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NBAは1990年、フェニックス・サンズ対ユタ・ジャズの公式戦開幕を日本で敢行。以降、92年、94年、96年と隔年での開催がルーティンともなっていた。しかしその後、NBAのアジア戦略の変更もあり、日本開催は見送られ長い間、日本でNBAの試合を観る機会は得られなかった。
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■NBAチームの来日は23年ぶり
2019年にJapan Gamesとして当時、ジェームズ・ハーデン率いるヒューストン・ロケッツと前季王者のトロント・ラプターズがNBAチームとして23年ぶりに来日、オープン戦ながら23年ぶりに日本で生のNBAゲームを目撃する機会に恵まれた。
また、新型コロナ・ウイルス感染症蔓延による激動期を経て2022年には八村塁が所属していたワシントン・ウィザーズとやはりこれも前季王者ゴールデンステート・ウォリアーズが来日し対戦。日本のバスケ・ファンを沸かしたのは記憶に新しい。
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ジャパンゲームズ記者会見で「ホームだったのかな」と笑顔を見せる八村塁 撮影:SPREAD編集部
しかし残念なのは、このどちらも1990年代とは異なり公式戦ではない点。果たして、日本でNBAの公式戦を観戦することはできないのだろうか。
19日(日本時間20日)、第72回NBAオールスター・ゲームに先立ち、開催地米ユタ州ソルトレイクシティにて、マーク・テイタムNBA副コミッショナー兼COOに直接、この件について聞いた。
「実は日本で開幕戦を行っていた時代よりも、選手の精神的、肉体的なケアを配慮しなければならない時代へと変わっています。どうしても日本までの距離を考えると過密スケジュールにならざるをえません。公式戦を日本で行うと、かなりのロングトリップになるので(アメリカ)帰国後、選手に回復の時間を与える必要があります。公式戦のため、(米国内での試合のみを組む)他のチームに比べ、不利になるようなスケジュールを組むわけには行きません。ヨーロッパにおいては、この調整がいくぶん可能なのですが(今季もプレシーズンが行われた)アブダビを含め、アジアで公式戦を行うのはハードルが高いのです」と、20年以上前と異なり、選手の体調管理が懸念材料となり、選手会からもなかなか了承を得られないという実情を訴えた。
■開幕戦なら日本開催もありえる
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SPREAD編集部の質問ににこやかに答えるマーク・テイタム副コミッショナー兼COO 撮影:SPREAD編集部
「一方でオープン戦を日本で開催することは、マーケティング上のアドバンテージが大きい。例えば、金曜日と日曜日の合間に組まれた『サタデーナイト』イベントでは、ステフィン・カリーとクレイ・トンプソンが見事な3ポイント・コンテストを演じましたが、これはオールスターでしか見られないような対決です。日本のファンは、アメリカでさえ目撃することができない素晴らしいイベントを目にすることができました。他にも選手たちがボランティアとして施設を訪問し、バスケ・クリニックを行い、ステフ(カリー)もアンダーアーマーのイベントに参加することもできました。こうしたアクティビティは、公式戦ではまず不可能でしょう」とシーズン前だからこそ、選手が参加できるメリットを説いた。
同副コミッショナーは「ただし、絶対にない…と断言することはありません。先程申し上げたような(選手会との)調整が可能であれば、やはりスケジュールの観点から日本で行う公式戦は開幕戦ということになるでしょう」とこの先、いつの日か日本で公式戦が行われる可能性を示唆した。
今回のオールスターでもファン投票などで選出されたスターティング・メンバーの両チーム計10選手のうち、実に4選手がケガなどにより欠場となった。年間82試合という現状でさえ、こうしたケガが続出。「試合数が多い」とクレームする選手さえいるという。
果たして日本のファンの前で、公式戦の真剣勝負は見られるのか。ひょっとすると、必要なのは、熱狂的な日本のファンの声なのかもしれない。
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文●SPREAD編集部