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3月8日から開催される「2023 WORLD BASEBALL CLASSIC」(WBC/ワールド・ベースボール・クラシック)・プールAのチャイニーズ・タイペイ(台湾)には、日本プロ野球経験者6選手が代表入り。日本を除いては、最多となる。うち3名は現在もNPBに所属し、顔なじみの選手も出場予定だ。
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■現役は宋、呉、王の3選手
投手・宋家豪 (ソン・チャーホウ)は、2017年に東北楽天ゴールデンイーグルスに入団すると、主に中継ぎとしてブルペン陣を支えている。21年には、ケガで離脱した松井裕樹に代わりクローザーに入ると、63試合に登板して3勝3敗7セーブ24ホールドで防御率は2.23の成績を残した。
ツーシーム、スライダー、カーブ、チェンジアップなどを持っているが、最速156キロの直球で押していくパワータイプだ。通算成績は248試合登板、16勝12敗7セーブ87ホールド。現在2年連続で20ホールド以上を記録しており、今季は通算100ホールド達成の期待が高まる。
野手では、埼玉西武ライオンズの呉念庭(ウー・ネンティン)、北海道日本ハムファイターズの王柏融(ワン・ボーロン )が台湾代表に名を連ねる。
呉は台湾出身ながら、岡山の共生高から鹿児島の第一工科大を経て15年ドラフト7位で入団。21年には1軍で初めて4番に座るなど、自身初の規定打席に到達し、10本塁打でチーム3位の48打点を記録。内外野どこでも守れるユーティリティプレイヤーだ。通算成績は341試合出場、打率.226、15本塁打、97打点。通算100打点まで残り3と迫る。
日本ハムの王は、台湾プロ野球CPBLで2年連続打率4割、3冠王に輝くなど鳴り物入りで19年に入団。1年目は88試合に出場し打率.255、3本塁打、37打点と手薄な外野を支えた。しかし、4年目となる昨季は15試合の出場に留まり、打率.063と不振にあえぎオフに育成契約になってしまった。だが本人は前向き。台湾代表をきっかけに今季も支配下へ這い上がろうとしている。
■日本プロ野球出身の投手陣
呂彦青(ルー・イェンチン)は、地元メディアで“台湾アマ球界No.1左腕”との呼び声も高かった投手。2017年阪神タイガースへ入団するも、一軍での登板機会はなく20年限りで自由契約となった。
李振昌(リー・ジェンチャン )は、投手で元メジャーリーガーという期待を背負い15年11月に埼玉西武ライオンズに入団。16年は開幕一軍で迎えると、開幕戦で初ホールドを記録。その後は思うような成績が残せずこの年限りで退団となった。
陳冠宇(チェン・グァンユウ)は、11年、国立体育大学在学中に横浜ベイスターズ(現横浜DeNAベイスターズ)へ入団。14年に横浜DeNAを自由契約になると、15年からは千葉ロッテマリーンズへ。同年6月にはプロ初勝利を挙げるなど、この年5勝4敗、防御率3.23の数字を残した。その後、20年までロッテに在籍し、NPB通算136試合登板、11勝11敗、12ホールド、防御率3.58の成績。
侍ジャパンと台湾の対戦は過去10年で7勝1敗 だが、1点差の試合が2試合、2点差も2試合と接戦。13年第3回WBC台湾戦は今振り返っても絶体絶命の名場面となっている。18年の「侍ジャパンシリーズ」では5-6と黒星を喫した。NPBを知る選手が増え、近年は力をつけてきているチームだけに1次ラウンド突破を期待したいところ。プールAを戦う台湾代表にも注目だ。
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文●SPREAD編集部