【スーパーフォーミュラ】 2022年、新規ダブルヘッダー開幕戦は野尻智紀 vs 平川亮の熾烈バトルから | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【スーパーフォーミュラ】 2022年、新規ダブルヘッダー開幕戦は野尻智紀 vs 平川亮の熾烈バトルから

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【スーパーフォーミュラ】 2022年、新規ダブルヘッダー開幕戦は野尻智紀 vs 平川亮の熾烈バトルから
【スーパーフォーミュラ】 2022年、新規ダブルヘッダー開幕戦は野尻智紀 vs 平川亮の熾烈バトルから 全 1 枚 拡大写真

国内最高峰のフォーミュラレース、スーパーフォーミュラ2022シーズンが4月9日、富士スピードウェイで開幕した。

ハイレベルなバトルが常に展開され、モータースポーツファンを虜にしている同シリーズが、昨季までの7戦から今季10戦に増えたのは、非常に喜ばしいことだ。しかも追加3戦はいずれも土、日、1日ずつのダブルヘッダーで行われる。これまでにも2レース制という大会はあったがポイントは半分ずつで、2つで1戦と捉えられていた。だが今季のそれは2戦ともにフルポイントが与えられるので、チームや選手の心構えは明らかに違うはずだ。

予想される流れとしては、走り出しから順調にセッティングが進み1戦目で好成績を収めたチームは、大きくコンディションが変わらない限り2戦目も期待が大きい。逆に1戦目で躓いたチームは、間にフリー走行がないため2戦目で挽回することが難しくなる。

その最初のダブルヘッダーがこの開幕ラウンド。予想通りの流れであれば、調子の良いチームと悪いチームとで、いきなり大きな差が開いてしまう。応援するファンも、昨季までの開幕戦とは違った緊張感を持っていることだろう。

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■新規参入TEAM GOHにも注目

こうして幕を開けた9日土曜日の第1戦目。午前中の予選でもうひとつ、今季の注目ポイントを見つけた。チームもドライバーもルーキーのTEAM GOHだ。2004年にル・マン24時間で総合優勝を果たした名門チームがホンダF1のマネージングディレクターをつとめていた山本雅史を監督に据えての参戦とはいえ、スーパーフォーミュラはルーキーチームがいきなり上位争いできるようなカテゴリーではない。予選はどちらかがQ2進出できれば御の字くらいだと思っていた。ところがAグループ予選Q1に挑んだ佐藤連が、なんとチャンピオンの野尻智紀(TEAM MUGEN)を抑えてのトップ。Bグループの三宅淳詞も4位で、2台ともにQ2進出という快挙を成し遂げた。

この2人のドライバーは昨季スーパーフォーミュラ・ライツで戦っており、佐藤がランキング3位、三宅が4位に終わったものの、時折見せた際立った速さに将来性を感じていた。そして、スーパーフォーミュラデビュー戦の予選で、その通りのパフォーマンス。Q2も、三宅こそ11位に終わったが、佐藤は2位でフロントローを獲得し、Q1が決してフロックでなかったことを証明した。

こうなると期待したくなるのが佐藤のデビュー戦表彰台、はたまたデビューウィン。

だが、その期待はスタート直後に早くも崩れ去った。単独で走る予選とは違い、レースでの、ましてや上位のポジションとなれば、うまく駆け引きするために必要なのはやはり経験。佐藤はスタートの動き出しこそ悪くはなかったものの、その後の加速が鈍く中団へと後退。さらにオープニングラップは各ポジションで激しいバトルとなり、ダンロップコーナーで後続に追突され大きく順位を落としてしまった。

レースはその後、ポールポジションの笹原右京(TEAM MUGEN)もエンジンストールで大きく後退してしまったため予選3位以下で優勝が争われることになった。浮上してきたのはチャンピオン野尻、そして一昨年ランキング2位、昨年4位の平川亮(TEAM IMPUL)。6番手スタートの野尻は10周目と早めのピットインを敢行し、フレッシュタイヤでプッシュし続け一気にトップへと到達してみせる。一方、オープニングラップからトップ争いをしていた平川は25周目のピットインで野尻に先行されるも、終盤にかけタイヤパフォーマンスに分があったことから、残り10周となったところで追いつきバトルを仕掛け再逆転。そのままレースを制した。二人のプッシュ、バトル、戦略はいずれも見事で、これぞ最高峰という戦いだった。佐藤は残念ながら、その域にはまだ達していない。終わってみれば、順当な結果だった。

とはいえ、最終的に9位まで追い上げデビュー戦でポイントを獲得できたことは佐藤にとって大きな糧となったことだろう。その佐藤が同じコース、同じコンディションで戦う翌日にどんな戦いを見せるのか、やはりそこは興味深いところだ。わずか1日でルーキーがどう成長するのか、ダブルヘッダーの開幕戦だからこそそれが見届けられる。主催者の粋なはからいに感謝したい。

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◆【著者プロフィール】前田利幸 記事一覧

著者プロフィール

前田利幸(まえだとしゆき)●モータースポーツ・ライター2002年初旬より国内外モータースポーツの取材を開始し、今年で20年目を迎える。日刊ゲンダイ他、多数のメディアに寄稿。単行本はフォーミュラ・ニッポン2005年王者のストーリーを描いた「ARRIVAL POINT(日刊現代出版)」他。現在はモータースポーツ以外に自転車レース、自転車プロダクトの取材・執筆も行う。

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