アスリートによる社会貢献活動を表彰する「HEROs AWARD」（主催：日本財団）は2021年の授賞式を20日、東京・港区のThe Okura Tokyoで行い、Bリーグの千葉ジェッツふなばしがチーム・リーグ部門を受賞。また、男性部門ではかつて「ロッテ・オリオンズ」（現・千葉ロッテ・マーリンズ）のエースとして活躍した村田兆治さん、そして女性部門では陸上の寺田明日香さんがそれぞれ受賞しこの日、表彰された。
◆【HEROs AWARD 2021】Bリーグ・クラブとして初受賞の千葉ジェッツふなばし 「ブースター参加型貢献」の賜物と感謝
■アスリートたちの社会貢献活動を評価
千葉ジェッツふなばしは、自治体、 NPO法人、企業と連携しフードロスを防ぐ地域貢献活動を実施。自宅にありながら寄付できる食品を支援が必要な人たちに届ける「フードドライブ」やフードロスに貢献するために肉まんを共同開発、また販売回収を行った点などが評価された。
また、村田さんは、現役引退から30年以上を経てなお野球の普及に尽力。全国の離島球児たちが一堂に集まる中学生野球大会「離島甲子園」開催への尽力が買われた。寺田さんは、新型コロナ禍、学生アスリートを対象に精力的に活動。合宿形式で寺田氏本人と共に練習する機会の提供、さらにトレーニング、食事、睡眠などについて学ぶオンラインプログラムの提供を続けた。
今回は特別表彰として、ミュージシャンのAIも授賞式に出席。SDGsの発信をテーマとしたメディア「Take Action for Peace（TAP）」の開設や、病気と闘う子どもとその家族のための滞在施設「ドナルド・マクドナルド・ハウス」を支援するためのチャリティソングの提供などが認められた。
■受賞者から喜びと感謝の声続々
チーム・リーグ部門で受賞した千葉ジェッツふなばしからは、田村征也代表と原修太選手が登壇。「JETS ASSIST」という選手たちの主体的な地域貢献活動と、Bリーグ優勝という競技成績の両立を評価された受賞について、田村代表は「Bリーグ初の受賞ということで嬉しく思っております。決して我々の力だけでいただけた賞ではございません。一緒に活動に参加していただいた皆さまにこの場をお借りして御礼申し上げます。千葉ジェッツふなばしは、これからも地域の“ハブ”となり、社会貢献活動の輪を広げて参ります」とコメントした。
男性部門で受賞した村田さんは、10年以上に渡り「離島甲子園」を牽引し、野球を通じて離島の活性化に貢献してきた。さらに今年は参加者の中から初のプロ野球選手が誕生した。その張本人である、読売巨人軍からドラフト指名を受けた菊地大稀選手からトロフィーを授与されると、村田さんは「（引退後）『わたしは現役じゃない。これから社会貢献をして、人の役に立って恩返しをしていきたい』そういうつもりで33年になります。一番嬉しいのは、今年のセンバツ（当確）と菊地さん（の成長）。この賞はたくさんの出会った人たち、サポートした地域の方々、その方々の支えがあって」と感謝の言葉を口にした。
「A-START」プロジェクトでコロナ禍で苦しむ学生アスリートのサポートをした結果、参加者のほとんどが自己ベストを更新したという寺田さんは「自分の結果以上に嬉しい結果をもたらせてくれました。わたし自身もずっと夢だった東京オリンピックに出場することができて、それは学生たちと過ごした時間がすごく大きな影響を与えていると思っています。今後も学生のみならず、下の世代の子たちにどういったアプローチができるか考えながら、競技生活を続けていきたい」と今後の更なる社会貢献活動にも前向きな姿勢を示した。
日本財団は2017年より、アスリートによる社会貢献活動を促進することで、スポーツでつながる多くの方の関心や行動を生み出し、社会課題解決の輪を広げる「HEROs ~Sportsmanship for the future~」プロジェクトをスタート。スポーツやアスリートの力が社会課題の解決を可視化し発信するために毎年、社会貢献活動に取り組むアスリートを「HEROs AWARD」として表彰し、今回で5回目となる。
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文・SPREAD編集部
