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ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)は21日(日本時間22日)、米フロリダ州マイアミのローンデポパークで決勝が行われ、日本が3-2で米国を破り、3度目の頂点に立った。
試合は日本が先制を許す展開となったが、村上宗隆、岡本和真の1発などで逆転。最後はリリーフ登板した大谷翔平がマイク・トラウトを三振に切って取り、逃げ切った。
■アッパーデッキに飛び込む最速弾
1点を追う2回。先頭で打席に入った村上は、米国先発メリル・ケリーが投じた148キロ直球を完璧に捉え、右翼席上段に飛び込む特大アーチをかけた。飛距離432フィート(約132メートル)、角度25度、打球速度115.1マイル(約185キロ)を記録し、打球速度は「今大会の本塁打の中で最速だった」(『ESPN Stats & Info』)という。
打った瞬間に本塁打と分かる豪快な一撃に対して、米メディアもすぐさま反応。「日本からの即答。村上のソロホームランで同点に追いつく」(『FOX Sports:MLB』)、「昨夜のヒーローがアッパーデッキ弾」(WBC公式Twitter)などのコメントが並び、価値あるアーチを称賛。
そのほか、『ESPN』のジェフ・パッサン記者は「昨年56本のホームランを放ち、(前日は)9回に日本を決勝に導く安打を放ち、メジャーリーグで絶対的なスターになるであろう村上がケリーからアッパーデッキに怪物ホームランを放った」とツイートした。
■「佐々木より山本より村上」
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WBC決勝で同点弾を放った村上宗隆(C)Getty Images
ここに来て「日本の三冠王」に注がれる視線も熱を帯びてきた。米スポーツメディア『The Sporting News』は村上を緊急特集。「WBCでは日本のスターが登場する。大谷翔平、佐々木朗希、山本由伸といった面々がいる。しかし、本当にブレイクしそうなのは、23歳の村上宗隆である」と記し、経歴や実績などを掲載。
そして、ヤクルトとの現契約について触れ、「2025年シーズン終了後にポスティングシステムによるメジャー挑戦を容認されており、彼のMLBキャリアは2026年に始まることになる」と断言した。その上で「(メジャー挑戦が表明されれば)このパワーヒッターを獲得するために熱狂的な争奪戦になることだろう。しかし、それが実現するまでにはまだ時間がある」と結んだ。
今大会は不振に見舞われ、調子の上がらなかった村上だが、最後にしっかりと爪痕を残したようだ。
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文●SPREAD編集部