ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平は6日(日本時間7日)、敵地でのマイアミ・マーリンズ戦に「3番DH・先発」で出場。前日に誕生日を迎え28歳として初登板となった大谷は初回、犠牲フライで1点を奪われ連続無失点記録は途切れるものの、自責点0記録は継続。最速101マイルの速球などで後続を断ちきり、7回を投げ被安打2とマーリンズ打線を圧倒。投手成績は7回100球で10奪三振、被安打2与四球3の上、1失点で今季8勝目を挙げた。
打者としても4打数1安打1得点1四球さらに2打点はそのまま決勝点となる活躍で、エンゼルスの連敗を投打にわたる大車輪で食い止めた。
◆【実際の映像】「連敗ストッパー」大谷初平、メジャー通算300打点となる勝ち越しの2点タイムリー
■「全部ひとりで決めた」、投打での大活躍に現地メディアも大興奮
大谷は5回の第3打席、2死満塁の場面でシフトの逆を突くヒットで2打点を挙げ試合をひっくり返した。大谷はそれまで6打者連続で打ち取っており、その直後に自らのバットで得点を挙げ、これには現地メディアも大興奮。
試合を中継する『バリースポーツ・ウエスト』の名物実況マーク・グビザは「ユニコーンは信じられない! オオタニさんが2点タイムリーだ!」とツイッターに投稿。また、同局のエリカ・ウェストンレポーターも「ショーが全部ひとりで決めた! エンゼルスがリード!」と、その様子を伝えた。
貧打に喘ぐエンゼルスにとっても、この回は久しぶりのマルチ安打とマルチ得点。地元紙『オレンジカウンティ・レジスター』のジェフ・フレッチャー記者は「今遠征、1イニングで2安打は初めて」と投稿し、その後「マルチ得点も初めてだ」とホッとしたような様子をつづった。
この試合は投手としても、圧巻のピッチングを披露。フレッチャー記者によれば、大谷は過去5試合の登板で33回2/3を投げ46奪三振、与四球9、被安打16、自責点1、防御率は驚異の0.27を記録。
さらに『ESPN』のアルデン・ゴンザレス記者は、「オオタニは6月9日から1点も与えていない。すでに27日も前のことだ。それ以降、相手打者のOPSは.335。大谷のOPSは1.008だ」と驚愕。『ジ・アスレチック』のサム・ブラム記者も「オオタニから打つのはいつも難しい。それに加え、大谷自身が『これが最後のアウトだ』と考えた時、その打者が彼を打ち崩すのはさらに困難になる」と脱帽した。
■投打でまた新たな歴史
大谷はまた、この試合で数々の球団記録を打ち立てた。
エンゼルスの広報はまず、大谷が記録した今季10個目の盗塁について、「オールスター前に15本塁打と10盗塁をエンゼルスの選手として複数年達成したのは、マイク・トラウト(5回)、ダリン・アースタッド(2回)、ドン・ベイラー(2回)に次ぐ、4人目」と紹介。
さらに試合後、「オオタニは、ア・リーグ投手では地区制度開始の1969年以降、ヨハン・サンタナ(ツインズ/2004年)以来の4試合登板で4勝0敗、防御率0.00、40奪三振以上の記録を達成」と伝えた。また同記録を達成したのはレイ・カルプ(レッドソックス/1968年)とルーブ・ワッデル(アスレチックス/1907年)のみである記録も紹介された。続けて、「5試合で5勝0敗46奪三振以上かつ1点以下」の記録は、2018年のクリス・セール(レッドソックス)以来9人目であることを伝えた。
この他にも、MLB公式サイトのサラ・ラング記者によると、大谷は史上初めて「1試合で10奪三振以上、マルチ打点、盗塁」記録したとされている。
大谷は「連敗ストッパー」であるのみならず、「レコード・ブレーカー(記録破り)」としても、その名を刻み続けている。
◆【実際の映像】「連敗ストッパー」大谷初平、メジャー通算300打点となる勝ち越しの2点タイムリー
◆28歳の誕生日を迎えた大谷翔平に祝福の声続々「ハッピーバースデー、ユニコーン」
◆大谷翔平、持ち球の「握り」を惜しげも無く披露 「タイム」誌が新たなインタビュー映像公開
文・澤 良憲(Yoshi Sawa)