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ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平は27日(日本時間28日)、敵地でのトロント・ブルージェイズ戦に「3番DH・投手」のリアル二刀流で出場。今年のオールスター戦で勝利投手となったアレック・マノアとのエース対決となった。
大谷は初回こそ28球を要したが、2回以降は球数を抑えながらブルージェイズ打線を零封。7回を投げ今季最多109球、9奪三振無失点、被安打2与四球1の快投を披露した。エンゼルス広報によれば、大谷が「7回以上投球、9奪三振以上」をマークしたのは今季これが3試合目、ア・リーグでは今季唯一だという。
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打者としては2打数でノーヒットながら2四球。だが、6回の第3打席で先制点へとつなぐ働きを見せた。
6回の第3打席、無死一、二塁の場面。大谷の打球は投手ゴロ。マノアはこれを二塁に送球、一塁ランナーのマイク・トラウトで1アウト、ショートのビシェットがこれを一塁へ送球、一旦は併殺となった。しかしこの一塁でのプレーにチャレンジがかかり判定はセーフに覆る。大谷の快足が、凡打を1死一、三塁のチャンスへと変えた。その後ルイス・レンヒフォが左前タイムリーとし、エンゼルスが先制。大谷は自らの快足でスコアレスの試合を動かしてみせた。
試合はその後、9回にアンドリュー・ベラスケスが、日本ハムで大谷の同僚だったアンソニー・バースから本塁打を放つ。その後、救援陣も零封を重ね、エンゼルスが2-0で投手戦をものにした。大谷は今季11勝目。今季、大谷は128回を投げ、176奪三振、防御率2.67とした。これで規定投球回数まで残り34。計算上は残り6試合で6回以上投げれば、これを上回る。
■“邪悪なシンカー” 大谷の投球に記者興奮
投手戦が予想された今試合、エンゼルス公式ラジオ局のトレント・ラッシュ・レポーターは「大注目を集めたオオタニ vs. マノアは両者とも(その期待に)応える投球」とコメント。その言葉通りに大谷は、強力な打者が並ぶブルージェイズ打線を相手に快投した。
特に2回以降の投球は絶品で、元『ジ・アスレチック』のブレント・マグワイヤ記者は、大谷の投球に感嘆。大谷が初回に投じたシンカーを「これは邪悪(打ちにくい)だ」と称し、2回8番サンティアゴ・エスピナルを三振に仕留めた球を「絶妙なコースの“エグいスライダー”だ」と称賛。さらに、大谷のストレートの制球力にも触れ「驚異的だ」と脱帽。
これ以外にも3回の1番ジョージ・スプリンガーを三振に打ち取った球を「完璧だった」と褒め称え、さらにマグワイヤ記者は、投手分析家のロブ・フリードマン氏が掲載した大谷のスライダーとストレートの軌道を重ねたオーバーレイ動画をリツイ、「これでバッターはどうすればいいんだ」とコメントし、終始興奮気味だった。
実況のマーク・グビザ氏は大谷の降板後、「今日も素晴らしいパフォーマンスだった」と褒めちぎり、試合後も「ショウヘイ・サンは信じられない!!」と大絶賛。最後まで現地メディアを熱狂させた。
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文●澤 良憲(Yoshi Sawa)