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21日(日本時間22日)、ポスティングシステム(入札制度)による契約可能選手として、MLB機構からメジャー全30球団に通知された広島の鈴木誠也外野手。これまで移籍先として、ボストン・レッドソックス、テキサス・レンジャーズ、サンフランシスコ・ジャイアンツなどの名前が挙がっているが、日本人選手が毎年のように在籍しているシアトル・マリナーズも候補の一つとされている。
米地元紙「シアトル・タイムズ」が鈴木誠也に関する特集を組み、ジェリー・ディポトGMの「セイヤは素晴らしい選手」というコメントを伝えた。
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■米紙、任天堂の影響力にも言及
「シアトル・タイムズ」は、「マリナーズはセイヤ・スズキで日本人選手の獲得を続けるのか?」という見出しを付けて記事を掲載。1996年にマック鈴木がメジャーデビューを飾って以来、マリナーズにはイチローをはじめ、佐々木一浩、岩隈久志ら常に日本人選手が在籍してきたと紹介。しかし、今オフに菊池雄星がチームを離れ、もしこのまま日本人選手の獲得がなければ、2000年代に入って初めて日本人選手のいないチーム編成になると指摘した。
記事は1992年に任天堂アメリカが球団の筆頭オーナーになったことが、日本人選手との契約に影響を与えたことは明らかとした上で、ジョン・スタントン氏が会長兼オーナーになった現在でも、任天堂アメリカは球団の方針に影響力を持つとも伝えた。また、ディポトGMの「セイヤは素晴らしい選手。我々は彼をずっとスカウティングしてきた。ビデオでも見てきたし、実際に見てきた。チャンスは常にある」というコメントも紹介し、獲得に前向きになる背景や様子をつづった。
しかし、チーム状況を鑑みた時、大谷翔平の所属するロサンゼルス・エンゼルス同様、“ポストシーズン進出”というウリがないとし、実際の交渉では年俸など契約内容でしか口説けない実情にも触れた。
鈴木は今季、打率.317、本塁打38本、打点88、盗塁9という成績を残し、東京五輪金メダル獲得にも貢献。多くのメジャー球団が獲得に乗り出すとされており、交渉の行方に注目が集まっている。
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文・SPREAD編集部