
ロサンゼルス・エンゼルスとシアトル・マリナーズの3連戦最終日は大荒れになった。
事の発端は前日の試合、エンゼルスのマイク・トラウトに投じられた顔面付近への一投から始まる。試合後、トラウトは「内角に投げられないなら、(内角に)投げるな。当てるなら、肋骨に当てろ。頭に当てるな」と怒りを露わにしていた。
この日、試合前から不穏な空気が漂う中、エンゼルスの先発アンドリュー・ウォンツは初回にフリオ・ロドリゲスの背中をかすめる危険球で審判から警告を受け、両軍間の緊張はさらに増す。そして2回、ウォンツがジェシー・ウインカーへ死球を与えると、これにウィンカーが激昂。エンゼルス・ベンチに向かい、両軍が入り乱れる大乱闘が勃発した。
◆【実際の映像】エンゼルスベンチ前での、両軍の選手が入れ乱れての大乱闘
試合は約18分中断され、マリナーズのスコット・サービス監督、ウィンカー、ロドリゲス、J・P・クロフォード、エンゼルスのフィル・ネビン監督代行、ライセル・イグレシアス、ライアン・テペラ、ウォンツの計8人が退場になった。
■両軍が入り乱れる大乱闘も、水谷一平通訳が“一涼の風” 現地が感動
AP通信のグレッグ・ビチャム記者は、「ベンチが空っぽになり、アナハイムで拳が飛び交っている」と乱闘の一部始終をツイッターで実況。その中でビチャム記者は、大谷翔平と通訳の水谷一平さんの行動に注目しながら、「私にとってこの乱闘のベストシーンは、イッペイがショウヘイとともにフィールドに出てきてたところだ。おそらく、必要があればどんな汚い言葉でも通訳することに備えてだ」とジョークを投稿し、その場を和ませた。
一方、大谷を守る水原通訳の姿に多くのファンが感動した。乱闘の途中から参加した大谷は興奮する相手コーチを抑えた。しかし、大谷のケガを心配した水原通訳は、大谷を背中から抱きかかえて乱闘の輪から引き離した。スポーツ番組のショーン・コペラキス・プロデューサーは「通訳イッペイは、オオタニを乱闘の輪から必死に引き離そうとしていた」とツイッターに投稿。この他にもツイッターには同通訳の行動を称賛する声が相次いだ。
◆エンゼルス大乱闘劇に「大谷勝負」の屈辱 守護神イグレシアスは「チームが団結するきっかけになる」
◆エンゼルス相手に大乱闘を演じたウインカーのもとにファンからピザの差し入れ 退場後、試合中にペロリ
◆大乱闘劇の幕を開けたウインカー ファンの少女にサインボールを贈り、謝罪「退場しちゃってごめん」
文・澤 良憲(Yoshi Sawa)
Benches clear!!! □@Angels | #GoHalos pic.twitter.com/EUnTTcjW1D
— Bally Sports West (@BallySportWest) June 26, 2022