬の身で参戦した昨年のアルゼンチン共和国杯。古馬の壁をあっさりと越え、重賞連勝を飾ったオーソリティ。ディフェンディング・チャンピオンとして臨む秋初戦。ここは昨年の勝利が斤量の恩恵ではないことを証明したい一戦だが、取り上げたいデータはこちら。
・非GIレースでの成績【4-1-1-0】
ホープフルS、有馬記念、そして天皇賞・春。これまで同馬が馬券圏外に敗れた3戦はすべてGIレースだったのだ。
それを知ってか知らずか、陣営は秋のGI戦線に目もくれず秋の復帰初戦にGIIのアルゼンチン共和国杯を選択。GIだと格負けしてしまうタイプで、自身の好走テリトリーで迎えるここは評価を落とさないようにするのがベターと言えよう。
■フライライクバードの追い風となる「馬番ひと桁番」
前走は3勝クラスを勝利。3歳春以来となる重賞に挑むフライライクバード。オーソリティをはじめ重賞連対歴のある馬が7頭を数えるメンバー構成にあって、実績不足の感は否めない。しかし、そんなマイナスデータを吹き飛ばす好材料を発見した。
・馬番ひと桁番時の成績【4-3-1-1】
唯一の馬券圏外は3着馬とハナ差の4着に敗れた5走前に限定。外枠の距離ロスがダイレクトに結果に反映されてしまうタイプである点は見逃せない。
馬番5番を引き当て、まずは課題をクリア。適度にリフレッシュされたレース間隔で臨む今回、3年目の若武者・岩田望来に初重賞タイトルをプレゼントする可能性は十分だ。
後編ではデータ面から浮上するアルゼンチン共和国杯の穴馬候補2頭を紹介する。
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▼競馬ストーリーテラー・田原基成の重賞分析TV「アルゼンチン共和国杯」
著者プロフィール
田原基成(たはらもとなり)●競馬評論家
競馬予想の魅力を世に発信し続ける「競馬ストーリーテラー」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野にて競馬本を執筆。現在はUMAJIN内「競馬サロン」にてコラム【競馬評論家・田原基成のいま身につけるべき予想の視点】 執筆中。『SPREAD』ではデータ分析から読み取れる背景を紐解き、「データの裏側にある競馬の本質」を伝えていく。