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決勝で侍ジャパンに敗れた米国は連覇は逃したものの、参加した選手たちは充実感を口にした。またワールド・ベースボール・クラシック(WBC)2026年大会でのリベンジを誓う姿を米メディアが報じている。
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■トラウト「今まで一番楽しい大会」
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アメリカの主将マイク・トラウト(C)Getty Images
米国はスーパースターを揃えながら連覇を逃したが、悲嘆にくれる姿はなかった。米紙『USA TODAY』によると、日本がシャンパンファイトを繰り広げているころ、マイク・トラウトは息子を追いかけてフィールドを走り回り、トレイ・ターナーは息子を高く持ち上げていた。マーク・デローサ監督も家族と写真に収まり、名残り惜しいのか、誰も球場を後にしようとしなかったという。
トラウトは今大会について「今までで一番楽しい10日間だった。いつもと違うんだ。何が違うのか、うまく表現できないんだけど。ただ、心がそれを感じる。特別な、本当に特別な感覚なんだ」と振り返った。
ティム・アンダーソンも「情熱、エネルギー、そして国のためにユニフォームを着るということが選手にとってどんな意味を持つか。これはとても大きなこと。世界のためにプレーしているんだ」と話し、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)が特別な大会であることを強調。同じようにポール・ゴールドシュミット、ノーラン・アレナド、マイルス・マイコラスらも「最高の環境だった」と語った。
■「大谷と同じように金メダルを欲した」
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WBCの優勝トロフィーを手にした大谷翔平(C)Getty Images
また、ベンチコーチのマイケル・ヤングは「選手たちは大谷翔平と同じように金メダルを欲していた。少し誤解されているような気がする。米国が日本よりも金メダルを求めていないというのは虚構だ」とし、日本よりタイトルに懸ける思いで劣っていたという声を否定した。
その上で『USA TODAY』は、やはり米国の課題は投手と指摘。「大会がシーズン開幕の3週間前に開催され、投手がワールドシリーズ最終戦のように投げることを考えると、ケガの心配もある」という関係者のコメントを紹介。開催時期の変更などレギュレーションについて検討すべきことがあると記した。
それでも今大会の盛り上がりを受けて「すでにニューヨーク・ヤンキースのスター選手、アーロン・ジャッジが内々に2026年のWBCでプレーしたいと話しているのは不思議なことではない」とし、「彼が出場表明すれば、今回のようにトラウト、ムーキー・ベッツなどスター選手も続くのではないか」と期待を寄せた。
エース級の投手陣を揃え、ジャッジが参戦する米国と侍ジャパンの対戦はあるのだろうか。3年後が今から楽しみだ。
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文●SPREAD編集部