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カタールW杯アジア最終予選グループBで2位につける日本代表は24日、敵地で3位豪州代表と対戦する。両チームの勝ち点差は3で、日本はこの試合に勝てば7回連続の本大会出場が決まる。もし負けた場合、勝ち点で並ばれ、得失点差の関係で3位に転落する。
本大会出場圏の2位以内をキープするためにも、日本は負けない戦いをする必要がある。
■離脱者相次ぎ戦力ダウンの豪州
日本はエースの大迫勇也(神戸)のほか、FW前田大然(セルティック)、DF酒井宏樹(浦和)も負傷やコンディション不良のため、招集外となった。本来なら緊急事態だが、大きな痛手にはならない見込みだ。
何しろ対戦相手の豪州が、日本以上に主力が離脱している。中盤を構成するMFアーロン・ムーイ(上海海港)、MFジャクソン・アーバイン(ザンクトパウリ)が新型コロナウイルス感染でメンバー外に。さらに、トップ下候補のトム・ロギッチ(セルティック)もケガで出場辞退となった。
日本との前回対戦(2021年10月12日)で先発していた3人が不在となり、中盤から前線は再編を迫られている。DF中山雄太(ズヴォレ)が「豪州は僕らが昨年10月にホームで戦ったチームとは別のチームになっているという印象」(JFA公式サイト)と語ったが、まさにその通りだろう。
しかし、戦略・戦術を練るべき肝心のグラハム・アーノルド監督が、コロナ感染による自主隔離期間中に外出し、豪州サッカー協会から罰金を科されるという不祥事も発生。ベンチ入りも微妙な状況とあっては、豪州にポジティブな要素は見当たらない。
もちろん、油断は禁物。現地情報によると、ピッチは芝が荒れており、さらに当日の天気は雨予想だという。そのため、豪州がパスサッカーを捨て、かつてのようにフィジカルを前面に出した肉弾戦を挑んでくる可能性も否定できない。パスワーク、攻守の切り替えの速さなどは日本が明らかに上だが、パワーを生かしたプレーは豪州に分がある。
日本としては、豪州がチームのコンセプトであるパスサッカーにこだわってくれたほうが、与しやすい。
■最終戦を考えてドローに持ち込む選択も
チーム再編に取り組んでいる相手、万全とは言えないピッチコンディション……。不確定要素が多い中、勝ち点3を獲得できればベストだが、MF守田英正(サンタ・クララ)が「負けることは許されないので、最悪引き分けも考えてサッカーをしないといけない。勝つことを前提に、勝ちにいく上で最後は賢く戦い方を変えなければならないところもあると思う」(JFA公式サイト)と話したように、日本は状況に応じた戦い方が求められる。
次の最終戦は、日本が最下位ベトナム、豪州が首位サウジアラビア。日本は最終戦で白星を挙げられる可能性が極めて高く、逆に豪州は難敵が待っている。その点を冷静に考えれば、豪州相手に引き分けで終わり、2位を堅持したまま最終戦に臨むのは妥当なシナリオ。まずは先制点を許さない、堅い試合運びが求められる。
メンバー構成では、ここまで最終予選全試合にスタメン出場してきた大迫の代役、1トップを誰が務めるのかが焦点。上田綺世は確かに好調をキープしているが、所属する鹿島は2トップを採用しており、代表で担う1トップの適性は見極め切れない部分がある。林大地(シントトロイデン)は試合前日の合流となり、コンディション的に厳しいか。
やはりここは、林同様に試合前日の合流となったものの、代表での経験が豊富な南野拓実(リバプール)に託すのが自然な流れ。それに伴い、南野が務めていた左ウイングには浅野琢磨(ボーフム)や原口元気(ウニオン・ベルリン)が入るのが現実的な布陣だろう。
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文・SPREAD編集部