【カタールW杯】日本代表、「ボランチ鎌田」の“プランB”採用の可能性は…… カナダ戦に挑む森保ジャパンの現状 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【カタールW杯】日本代表、「ボランチ鎌田」の“プランB”採用の可能性は…… カナダ戦に挑む森保ジャパンの現状

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【カタールW杯】日本代表、「ボランチ鎌田」の“プランB”採用の可能性は…… カナダ戦に挑む森保ジャパンの現状
【カタールW杯】日本代表、「ボランチ鎌田」の“プランB”採用の可能性は…… カナダ戦に挑む森保ジャパンの現状 全 1 枚 拡大写真

FIFAワールドカップ2022カタール大会の開幕が11月20日に迫っている。FIFAランク24位の日本は初戦のドイツ戦(同11位)を23日に控える中、17日にカナダ(同41位)と本大会前最後の強化試合を戦う。

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■36年ぶりW杯出場のカナダ戦が重要な理由

今大会が36年ぶり2度目のW杯出場となるカナダは、北中米カリブ海予選では、W杯出場の常連国でFIFAランク上位のメキシコ(13位)とアメリカ(16位)を抑え首位通過。英メディア『Goal』でも今大会のダークホースとして強く推されている。

戦力的にも、ドイツの絶対王者バイエルンで主力を担うアルフォンソ・デイビス、PSGが君臨するフランスリーグで伏兵リールにリーグ優勝をもたらしたFWジョナサン・デイヴィッドら、欧州トップリーグで活躍する若手が急増。「世界最高の左サイドバック」と評されるA・デイビスは、爆発的なスピードと攻撃力を活かして代表では前線で起用されることも多く、クラブとは異なる姿を見せる点も注目である。

また、本大会でF組のカナダが勝ち上がった際、決勝トーナメント1回戦では日本が入るE組を勝ち上がった国と対戦する。日本にとって史上初のベスト8入りを懸けた大一番の相手となる可能性もある。

そんなカナダ戦を前にMF遠藤航(シュツットガルト)がブンデスリーガ第14節のヘルタ・ベルリン戦で頭部を強打し、一時は意識を失うほどの状態に。幸い脳震盪以外に損傷などはなく、W杯出場には支障がないと見られる。絶対的な攻守の要である遠藤は、本番をにらんで出場を回避する可能性が濃厚。そんな中、チームとしては新たなオプションの形成も想定される。

■課題を克服しブンデス最高評価

具体的には、本来[4-2-3-1]のトップ下に入るMF鎌田大地のポジションを1列下げ、遠藤の定位置であるボランチで起用するプランだ。今季フランクフルトの公式戦で18試合に先発出場している鎌田、その内訳は、「ボランチ10、左サイド5、シャドー3」と、ボランチ起用の方が多くなっている。

鎌田は昨季までドイツメディア全体で、「守備面」と「攻撃の軸でありながら得点が少ない」ことを課題に挙げられて来た。

しかし、今季はポジションを下げたにも関わらず、すでにブンデスのリーグ戦ではキャリアハイとなる7ゴール、CLなどカップ戦も含めると全公式戦で12ゴールを決めている。守備面でもボール奪取数でチームトップを記録するケースも見られるようになった。課題を克服した鎌田は、ドイツ紙『キッカー』の平均採点でブンデスリーガ全選手中のトップに立っている。

■3人の日本人MFと融合したゲッツェ

フランクフルトで鎌田がボランチとして機能している背景には、2014年のブラジルW杯決勝で母国を世界王者へと導く決勝点を挙げたドイツ人MFマリオ・ゲッツェの存在がある。

ゲッツェはドルトムント時代にMF香川真司(シント・トロイデン)と抜群のコンビを組み、2010-11、2011-12のブンデスリーガを2連覇。昨季はPSVで堂安律(フライブルク)とも息の合ったプレーを披露していた。

2列目に入るゲッツェは囮となる動きも含めた細かなポジションチェンジを続けてくれる。時に、互いのスペースを分け合いながら意思疎通を図り、3人の日本人MFと華麗なハーモニーを奏でて来た。そのうえで、30歳となった彼はここまでチーム最多の走行距離165.1km(リーグ全選手中5位)を記録。今季の活躍を買われてサプライズで5年ぶりのドイツ代表復帰を果たした彼は、本大会の初戦で日本の前に立ちはだかる。

■攻撃陣のタレントをフル活用できる魅力的なオプション

鎌田をボランチ起用すると2列目のポジションが1つ空くため、選択肢が拡がる。

ゲッツェと似たような役割を担える久保建英(レアル・ソシエダ)をトップ下に据え、イングランドでもゴールに直結する卓越した個を発揮し始めた三笘薫(ブライトン)、ドリブルだけでなく周囲も巧みに使い、ドイツで守備面も評価される堂安らをサイドに使い、得点が欲しい場面では復調傾向の南野拓実(モナコ)を2トップ気味に投入するのも面白い。

「ボランチ鎌田」シフトは、日本にとって大きな可能性を膨らませてくれる魅力的なオプションだ。遠藤の状態が心配される中、カナダ戦でプランBの採用は見られるのか。

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文●新垣博之(しんがき・ひろゆき)

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