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ニューヨーク・メッツと5年総額7500万ドル(約105億円)で合意した千賀滉大(福岡ソフトバンクホークスから海外フリーエージェント権を行使)について、米メディアが特集している。日本で対戦経験のある選手のコメントを掲載し、育成選手から這い上がって来たキャリアにも焦点を当てた。また、阪神タイガースからポスティングシステムを利用し、メジャー移籍を目指している藤浪晋太郎の動向も話題になっている。
◆藤浪晋太郎 吉田正に続きレッドソックスが獲得か 地元スポーツサイトが報道
■「お化けフォークには当てられない」
米スポーツサイト『The Athletic』は11日(日本時間12日)メッツ入りが確実となった千賀について特集。日本で対戦経験のある選手たちのコメントを掲載した。
ステフェン・ロメロ(オリックス、楽天でプレー)は、初めて千賀のお化けフォークで三振に仕留められた打席を振り返り、「ベンチに戻って、どうやったらあのボールに当てることができるんだ」とつぶやいたという。その上で「(千賀のフォークは)速球と同じように見える。打者にはほとんどチャンスはない」と話した。
千賀と複数回対戦した元オリックスのアダム・ジョーンズも「彼はえげつないよ。メジャーの能力を持っている」と語ったという。また、元サンディエゴ・パドレスで、昨季は西武でプレーしたブライアン・オグレディは「速球は速く、スプリットも厄介だ。スプリットが速球と同じ高さから来るから、高めのストレートかスプリットか分からないんだ。この速球とスプリットのコンビネーションはタフで、メジャーでもしっかりとした先発投手になれるだろう」と太鼓判を押した。
また、同サイトは千賀のキャリアにも注目。スタートが育成選手だったことについて触れ、「米国で言えば独立リーグから始めた選手がスター選手になるようなもの」と例え、育成出身投手として初めてゴールデングラブ賞を受賞した経歴などを紹介した。そのほか、メッツのバック・ショーウォルター監督が、ボルチモア・オリオールズを率いていた当時に所属していた上原浩治氏に電話をかけ、千賀について話をしていたことも伝えた。
■ボストン、吉田との両獲り視野
千賀に続いてメジャー移籍を目指す藤浪について報じたのは、米スポーツサイト『Fan Nation』。
同サイトは「ボストン・レッドソックス、101マイルの速球を持つ日本のスター選手に興味を示す」との見出しを掲げ、記事を公開。「多くの人が日本のエースであるコウダイ・センガがレッドソックスに入団するかどうかに注目していたと思うが、チームとしては興味を持っているNPB投手がもうひとりいる」と記し、その投手が藤浪だとした。28歳の右腕に対してはレッドソックス、アリゾナ・ダイヤモンドバックス、サンフランシスコ・ジャイアンツが獲得に動いており、なかでもダイヤモンドバックスが熱心だという。
記事は「フジナミの最も注目すべき能力は101マイル(約163キロ)に達する速球である。NPBの日本人投手でこのマイルを達成したのはショウヘイ・オオタニだけで、彼らは高校時代のライバルだった。フジナミは、速球のほかにスライダーとスプリッターも投げる」とし、すでにレッドソックス入団で合意している吉田正尚(オリックス・バファローズからポスティングシステムを利用)と合わせて、日本人選手の“両獲り”の可能性を指摘した。
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文●SPREAD編集部