【Dリーグ】21-22アワードショー、ISSEIが2年連続MVD 「世界のスポーツでダンスがもっとも可能性がある」とテリー伊藤 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【Dリーグ】21-22アワードショー、ISSEIが2年連続MVD 「世界のスポーツでダンスがもっとも可能性がある」とテリー伊藤

新着 ビジネス
【Dリーグ】21-22アワードショー、ISSEIが2年連続MVD 「世界のスポーツでダンスがもっとも可能性がある」とテリー伊藤
【Dリーグ】21-22アワードショー、ISSEIが2年連続MVD 「世界のスポーツでダンスがもっとも可能性がある」とテリー伊藤 全 1 枚 拡大写真

6月30日、数週間前にチャンピオンシップの闘いを終え、セカンドシーズンの幕を閉じたDリーグアワードショーが開催された。この日は同シーズン12ラウンドを闘った11チームの全ダンサーが、いつものステージ衣装とはまた違ったドレスアップした姿で一同に会し、会場となった目黒雅叙園・舞扇の間は、ダンサー特有の優美な肢体がうごめき、いつにも増して一層艶やかな空間となっていた。

今回のアワードショーも、まず全ラウンドの音楽を担当し盛り上げてくれたPKCZがステージに上がり、続いて全11チームのメンバーが登場。そして、この大変な2年を乗り越え、牽引してきた株式会社Dリーグ代表取締役の平野岳史CEOより、熱い挨拶が届けられた。

先日のチャンピオンシップでは、初めて観戦しながら涙を流したと告白する平野CEOは、「2年目の今シーズン、明らかにDリーグは飛躍しました。この、筋書きのないドラマ。そしてその陰で積まれた見えない努力、そこから生まれる熱い絆、情熱。そのすべてを想い、涙が止まらなかった」と語った。また、チャンピオンシップでのチケットの完売のみならず、Dリーグのウェブサイトの会員数も「倍増などではなく、ゼロが多くなるレベルで増えた」という歓びも笑顔とともに伝えられた。

この日、Dリーガーに贈られるアワードは「MOST FAV DANCER」「MOST FAV TEAM」「MUSIC OF THE YEAR」「MOST CREATIVE DIRECTOR」「MVD OF THE YEAR」の5つ。“FAV”は英語のFavorite(お気に入り)の意で、Dリーグ・オフィシャル・アプリを通して集計されたFAV数の合計や、その順位による得点、また、全Dリーガーや関係スタッフによる投票も得点に反映されるなど、5つのアワードによって、それぞれ違う集計方法がとられ受賞が決定する。 

◆全選手が命を削ってきたセカンドシーズン・フィナーレにダンスのさらなる可能性を見た 栄冠はエイトロックスに

■“クセになる名作”が生まれた

MOST FAV DANCERとMOST FAV TEAMは、Dリーグ・オフィシャル・サイトに寄せられた“FAV”数によって決定される。ファンをいかに獲得しているかが如実に表れるシステムゆえ誰がノミネートされるかも非常に興味深い賞だ。今回は全チームの中からJUMPEI(avex ROYALBRATS)、HINATA(SEGA SAMMY LUX)、ISSEI(KOSÉ 8ROCKS)、KTR(FULLCAST RAISERZ)、TAKI(SEGA SAMMY LUX)の5名がノミネートされ、見事フルキャスト・レイザーズのKTRが受賞した。レイザースは男気溢れるメンズ集団だが、KTRを始め、メンバーの人柄と優しさが印象的なチームでもある。実は踊り手の内面が色濃く反映されてしまうダンスという分野で、レイザースが醸し出す強くて優しい存在感はDリーグの人気を支える上でも貴重なものになっていると思われる。

続くMOST FAV TEAMはエイベックス・ロイヤルブラッツが手中に収めた。ファーストシーズンの覇者であるロイヤルブラッツは、セカンドシーズンでディレクターと全メンバーが総入れ替えとなったが、彼らのダンスの特長である観る者を楽しい気分にさせるという持ち味がますます濃厚なものに進化し、より多くのファンの心を掴んだ上での結果といえるだろう。

また、ユニークかつ非常に今の時代にマッチした賞である「MUSIC OF THE YEAR」は、サイバーエージェント・レジットがラウンド7で踊った「Delicious Coffee Festival(feat.Ryo’LEFTY’Miyata)」が受賞した。この賞は、楽曲を配信している全配信サイトの再生回数から、まず上位10曲を選定、そこに全Dリーガーやディレクターからの得票が反映されての決定となる。「デリシャス・コーヒー」は私も大好きな、観る者を虜にさせる魅惑のナンバーだったが、やはり曲の素晴らしさにも大いに支えられて、あの“クセになる名作”が生まれたということだろう。

MUSIC OF THE YEARを受賞したサイバーエージェント・レジットのメンバーたち(C)D.LEAGUE 21-22

そして、「MOST CREATIVE DIRECTOR」はカドカワ・ドリームスKEITA TANAKAが受賞した。カドカワ・ドリームスの各ナンバーは独創性が高く、毎回どんな趣向のどのようなダンスが飛び出すのか楽しみなチームであったが、同賞と「MVD OF THE YEAR」に関しては、サイトへ寄せられたFAV数ではなく、Dリーグ・スタッフと全Dリーガーおよびディレクターを中心とした関係者の票によって独自の計算式のもとに決められるため、いわば、プロがプロを認めるものであり、それに見合う素晴らしさがドリームスのいくつもの作品に宿っていたという事実が、この受賞によって浮き彫りになったとも言えるだろう。

そして同様に、全Dリーガ―と関係者からの得票によって決められる「MVD OF THE YEAR」には、なんと昨年も同賞をさらったエイトロックスのISSEIが再び選ばれ、2年連続の栄誉に輝いた。確かに今シーズンも、会場がもっとも沸いた瞬間はエイトロックスのブレイキンがピークに達する瞬間だった。あの興奮と、ISSEIが巧みに繰り出す数々の技とバイブスは、同じ場で闘うダンサー達の心にも深く刺さっていたのだろう。未だ齢23歳の彼が、2024年開催のパリ・オリンピックで大いに活躍してくれる姿も連想させる受賞であった。

■「格好いい、楽しい、セクシー、ぶっとんでいる」

また各賞発表の中盤、昨年のDリーグ開幕時から全ラウンドでレギュラー・エンターテイナー・ジャッジを務めたテリー伊藤さんに特別功労賞が授与された。テリーさんは「世界のスポーツでダンスがもっとも可能性がある。ダンスには道具がいらない。良い演技を見て、やりたくなったらすぐできる。そんなスポーツは他にありません。格好いい、楽しい、セクシー…真似したくなる。そして、ぶっとんでいる。そんな素晴らしい要素を兼ね揃えているのはダンスだけ。これからもっと、ますますダンスは成長していきますが、まだ、野球の大谷のように“社会現象”にはなっていません。でも今後、ダンスも社会現象になる!私はそうなると思っています」と熱弁。辣腕プロデューサ―のテリーさんならではの、未来を見据えた印象的かつ効果的な言葉は、会場はもちろん、配信を通して、すべてのダンスファンの脳裏にダンスの未来のあるべき姿を植え付けることになっただろう。

特別功労賞に選出されたテリー伊藤(撮影:SPREAD編集部)

各賞の後には、新チーム「Valuente INFINITIES」も紹介され、今年10月に始まる次シーズンからは全12チームでの闘いとなることも発表された。INFINITIESのディレクターSTEEZはブレイク・ダンス世界最高峰の大会「バトル・オブ・ザ・イヤー」で前人未到の三連覇を果たしたブレイキン界の“重鎮”。希望に満ちた未来の象徴とされるユニコーンをチームロゴとしている同チームが、来シーズンの闘いにどのようなインパクトをもたらすのか楽しみだ。

アワード終盤、Dリーグの神田勘太朗COOは「セカンドシーズンをやるなかで、過酷な状況下でも未来が見えた。ダンスのある人生、ダンサーが主役となれる場が確かに生まれ、Dリーガー全員がプロとして確実に成長してきている。12チームになってますます進化し、どう表に出てゆけるか。次はさらに重要なシーズンになる。」と気合の入ったメッセージを投げかけた。

そして最後は再び平野CEOから、全Dリーガーに向けて「プロとしての自覚をさらに強め、社会現象になるためには、オフシーズンの3か月半の間に何をするかが重要。今シーズンの悔しい気持ちで成長してほしい」と激励の言葉が贈られた。開幕からの2年間、制約の多かったコロナ禍を乗り越え、チケットを完売するまでになった日本発、世界初のダンス・リーグ。閉会の言葉と共に、セカンドシーズンのダイジェスト映像が流れると、この2年間の厳しき闘いを追う中で垣間見た様々なドラマが彷彿とされ、また、ダンスとダンサーの価値の興隆を想い、私も感無量のうちアワードショーの幕が下りた。

ダンスが社会現象となる未来の訪れを確かに予感させてくれる、セカンドシーズンを終えたDリーグ。このオフシーズンの間ですら進化を止めず成長し続け、10月から始まる“サード・シーズン”もまた、大いなる興奮と喜びを届けてくれるに違いない。

◆“本物”を追求し続けるサイバーエージェント・レジットが伝授、 夢を叶える「飛び込む力」 Peachと共同レッスン開催

◆カドカワ・ドリームズ史上最高得点も敗退! 21-22レギュラーシーズン、ラスト・ショーの煌めき

◆R10.はavexロイヤルブラッツが“劇場型”ダンスで見事シーズン初優勝! 2位LUX、3位8Rocksも圧巻の演技

著者プロフィール

Naomi Ogawa Ross●クリエイティブ・ディレクター、ライター

『CREA Traveller』『週刊文春』のファッション&ライフスタイル・ディレクター、『文學界』の文藝編集者など、長年多岐に亘る雑誌メディア業に従事。宮古島ハイビスカス産業や再生可能エネルギー業界のクリエイティブ・ディレクターとしても活躍中。齢3歳で、松竹で歌舞伎プロデューサーをしていた亡父の導きのもと尾上流家元に日舞を習い始めた時からサルサに嵌る現在まで、心の本業はダンサー

《SPREAD》

≪関連記事≫
≫貴重な水着ショットも披露!「もはや高校生には見えない」大人っぽい池江璃花子、沖縄・石垣島の海を満喫

≫ケンブリッジ飛鳥と滝沢カレンが似てる?リオ五輪時から密かに話題だった

≫レアル所属・中井卓大ってどんな選手?…「リアルキャプテン翼」と呼ばれた少年時代