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世界ラリーレイド選手権(W2RC)開幕戦ダカール・ラリー2023は13日、14日目を迎えステージ12が行われた。全長1000キロ幅500キロと言われるサウジアラビア特有の大砂漠“空白地帯”の真ん中でビバークしたドライバー、ライダーはこの日、前日の起点となったシャイバーまで373kmを引き返した。このうちスペシャル・ステージは179km。
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■「せいぜい5位ぐらいだと思った」とローブ
砂漠のマラソン・ステージ後半となっても世界ラリー選手権(WRC)9連覇の絶対王者セバスチャン・ローブ(BRX)の勢いはまったく衰えない。このSSを1時間56分21秒で走破し、怒涛の5連勝を成し遂げた。SSでの5連勝は、1981年のWRC王者、パリダカ4度制覇のレジェンド、アリ・バタネン以来の快挙。また、前日まで総合2位ルーカス・モラレスに9分37秒と迫っていたがこの日、それも逆転。ついに総合2位まで順位を上げて来た。
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大砂漠をまさに飛ぶように疾走するすセバスチャン・ローブのBRX (C) A.S.O./G.Soldano/DPPI
ローブは「完璧な日だった」と自身の走りを絶賛。「ミスなし、ストールなし、ターン(路に迷うこと)もなし。良いドライブだし、マシンも完璧だった。我々の目標は準優勝。だからプッシュしたんだ。第1週に比べたら素晴らしい状況にあるよ。運がなかったからね。でも、そんなもんさ。まさか2位まで返り咲けるとは思ってもいなかった。まぁ、せいぜい5位くらいかと思っていたけど、カルロス(サインツ Sr.)、ステファン(ペテランセル)、ヤジード(アル-ラジ)が脱落したから、その後は2位を狙うことにしたんだ」と終始上機嫌だった。
総合1位を行くTOYOTA GAZOO Racingのナッサー・アル-アティヤはこのステージ、ローブに遅れること3分31秒でステージ3位とまったく危なげない走りで、がっちり首位を守った。
アル-アティヤは「マラソン・ステージを無事終えて良かった。マシンも良い状態で戻って来れたし。我々はたっぷりアドバンテージがあるから、これから毎日、5位以内でフィニッシュできれば問題ないからね。今日はハッピーだったし、こんなステージを続けることができたら嬉しい。次のステージはもう少しアタックするけどね」と余裕を見せた。
ステージ13はシャイバーからアルホフフに向か675kmを走破する。
ステージ12(14日目)結果
1.SEBASTIEN LOEB(BAHRAIN RAID XTREME) 01H 56′ 21”2.MATTIAS EKSTROM(TEAM AUDI SPORT)+ 03′ 19”3.NASSER AL-ATTIYAH(TOYOTA GAZOO RACING)+ 03′ 31”4.GUERLAIN CHICHERIT(GCK MOTORSPORT)+ 07′ 13”5.JAKUB PRZYGONSKI(X-RAID MINI JCW TEAM)+ 08′ 02”
総合順位
1.NASSER AL-ATTIYAH(TOYOTA GAZOO RACING)41H 16′ 25”2.SEBASTIEN LOEB(BAHRAIN RAID XTREME)+ 01H 27′ 10”3.LUCAS MORAES(OVERDRIVE RACING)+ 01H 29′ 11”4.GINIEL DE VILLIERS(TOYOTA GAZOO RACING)+ 02H 22′ 21”5.HENK LATEGAN(TOYOTA GAZOO RACING)+ 02H 34′ 21”
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文●SPREAD編集部