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日本時間30日、香港・シャティン競馬場にて、香港・クイーンエリザベス2世カップ(GI・芝2000m)が行われる。7頭立てと少頭数になったが、昨年の覇者、香港のロマンチックウォリアーや、GI連勝中の英国ドバイオナーなど強力な海外勢に、日本からは2頭のGI馬を含む3頭が参戦。ここでは有力馬、穴馬などを紐解いていきたい。
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■ロマンチックウォリアーが連覇を果たす
昨年暮れの香港国際競走。香港カップにはパンサラッサやジャックドール、香港マイルにはシュネルマイスターが参戦するなど、日本勢の上位独占も期待されたが、地元香港馬の高い壁に阻まれ、結局香港ヴァーズの1勝のみに終わった。それほど、現状の香港馬はレベルが高くなっており、日本からは超一線級が参戦しないと、厳しい戦いが予想される。
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2023年 香港・クイーンエリザベス2世カップ 出馬表
香港・クイーンエリザベス2世カップは、日本にとって過去6年で3勝と相性のいいレースだが、今年は地元香港勢を中心に考えていいだろう。その中で、やはり連覇を狙うロマンチックウォリアーが1番手だ。
昨年の当レースでは、中団から突き抜けて2馬身差の快勝。香港カップでも中団から進めて、直線では突き放す強い競馬で、2着ダノンザキッドに4馬身半もの差をつける圧勝だった。
今年に入り、GIで連続2着と敗れているが、相手はいずれも、2年連続香港年度代表馬のゴールデンシックスティだったので致し方ない。むしろ、両レースとも接戦を演じており、香港最強馬のいないここなら、堂々と主役を演じ切れるだろう。
■日本勢はGI馬2頭よりもプログノーシスが魅力
3頭が参戦する日本馬は、香港カップで2着に善戦したダノンザキッドが最右翼と目されるだろう。だが、その香港カップでは、勝ったロマンチックウォリアーの後方を首尾よく追走し、道が開けた部分を走っての好走劇。展開に恵まれた面もあった。2歳時以降、約2年4カ月勝ち星から見放されており、ムラ駆けな点も気にかかる。
良血ジェラルディーナは、エリザベス女王杯で悲願のGI初制覇。有馬記念でもイクイノックスの3着に善戦し、ここにきて本格化の兆しが見える。とはいえ過去10年、牝馬の成績は【1.0.2.5】で、勝ったのは2021年のラヴズオンリーユー1頭のみ。彼女との比較では、いささか戦績面で見劣る印象で、少頭数でペースが落ち着きすぎるようなら、後方一気の戦法もやや懸念材料だ。
日本勢で触手が動くのはプログノーシスだ。前走の金鯱賞で重賞初制覇を果たしたばかりだが、全8戦中7戦で上がり最速をマークするなど、確実に決め手を発揮できる点は強み。15年2着ステファノス、21年1着ラヴズオンリーユー、同2着グローリーヴェイズと、ディープインパクト産駒は、過去に出走した3頭すべてが連対を果たすなど、相性の良さも光る。
■ヒモ荒れに期待して、香港勢2騎を相手に忍ばせる
ここは負けられない戦いとなるロマンチックウォリアーの1着固定で勝負する。7頭立てだけに、あまり手を広げたくないので、人気を集めそうな日本馬はプログノーシス1頭に絞る。
GI連勝中のドバイオナーも不気味な存在だが、近2走は悪い馬場状態で行われた舞台での勝利で、良馬場の時計勝負になった際は、果たしてどこまでパフォーマンスを発揮できるのか疑問符がつく。
それならば、地元香港勢のほうが地の利を活かせる点で有利か。特にマネーキャッチャーは、GI勝ちはなく、ロマンチックウォリアーやゴールデンシックスティ、カリフォルニアスパングルといった強敵にはなかなか敵わないが、相手なりに善戦するタイプで、ヒモに加えておきたい1頭。
また、昨年の2着馬トゥールビヨンダイヤモンドも、近走は連を外すレースも増えているが、こちらも大きく水をあけられているわけではなく、展開ひとつで上位に食い込む力は秘めている。人気もなさそうだし、ヒモ荒れに期待して、両馬とも相手に加えておきたい。
◎(1)ロマンチックウォリアー◯(6)プログノーシス▲(5)マネーキャッチャー△(4)トゥールビヨンダイヤモンド
馬単1着流し(3点)軸:1相手:6、5、4
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著者プロフィール
石川豊●いしかわゆたか20代から競馬メディアに寄稿。「ユタカ人気」と言われた時代、武豊が騎乗する過剰人気馬をバッサリと切り捨てる馬券術を駆使し、年間回収率100%超に成功。以来、「1番人気の勝率は3割」を念頭に、残り7割の可能性を模索し、「危険な人気馬」理論を唱え続ける。