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今季の石川遼には期待して良さそうだ。
13日から開催された男子ツアー今季2戦目となる「関西オープン」の2日目、昨季のダンロップフェニックス最終日から続いていた連続60台でのラウンド数を15に伸ばした。
これはスペインのセルヒオ・ガルシアに並ぶツアー最長タイ記録。3日目は73で、16の新記録とはならなかったが、昨季の「三井住友VISA太平洋マスターズ」での2年11カ月ぶりの優勝以降の安定感は、これまでのスイング改造結実の兆しを感じさせる。それは、フェアウェイキープ率とパーオン率にも見て取れる。
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■スイング改造で数値が向上
石川は曲がるドライバーショットに悩まされ続けてきた。2017年途中、それまで主戦場としてきた米ツアーから撤退する原因となったのも、ドライバーショットの不安定さだ。それは日本ツアーに戻ってきてからも続いた。
2017年はラウンド数不足によりランキングされていないが、フェアウェイキープ率は39.680%。これはランキングされている最下位の選手の数字(103位・41.390%)を下回っている。ここまで悪いと、得意のアイアンショットやショートゲームを生かすことは難しい。
そこから長期的な観点でスイング改造を重ねた。過去の強い石川を知っている周囲の関係者からは「石川はスイングをいじり過ぎ」と言われることもあったが、信念を曲げずに改造を継続。
ドライバーショット時、フェースの開閉を少なくしてシンプルなスイングに改良しようと取り組んだ。そういった形を作りやすくするためにグリップも変え、それらが身体になじんできてから、成績が上向き始めた。
昨季の三井住友VISAから関西オープンまでの6試合のスタッツの平均を算出すると、フェアウェイキープ率が58.036%、パーオン率が73.611%となり、昨季までのものと比べると、向上していることがわかる。
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■論理的な石川が手応えを実感
見た目には分からない程度の変化でも、プロレベルになると、感覚的にはとても大きな変化になる場合があり、それを身体になじませるには苦労を要する。
石川の場合は、見た目にも明らかに変わったことが分かる。マイナーチェンジではなく違和感を乗り越えなければいけないモデルチェンジだ。「試合は最高の練習の舞台」とし、目先の成績にとらわれ過ぎずに、根気強くスイング改造を続けてきたからこそ、新しいスイングを自分のものにでき、成果が表れ始めているのだろう。
現時点でのゴールが見えてきている石川の成績の安定感は「好調」よりも「進化」という言葉が適しているのではないだろうか。「スコアはまずまずだけど内容が……」などと、スコアとスイングやショットの感覚を切り離して現状について述べることが多い石川本人の口から「スイング改造に手ごたえを感じられるようになり、今の状態に満足している」と、多くの部分を肯定するポジティブなコメントが聞かれるようになった。
今週は20日から、茨城県のPGM石岡ゴルフクラブで、「ISPS HANDA 欧州・日本どっちが勝つかトーナメント!」が、開催される。
昨季の同大会(昨季大会名:ISPS HANDA 欧州・日本、とりあえず今年は日本トーナメント!)では、予選落ちだったが、今季の石川は一年前とは違う。
今年の石岡では、石川に期待して良いだろう。石川は連続60台の記録更新への階段を再び上り始めるかもしれない。
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著者プロフィール
野洲明●ゴルフ活動家
各種スポーツメディアに寄稿、ゴルフ情報サイトも運営する。より深くプロゴルフを楽しむためのデータを活用した記事、多くのゴルファーを見てきた経験や科学的根拠をもとにした論理的なハウツー系記事などを中心に執筆。ゴルフリテラシーを高める情報を発信している。ラジオドラマ脚本執筆歴もあり。