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新種目のスキー・ジャンプ混合団体決勝が7日、行われた。日本は高梨沙羅、佐藤幸椰、伊藤有希、小林陵侑のメンバーで臨み、合計836.3点で4位だった。
この競技では、日本の先陣を切った高梨が1回目に103メートルの大ジャンプを披露したが、その後にスーツの規定違反で失格。着替えて臨んだ2回目は98.5メートルをマークしたものの、日本はのべ7人分の得点しか計上できず、失格を出さずにのべ8人が飛んだ3位カナダ(844.6点)に一歩及ばなかった。
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■女子ばかり5人がアウト
ジャンプ混合団体決勝で異常事態が発生した。失格した高梨以外にもオーストリアの1人目ダニエラ・イラシュコ、ドイツ3番手のカタリナ・アルトハウスが失格となったほか、2回目のジャンプではノルウェーから2人の違反者が出た。結局、参加10チーム中4チーム、いずれも女子5人が失格となった。
高梨は1回目のジャンプ後に行われた抜き打ち検査で、スーツの太もも周りのサイズが規定より2センチオーバーしていたことが判明。着用するスーツに関して、男子は1~3センチ、女子は2~4センチのゆとりのみ認められる。つまり、大きなスーツを着用することにより、空気抵抗を得て浮力が生じることを禁じるための措置で、例えば体重が減ってゆとりが増えた場合でも失格になる。
高梨は個人戦で使用したものと同じスーツで臨んだが、極寒の地で筋肉が萎縮、あるいは個人戦を経て体重キープが出来なかったのか。本来であれば、パンプアップなどで一時的に筋肉を増やし、ゆとりを解消するが、今回はその調整がうまくいかなかったものと見られる。
日本代表スタッフは「僕らのチェックミス」と非を認める発言をしていたが、なぜ女子ばかりという点や、選手たちから「通常とは違う測定方法だった」というコメントも飛び出すなど、裁定に対する疑念が噴出している。
■ドイツ監督「クレイジー」
欧州の放送局「Eurosport」はドイツのホルンガッハー監督のコメントを掲載。「クレイジーだ。1回目で3人の女子が失格になってしまった。その女子選手たちは、いつもW杯で活躍している選手たちだ。我々には何の説明もない」と不満を口にしたという。また、失格となったドイツのアルトハウス自身もインスタグラムで「私は11年間失格になったことなどない。言葉を失う」とつづった。
同じく失格処分を受けたノルウェーのシリエ・オプセトは「検証する必要があると思う。完全に違う方法でスーツを測定し、新しい手順で行った」と、ノルウェー紙「ヴェルデンス・ガンズ」に明かした。
失格者が続出し、「Eurosport」が「茶番劇」と評した今回の騒動。尾を引く可能性がある。
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文・SPREAD編集部
【#スキージャンプ】混合団体
1回目で失格のアクシデントに見舞われた #髙梨沙羅 選手。今大会最後のジャンプとなる2回目は98.5mの素晴らしい飛躍で締めくくりました。#Beijing2022 #gorinjphttps://t.co/bAXQIwtZrL pic.twitter.com/i22PlZHiSR
— gorin.jp (@gorinjp) February 7, 2022