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MLBは開幕から30試合ほどを消化。ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で躍動した日本人打者が、レギュラーシーズンでも日々活躍を続けている。
投打で最高の滑り出しを見せた二刀流・大谷翔平、2年目の飛躍が期待される鈴木誠也、MLBデビューを果たした“安打製造機”吉田正尚に加え、日本でも一躍人気者となったラーズ・ヌートバー、浮き沈みはあれど、概ね順調なスタート切った侍戦士たちの4月を振り返ってみる。
◆明暗分かれた日本人投手、4月の通信簿 大谷翔平はサイヤング賞も射程圏内の好投
■序盤不調の吉田正尚が、爆発的な巻き返し
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日本人打者・月間成績(C)Baseball Reference
ロサンゼルス・エンゼルスの大谷は、打者として28試合に出場し、打率.294/本塁打7/打点18/OPS.897をマーク。打球関連の指標はいずれもMLBトップクラス、初球スイング率42.3%はキャリアで最も高く、打率.421と積極的な打撃が好結果に結び付いている。強いて課題を挙げれば、チェンジアップやスプリットなどの落ちる球種への対応だが、体調を維持できれば、投打でタイトル同時受賞も夢ではないはずだ。
ボストン・レッドソックスの吉田は、開幕直後の不振から猛烈な巻き返しを見せ、打率、OPSともにチーム2位の好成績。三振率の低さはMLB上位3%、渡米後もコンタクト能力の高さが光っている。本拠地のフェンウェイパークはレフトまでの飛距離が短く、課題とされる外野守備も大きな負担にはならないだろう。
シカゴ・カブスの鈴木は、左脇腹の故障が長引き出遅れたものの、復帰初戦で本塁打を放つなど、オフの肉体改造が成果を見せ始めている。昨季平均レベルだった打球初速がMLB上位11%に上昇、外野守備の指標も好転しており、5月以降の活躍を予感させる。
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カージナルスのラーズ・ヌートバー(C)ロイター/USA TODAY Sports
そして、侍ジャパンの“切り込み隊長”として旋風を巻き起こした、セントルイス・カージナルスのヌートバーも見逃せない。昨季後半メジャーに定着し、選球眼の良さと好守備で外野レギュラーを掴み取った。今季開幕直後に左手親指を負傷するも、ILから復帰後は主にリードオフマンとして躍動。打率.240ながら、出塁率.415はチームトップ、四球率23.1%はMLBナンバーワンと、長所を遺憾なく発揮している。
WBCが大きな成功をおさめ、全世界でベースボール人気が高まっていると聞く。長いシーズンはまだ始まったばかり、日本中を熱狂させた侍戦士の今後にも注目だ。
◆吉田正尚、グリーンモンスター直撃11試合連続安打で公式サイトは新人パワーランキング6位に選出
◆大谷翔平が放った“凱旋門越えアーチ”に称賛止まず ヌートバーとの侍対決へ準備万端
◆ラーズ・ヌートバー、無安打も強烈レーザビームで進塁阻止 衝撃の強肩に実況も興奮「なんというプレー」
文●SPREAD編集部