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リーグ3連覇を目指した昨季は、新型コロナウィルス感染による主力離脱や新外国人の不振などで勝率5割を割り(.496)、3位でシーズンを終えた巨人。FA市場に参戦せず、最小限の補強で挑む今季は3年契約を延長した原辰徳監督のもと、覇権奪回を目指す。
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■V奪還は菅野復活と次期エースの台頭が必要
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【投手力】
★★★☆☆
先発陣は、コンディション不良で6勝に終わり、今オフもMLB移籍を見送ったエース・菅野智之のほか、昨季自身初の2ケタ勝利(11勝)をマークした髙橋優貴と同9勝の戸郷将征の左右の若手2人に山口俊、C.C.メルセデスの実績組がローテ候補。
この5人に加えて、新戦力としてMLB通算28勝の新外国人のマット・アンドリース、ドラフト2位の山田龍星と同3位の赤星優志、現有戦力では昨季FA移籍も未勝利の井納翔一や中堅の今村信貴、畠世周などがその座を争う。だが、「今年はタイトルを狙う」という菅野以外は実績や安定感に欠けているのが現状で、V奪回のためには「菅野復活」と同時に「菅野以外」に突き抜けた成績を残す投手の台頭が必須となる。
リリーフ陣はチアゴ・ビエイラとルビー・デラロサのクローザー候補の両外国人を中心に、昨季チーム最多登板の鍵谷陽平、中川皓太、高梨雄平の両左腕など安定感は抜群。サイド右腕のドラフト1位ルーキー・翁田大勢(関西国際大)のデビューにも注目が集まる。
【打力】
★★★★☆
打線は2年連続で本塁打、打点の二冠王となった4番・岡本和真を中心に、坂本勇人、丸佳浩の実績組に、吉川尚輝、松原聖弥、若林晃弘らの若手、中堅組が脇を固める。新戦力はMLB通算96本塁打、98盗塁の実績でクリーンアップ候補に期待されるグレゴリー・ポランコと米独立リーグで2年連続MVP、本塁打王に輝いたアダム・ウォーカーの両外国人で、ゼラス・ウィーラーと外国人枠を争う。
この助っ人組と同時に打線のカギを握りそうなのが、梶谷隆幸、中田翔の移籍組で、この2人が本来の力を発揮できるようなら、打線の並び大きく変わる。
そして、チームの底上げには若手の台頭が必須となるが、その筆頭候補に期待されているのが、松井秀喜の背番号「55」を受け継いだ秋広優人だ。他にも廣岡大志、湯浅大なども候補になるが、日本人外野手で右打ちが石川慎吾のみというバランスの悪さは気になるところだ。
【機動力】
★★★☆☆
昨季のチーム盗塁数はリーグ4位の65個だが、スタメンによって機動力は大きく変わりそうだ。昨季チームトップの松原(15盗塁)が1番に定着できれば理想的だが、ウィーラーや中田らが定位置を奪う形になると、機動力という意味ではダウンは必至となる。
吉川尚や梶谷も本来は俊足の選手だが、いずれも故障禍でなかなか本来のスピードを発揮できず、坂本や丸も年齢的に脚力の衰えは隠せないところだ。代走では増田大輝、重信慎之介などスペシャリスト級の足を持つ選手がおり、定位置を確保できれば相手には脅威の存在になる。
【守備力】
★★★★★
昨季のチーム失策数はリーグ最少の45個と守備は非常に安定している。坂本、丸と内外野にゴールデングラブ賞常連の選手がおり、守備範囲の広い松原や梶谷も外野守備には定評がある。二塁手の吉川尚も高い守備力で、センターラインに不安はない。
昨季は内外野の5ポジションをこなした若林や内野の便利屋的存在と言える北村拓己などの存在も大きい。捕手も大城卓三は打撃のイメージが強いが、昨季の盗塁阻止率はリーグトップの.447を誇り、強肩の小林誠司、岸田行倫など、控え選手も守備力は標準以上。いずれにしても、守乱でチームが崩れるイメージは想像できない陣容だ。
【采配】
★★★★☆
百戦錬磨、海千山千の豊富な経験でリーグ3連覇時には名将の評価を得た原辰徳監督だが、全権監督としての独裁的なイメージや特定選手へのこだわりなどを揶揄する声も少なくない。
コーチ陣は石井琢朗コーチが退任し、元木大介コーチと阿部慎之助コーチのWヘッド体制がいかなる結果をもたらすか。投手コーチも昨季までの宮本和知コーチが退任し、桑田真澄コーチがチーフ格となったが、昨季の先発投手の起用法など、賛否が分かれるところだ。
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記事提供:ベースボール・タイムズデータ提供:野球DB